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ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第90回】ChatGPTで社内の知識やノウハウを共有する方法|経験者の工夫・仕事の判断基準・失敗から得た学びを会社の財産にしよう

2026.06.20

こんにちは!ソラ先生です。

皆さんの職場には、「この仕事のことなら、あの人に聞けば分かる」という人はいませんか?

長年、製造現場で加工を担当している技術者。

お客様ごとの細かな要求を理解している営業担当者。

過去のトラブルや、その対応方法をよく覚えているベテラン社員。

社内の設備や材料の特徴に詳しい担当者。

こうした人たちは、日々の仕事を通して多くの知識や経験を蓄積しています。

しかし、その知識が本人の頭の中にしか残っていないとしたら、どうでしょうか。

担当者が休暇を取ったとき、異動したとき、あるいは退職したときに、仕事の進め方が分からなくなる可能性があります。

また、ほかの社員が同じ問題に直面したとき、過去に解決した経験があることを知らず、もう一度最初から調べることになるかもしれません。

前回の第89回では、ChatGPTを活用して新人教育の計画を作る方法を学びました。

今回は、その教育にも役立つ、社内の知識やノウハウを整理し、必要な人が活用できる形で共有する方法を学んでいきましょう。


1.知識とノウハウは何が違うの?

最初に、知識とノウハウについて考えてみましょう。

例えば、機械加工の仕事では、材料の特性、工具の種類、加工方法などについて理解する必要があります。

こうした情報は、仕事に必要な知識です。

一方、実際の加工では、経験を通して身につけた工夫や判断があります。

図面のどの部分を最初に確認するのか。

どのような場合に、加工方法の再検討が必要になるのか。

お客様の要求を理解するために、どのような質問をするのか。

こうした実践的な方法や判断の積み重ねが、ノウハウと呼ばれることがあります。

ただし、知識とノウハウを明確に分けられない場合もあります。

大切なのは、言葉の分類そのものではありません。

仕事を通して得られた経験や判断を、ほかの人にも役立つ形で残すことです。

ChatGPTは、その整理を手助けできます。

2.まずは経験者の話を整理してみよう

経験豊富な人が持っている知識を、最初から文章にまとめてもらうのは簡単ではありません。

長年行っている仕事ほど、何を説明すればよいのか分からない場合があります。

そんなときは、普段の仕事について話してもらい、その内容をChatGPTで整理する方法があります。

実践① 経験者の話からノウハウを整理する

ChatGPTへの入力例

「製造業の経験豊富な社員から、図面確認について次の話を聞きました。

『図面を受け取ったら、いきなり加工方法を考えるのではなく、まずお客様が何を必要としているのかを確認する。寸法や形状だけでなく、使用目的や必要な精度も考える。分からないことがあれば、勝手に判断せず確認する』

この話から、仕事の進め方、判断するときの考え方、注意事項を整理してください。

本人が話していない内容は追加しないでください。」

ChatGPTの回答例

図面確認に関する経験者の考え方

① 仕事の進め方

図面を受け取ったら、加工方法を決める前に、お客様の要求を理解する。

② 判断するときの考え方

図面の寸法や形状だけでなく、製品の使用目的や必要な精度も考慮する。

③ 注意事項

分からない内容については、推測だけで判断せず、必要な確認を行う。

このように、会話の内容から仕事の考え方を整理できます。

ただし、これは経験者の発言をまとめたものであり、すべての案件に適用できる正式な作業手順とは限りません。

実際の仕事に使う場合は、適用できる条件や例外についても確認することが大切です。

3.ChatGPTに質問してもらう方法

経験者が自分の仕事を説明するとき、「何を話せばよいのか分からない」ということもあります。

そこで、ChatGPTに質問を考えてもらう方法があります。

例えば、営業担当者が長年の経験で身につけた、お客様との打ち合わせの進め方を整理する場合です。

実践② 質問形式で経験を聞き出す

ChatGPTへの入力例

「これから製造業の営業担当者が持っている仕事のノウハウを整理します。

お客様から相談を受けたとき、どのように要求を理解し、必要な情報を確認し、社内や協力会社と相談しているのかを記録したいです。

経験者へ質問するためのインタビューを進めてください。

質問は一つずつ行い、回答を受けてから次の質問を考えてください。

具体的な経験や判断理由を聞き出せるようにしてください。」

ChatGPTとの会話例

ソラ先生:

「お客様から新しい製品の相談を受けたとき、最初に何を確認しますか?」

経験者:

「まず、お客様が何を実現したいのかを聞きます」

ソラ先生:

「図面や仕様だけでは分からないこともありますか?」

経験者:

