バイク用スライダーを自作
A1050でつくる、機能+意匠のオリジナルパーツ 。
バイクの立ちゴケでボコボコになってしまったアルミ製スライダー。
修正を試みたものの、かえって形状が崩れてしまい「それならいっそ自作しよう」と、
オリジナルスライダーの製作を行いました。
まずは現物からのリバースエンジニアリング。
取付穴位置や全体サイズを、3Dスキャナや各種計測器具で正確に測定し、3D/CADで
データ化しました。
せっかく3Dデータを起こすなら。
ということで、実用部品であるスライダーにあえて意匠デザインを追加することにしました。
スライダーに装飾は本来不要なものですが、今回は(株)アリスの広報活動も兼ねた製作。
「機能部品にも、設計と加工の遊び心を入れられる」ことを伝えるため、
ギア(歯車)をモチーフにした飾りデザインを取り入れました。
本来、スライダーは転倒時に削れることで車体を守るパーツです。
機能面を考えるとPOM(黒)が一般的ですが、見た目が少し物足りない。
そこで今回は、柔らかく削れやすいアルミA1050を選定し、新たに製作しました。
意匠面では、バイク名「GSX-S」と、排気量を示す「1000cc」から取った漢字の
「千」を刻印。
さらに、斜面部分には前後タイヤの空気圧を刻み込み、実用性と遊び心を両立
させています。
表面処理は、あえて目立たせるためにカラーアルマイト処理を採用。
数ある色の中から「一番面白そう」という理由で、イエローを選択しました。
なお、
「スライダーとして必要なのは下半分なので、上はカットした方が良いのでは?」
というご意見もありましたが、
- 取付ボルト位置
- 取付強度の確保
- 全体のデザインバランス
これらを総合的に判断し、今回は円形形状のままとしています。
実用品でありながら、設計・加工・意匠・表面処理まで含めて楽しめる。
今回のスライダー製作は、(株)アリスが日々行っている
「開発視点のものづくり」そのものを形にした事例になりました。