材料を変更するときに、考えておきたいこと
ものづくりの仕事では、製品の材料を変更したいという相談があります。
樹脂から金属へ。金属から樹脂へ。あるいは、同じ樹脂でも別の種類に変更する。
材料を変えることで、製品の性能や使いやすさが改善する場合があります。
しかし、材料の変更は、単に材質名を書き換えるだけで済むものではありません。
例えば、樹脂製の部品をアルミニウム製に変更する場合を考えてみます。
アルミニウムには、樹脂とは異なる強度や剛性、熱伝導性などの特性があります。
一方で、製品の重量が増えたり、加工方法や表面処理が変わったりする可能性があります。
使用環境によっては、腐食への対策も必要になります。
また、もともとの樹脂部品が持っていた絶縁性や柔軟性が必要だった場合、金属に変更することで別の問題が生じることもあります。
そのため、最初に確認したいのは、なぜ材料を変更したいのかということです。
強度を高めたいのか。
外観を変えたいのか。
摩耗や変形を改善したいのか。
それとも、材料の入手性や製作コストに課題があるのか。
変更の目的によって、適した材料や製作方法は異なります。
さらに、材料が変われば、加工工程も変わります。
樹脂切削加工と金属切削加工では、工具や加工条件、材料の固定方法などに違いがあります。
必要に応じて、アルマイト処理やめっきなどの表面処理を検討する場合もあります。
もちろん、すべての金属部品に表面処理が必要なわけではありません。
用途や要求品質に応じて判断することになります。
また、材料変更によって、部品を組み立てる相手側への影響が出る可能性もあります。
寸法だけが同じでも、重量や熱膨張、接触する相手材料との関係が変わるためです。
そのため、図面に指定された寸法だけでなく、実際の使用条件まで理解することが大切になります。
(株)アリスは、樹脂加工、金属加工、ゴム加工など、自社加工と国内協力会社の技術を組み合わせながら、試作品、治具、機械部品、設備部品などの製作に関わっています。
材料を変更する場合にも、加工のしやすさだけで判断することはありません。
品質、コスト、納期、使用環境、次工程への影響など、さまざまな条件を考える必要があります。
また、材料を変更することで、期待した効果が得られるとは限りません。
必要であれば、試作品を製作し、実際の使用条件で確かめることも重要です。
ものづくりでは、一つの条件を変更すると、別の条件にも影響が生まれることがあります。
その関係を理解し、目的に合った方法を考える。
材料選びも、製作する前から始まっている大切な仕事の一つです。