ポリカーボネート(PC)とポリメチルペンテン(PMP)の違い透明素材をどう使い分けるか
透明樹脂を選定する際、多くの開発現場で候補に挙がるのがポリカーボネート(PC)です。
一方で、近年はより高い耐熱性や耐薬品性が求められる分野で、ポリメチルペンテン(PMP)が
選ばれる場面が増えています。
ポリカーボネート(PC)とポリメチルペンテン(PMP)は、透明という共通点を持ちながら、設計
意図によって役割が大きく異なります。
ポリカーボネート(PC)は、衝撃強度が高く、加工性にも優れた透明樹脂です。
可視化モデルや筐体カバー、構造確認用部品など、幅広い用途で使われており、開発試作に
おいて非常にバランスの取れた材料といえます。
一方で、耐熱性や耐薬品性には限界があり、高温環境や薬品洗浄、スチーム滅菌を前提
とした用途では注意が必要です。
これに対して、ポリカーボネート(PMP)は、高温下でも透明性を保てるスーパーエンプラです。
沸騰水中でも加熱分解しにくく、医療分野でのスチーム滅菌工程にも対応できます。
さらに、透明樹脂の弱点とされがちな耐薬品性にも優れており、洗浄や薬品接触を繰り返す環境で
力を発揮します。
低誘電特性にも優れているため、電気・電子や理化学用途での検討対象になることも少なく
ありません。
またポリカーボネート(PMP)は、食品衛生法、FDA規制、PIM規格に適合した材料構成と
なっており、医療・食品分野での評価や検証に使いやすい点も特長です。
見た目は似ていても、ポリカーボネート(PC)とポリメチルペンテン(PMP)では、使える
温度域や環境条件が大きく異なります。
形状にもよりますが、50個や100個といった場合は、試作金型や簡易金型を製作しての射出
成形で製作する事も出来ます。

(株)アリスでは、ポリカーボネート(PC)とポリメチルペンテン(PMP)の切削加工を
通じて、設計段階での材料比較や実機評価に貢献しています。
カタログスペックでは判断しきれない違いを、実際の部品形状で確認する。
そのための材料選定と加工を、ぜひ貴社の開発プロセスにお役立てください。