「あります。図面だけを見ても、どの部分が重要なのか分からないことがあります」

ソラ先生:

「そのような場合、どのように確認していますか?」

経験者:

「製品の使用目的や、特に重視している条件を聞きます」

ソラ先生:

「確認した内容は、その後どのように仕事へ反映していますか?」

経験者:

「社内で加工方法を検討するときに、使用目的や重要な条件も伝えています」

このように会話を続けることで、普段は言葉にしていない判断や工夫を整理できます。

ここで重要なのは、ChatGPTが経験者の考えを勝手に作るのではなく、実際の回答をもとに質問を重ねることです。

4.成功した経験だけでなく、失敗から得た知識も残そう

社内で共有するノウハウというと、成功した仕事の進め方を想像するかもしれません。

しかし、過去の失敗やトラブルから得られた知識も大切です。

例えば、ある製品の加工で寸法不良が発生したとします。

原因を調べた結果、材料の状態や加工条件について、事前に確認する必要があることが分かったとします。

この経験が担当者の記憶にしか残っていなければ、別の担当者が同じような問題に直面する可能性があります。

そこで、発生した問題と、そこから得られた学びを記録します。

実践③ トラブル経験を知識として残す

ChatGPTへの入力例

「過去の製造トラブルについて、次の情報を整理してください。

発生した問題:加工後の寸法が指定公差から外れた。

調査結果:工具の摩耗が原因の一つだった。

実施した対応:工具の状態を確認し、必要な対応を行った。

今後の課題:工具の管理方法と確認記録を見直す必要がある。

この内容を、発生した問題、確認された原因、実施した対応、今後の改善課題に分けて整理してください。

実施していない対策を実施済みとして書かないでください。」

ChatGPTの回答例

製造トラブル・経験共有記録

発生した問題

加工後の寸法が指定公差から外れた。

確認された原因

工具の摩耗が原因の一つとして確認された。

実施した対応

工具の状態を確認し、必要な対応を行った。

今後の改善課題

工具の管理方法と確認記録の見直し。

このように整理することで、問題の経緯を後から確認しやすくなります。

ただし、原因が複数ある場合や、調査が完了していない場合は、その状態も正確に残しましょう。

失敗の経験を共有する目的は、誰かを責めることではなく、同じ問題を繰り返さないための知識として活用することです。

5.ノウハウを共有するときは、条件も残そう

経験者の工夫を共有するとき、注意したいことがあります。

それは、ある仕事でうまくいった方法が、別の仕事でも同じように使えるとは限らないということです。

例えば、樹脂材料の機械加工を考えてみましょう。

同じ樹脂という分類でも、材料の種類やグレードによって特性は異なります。

製品の形状、寸法、必要な精度、使用設備などによっても、適切な加工方法は変わります。

そこで、ノウハウを記録するときには、どのような条件で得られた経験なのかを残すことが重要です。

ChatGPTへの入力例

「製造現場で得られた加工ノウハウを記録するための書式を作成してください。

製品の特徴、材料、設備、加工上の課題、実施した工夫、確認結果、適用する際の注意点を整理できる形式にしてください。

具体的な加工条件は、実際の記録をもとに入力するため、勝手に数値を設定しないでください。」

ChatGPTの回答例

加工ノウハウ共有シート

項目記録する内容
対象製品製品の特徴や用途
材料材料名・グレード
使用設備設備の種類
加工上の課題発生した問題や難しかった点
実施した工夫実際に試した内容
確認結果測定結果や評価内容
適用条件対象となる条件や制限
注意事項別の案件で使用する際の確認事項

