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グレードから選ぶと、間違う事がある。

2026.02.23

材質選定の相談で多いのが、
「MCナイロンかPOMか、どちらが良いか」という問いです。

どちらも実績のある材料で、用途も重なります。
そのため、グレードや物性値から比較して決めようとすると、判断が止まります。

(株)アリスでは、この順番では選びません。
先に見るのは、グレードではなく「条件」です。

まず①環境。
温度、湿度、水分の有無、使用時間。
MCナイロンは吸水による寸法変化が出やすく、環境によって安定性が変わります。
一方でPOMは吸水が少なく、寸法安定性に優れますが、温度や薬品条件によっては制約が出ます。

次に②破壊要因。
何が壊すのかを整理します。
摩耗なのか、衝撃なのか、変形なのか。
例えば、摺動で摩耗が支配的であれば、POMの方が安定するケースがあります。
逆に、衝撃やたわみを受ける用途では、MCナイロンの方が有利に働く場合があります。

そして③許容範囲。
どこまでズレてよいのか。
寸法変化、摩耗量、使用寿命。
ここを曖昧にしたまま材料を選ぶと、後工程で必ずズレが出ます。

ここまで整理して、はじめてグレードに入ります。
耐熱、摺動、帯電防止などの機能は、条件に対して必要な分だけ付与します。

ただし、この段階でも「決まった」とは考えません。

実際の現場では、
加工時の応力や組み付け条件、相手材との当たり方によって、
想定と異なる結果になることがあります。

そのため(株)アリスでは、
最終判断を図面や物性値だけで完結させず、試作して確かめます。

実際に削り、組み付け、動かしてみる。
その中で、寸法の変化や当たり、摩耗の進み方を確認します。

この工程を挟むことで、
机上では見えなかった条件が明確になります。

グレード選定は、選ぶことが目的ではなく、
成立させることが目的です。

(株)アリスでは、
材質選定を「比較」ではなく「整理」と「検証」として扱っています。

現時点では、
環境・破壊要因・許容範囲で整理し、
最後に試作で確かめることが、
最も再現性の高い選定プロセスだと考えています。

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