このように、単に「うまくいった方法」を記録するだけでなく、その条件や確認結果も残すことができます。

技術的なノウハウを別の案件へ応用する場合には、必要な検証を行うことが重要です。

6.経験者の言葉を、初心者にも伝わる形にしよう

社内のノウハウを共有するとき、経験者には伝わる言葉でも、新人社員には意味が分からない場合があります。

例えば、

「図面をよく見ておいて」

「材料の状態を確認して」

「いつもと違うところに注意して」

といった説明です。

経験者なら、その言葉の背景を理解できるかもしれません。

しかし、初めて仕事をする人には、具体的に何をすればよいのか分からないことがあります。

そこで、ChatGPTに曖昧な表現を指摘してもらいましょう。

実践④ 曖昧な説明を見つける

ChatGPTへの入力例

「次の説明を、新人社員が理解できるように改善したいです。

『図面をよく確認して、問題がなければ加工の準備をしてください』

この文章について、何を確認するのか、問題がないとはどういう状態なのか、判断が曖昧な部分を指摘してください。

実際の確認基準はまだ説明していないため、勝手に決めず、経験者へ質問する項目を作成してください。」

ChatGPTの回答例

確認が必要な部分

① 図面の何を確認するのか

図面番号、改訂番号、寸法、材質など、実際の業務で確認する項目を明確にする必要があります。

② 問題がない状態とは何か

どのような条件がそろえば次の作業に進めるのか、判断基準を確認する必要があります。

③ 不明点が見つかった場合の対応

誰に確認し、どのように対応するのかを明確にする必要があります。

このように、ChatGPTを使うことで、経験者の説明に含まれる曖昧な部分を見つけられます。

ただし、質問の答えをChatGPTに勝手に作らせてはいけません。

実際の担当者に確認し、その仕事に合った内容を記録しましょう。

7.社内の知識を探しやすく整理しよう

せっかくノウハウを記録しても、必要なときに見つけられなければ活用しにくくなります。

例えば、過去の加工トラブルについて調べたいとき、資料が複数のフォルダに分かれていたり、ファイル名が統一されていなかったりすると、探すのに時間がかかるかもしれません。

そこで、情報を分類して整理する方法があります。

例えば、

営業・顧客対応

見積対応、問い合わせ、要求事項の確認など。

設計・技術検討

図面確認、材料選定、加工方法の検討など。

製造・加工

加工上の工夫、設備に関する知識、作業時の注意事項など。

品質・トラブル対応

不具合の記録、原因調査、再発防止など。

教育・業務手順

新人教育、作業マニュアル、確認用チェックリストなど。

こうした分類が考えられます。

ただし、会社によって適切な分類方法は異なります。

ChatGPTには、次のように入力してみましょう。

ChatGPTへの入力例

「社内にある業務マニュアル、加工ノウハウ、トラブル対応記録、教育資料を整理したいです。

必要な情報を探しやすくするための分類案を考えてください。

同じ資料が複数の分類に関係する場合の管理方法も提案してください。

既存の管理方法を変更する前に確認すべき点も整理してください。」

ChatGPTは、分類や検索しやすい資料名の付け方などを検討する手助けができます。

ただし、重要な記録については、正式な保存場所や版の管理、閲覧権限などを確認する必要があります。

8.ChatGPTで社内FAQを作る方法

社内の知識を共有する方法として、FAQを作成する方法もあります。

FAQとは、よくある質問と回答をまとめたものです。

例えば、新人社員から同じ質問が繰り返される場合に役立ちます。

「図面の改訂番号はどこで確認しますか?」

「見積依頼に数量が記載されていない場合は?」

「納期について分からない場合は、誰に確認しますか?」

こうした質問と、実際に確認された回答を整理します。

実践⑤ 社内FAQを作成する

ChatGPTへの入力例

「これから営業事務でよくある質問と、社内で確認された回答を入力します。

質問と回答を分かりやすいFAQ形式に整理してください。

似た内容の質問はまとめる候補として示してください。

回答が不明なものは、勝手に作成せず『回答確認中』と表示してください。

会社独自のルールについては、入力された情報だけを使ってください。」

ChatGPTを使えば、複数の質問と回答を読みやすく整理できます。

また、専門用語の説明を追加したり、仕事内容ごとに分類したりすることもできます。

ただし、FAQに記載した情報も、社内ルールや仕事の内容が変更されれば見直す必要があります。

古い回答を使い続けないようにすることも大切です。

9.知識を共有するときに注意したいこと

社内のノウハウには、お客様の情報や技術的な機密情報が含まれる場合があります。

例えば、図面、加工条件、製品仕様、価格情報、協力会社との取り決めなどです。

こうした情報をChatGPTへ入力するときは、会社の情報管理ルールを確認する必要があります。

また、社内で共有する場合でも、すべての社員がすべての情報を閲覧できることが適切とは限りません。

資料の内容に応じた閲覧権限や管理方法を考えることが重要です。

もう一つ注意したいのは、情報の正確性です。

経験者の話を整理した資料には、本人の考え方や、特定の条件で得られた経験が含まれる場合があります。

それを会社の正式なルールとして扱う場合は、必要な確認や承認が必要です。

経験の記録、参考情報、正式な作業標準を区別して管理することが大切です。

10.実践演習!社内のノウハウを整理してみよう

それでは、今回の授業の仕上げです。

皆さんが仕事で経験したことや、ほかの人へ伝えたい工夫を一つ選んでみてください。

例えば、

「見積依頼を受けるときに確認していること」

「図面を見るときに注意していること」

「製造現場で作業前に確認していること」

「過去のトラブルから学んだこと」

「お客様との打ち合わせで大切にしていること」

などです。

次の指示文をChatGPTに入力してみましょう。

そのまま使える実践プロンプト

「あなたは、社内の知識やノウハウの共有を支援するアシスタントです。

これから私が仕事を通して得た経験や工夫について説明します。

ほかの社員にも役立つように、分かりやすい資料へ整理したいと考えています。

次の条件で進めてください。

1.最初に、どのような仕事の経験やノウハウを整理したいのか質問してください。

2.実際に経験した仕事内容や状況を確認してください。

3.どのような課題があり、何を考え、どのように対応したのか質問してください。

4.その方法を選んだ理由も確認してください。

5.実際に確認できた結果と、本人の考えや推測を区別してください。

6.成功したことだけでなく、失敗や改善した経験も整理してください。

7.そのノウハウが適用できる条件と、注意が必要な条件を確認してください。

8.初心者には分かりにくい専門用語や曖昧な説明があれば質問してください。

9.情報がそろったら、仕事の背景、課題、対応方法、判断理由、結果、注意事項に分けてまとめてください。

10.正式な社内ルールと、個人の経験や工夫を区別してください。

11.最後に、社内で共有する際に確認すべき内容を整理してください。

12.説明されていない事実や技術的な条件を勝手に追加しないでください。

質問は一つずつ行い、私が回答してから次の質問に進んでください。

それでは、最初の質問から始めてください。」

この指示文を使えば、ChatGPTと対話しながら、これまで言葉にしていなかった経験や工夫を整理できます。

最初から大量の資料を作る必要はありません。

まずは、身近な仕事の工夫を一つ記録してみましょう。

その内容を確認し、ほかの人にも伝わる形へ整える。

必要に応じて、図面や写真、実際の作業記録などを組み合わせる。

そして、使ってみて分かりにくい部分があれば改善する。

こうした積み重ねが、社内の知識共有につながります。


ソラ先生からのアドバイス

仕事の経験というものは、時間がたてば自然に増えていきます。

しかし、経験したことがすべて知識として残るとは限りません。

同じ仕事を繰り返していても、なぜその方法を選んだのか、どのような問題があったのかを振り返らなければ、重要な学びを見逃してしまうことがあります。

また、経験豊富な人の仕事には、マニュアルだけでは説明できない判断が含まれている場合があります。

例えば、製造業では、図面に記載されている寸法だけでなく、製品の使用目的やお客様が重視している条件を理解することが、加工方法の検討につながる場合があります。

そうした判断は、実際の仕事を経験する中で身につくことも多いでしょう。

だからこそ、経験を共有するときには、結果だけでなく、そこに至るまでの考え方や理由も残すことが大切です。

「こうすればよい」という結論だけではなく、

「なぜ、そう考えたのか」

「どのような条件だったのか」

「ほかにどんな方法を検討したのか」

「実際に試した結果、何が分かったのか」

こうした内容が残っていれば、次に同じような問題に直面した人が、自分で考えるための材料になります。

ChatGPTは、その経験を整理し、文章にして共有する手助けができます。

しかし、経験の価値を決めるのは、文章の上手さではありません。

実際に仕事をして、考え、試し、そこから何を学んだかです。

そして、共有された知識も、いつまでも正しいとは限りません。

新しい材料や設備、技術が登場すれば、以前の方法を見直す必要があるかもしれません。

社内のノウハウを共有することは、過去の経験をそのまま繰り返すためではなく、過去から学び、次の仕事をよりよくするための取り組みです。

ChatGPTを活用しながら、一人ひとりの経験を会社全体の学びにつなげていきましょう。

今回のまとめ

第90回では、ChatGPTを使って社内の知識やノウハウを共有する方法を学びました。

今回のポイントは5つです。

1.経験者が持っている知識や工夫を、言葉にして整理する。

2.質問を通して、仕事の判断理由や背景を確認する。

3.成功した経験だけでなく、失敗から得られた学びも記録する。

4.ノウハウが使える条件や注意事項を明確にする。

5.必要な人が探しやすく、正確に活用できる形で共有する。

ChatGPTは、経験者への質問を考えたり、仕事の内容を整理したり、共有資料やFAQを作成したりするために活用できます。

ただし、実際の技術的な判断や社内ルールについては、関係者による確認が必要です。

AIによる情報整理と、人間が仕事を通して積み重ねた経験。

その両方を組み合わせることで、社内の知識を次の仕事へ活かすことができます。

次回予告|第91回

次回は「ChatGPTでお客様からの声を仕事の改善につなげる方法」を学びます。

お問い合わせ、ご要望、ご意見などを整理し、お客様が何を求めているのかを考えながら、製品やサービスの改善につなげる方法をご紹介します。

それでは、次回も一緒に学んでいきましょう!

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