ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第75回】ChatGPTで仕事のマニュアルを作る方法|作業手順・確認事項・判断基準を整理して新人教育に活かそう
こんにちは!ソラ先生です。
前回の第74回では、ChatGPTを使って仕事のチェックリストを作る方法を学びました。
今回は、さらに一歩進んで、ChatGPTを活用した仕事のマニュアル作成に挑戦してみましょう。
皆さんの職場には、仕事の手順をまとめたマニュアルがありますか?
新しい社員が入社したとき、担当者が変更になったとき、これまで経験したことのない仕事を任されたとき。
そんな場面で役立つのが、仕事のマニュアルです。
しかし、マニュアルを一から作ろうとすると、意外に難しいものです。
「何から説明すればいいのだろう?」
「どこまで詳しく書けばいいのだろう?」
「自分にとって当たり前のことまで説明する必要があるのだろうか?」
今回は、こうした悩みをChatGPTと一緒に解決しながら、実際の仕事で使えるマニュアルを作る方法を学んでいきます。
1.マニュアルとチェックリストは何が違うの?
まず、前回学んだチェックリストとの違いを確認しましょう。
チェックリストは、確認する項目を一覧にしたものです。
例えば、見積書を提出するときのチェックリストなら、
- □ お客様の会社名を確認したか
- □ 数量と単価を確認したか
- □ 納期を確認したか
- □ 見積書を添付したか
といった内容になります。
一方、マニュアルは、仕事の目的、作業の進め方、判断の仕方、注意点などを説明するものです。
例えば、「見積書を作成する」という仕事について、初めて担当する人が理解できるように手順を説明します。
つまり、チェックリストが「何を確認するか」を示すものなら、マニュアルは「何を、なぜ、どのように行うか」を説明するものです。
どちらか一方が優れているわけではありません。
仕事の内容によっては、マニュアルとチェックリストを組み合わせることで、さらに使いやすくなります。
2.最初にマニュアルの目的を決めよう
ChatGPTでマニュアルを作るとき、最初に考えたいのが「誰が、何のために使うのか」ということです。
例えば、同じ見積書作成マニュアルでも、新人社員向けと経験者向けでは必要な説明が異なります。
新人社員なら、使用する書類や基本的な用語から説明した方がよいでしょう。
経験者なら、会社独自のルールや承認手順を中心にまとめた方が使いやすいかもしれません。
そこで、ChatGPTには最初に目的を伝えます。
実践① マニュアルの構成を考える
ChatGPTへの入力例
「私は製造業の営業事務を担当しています。
新人社員向けに、見積依頼を受けてから見積書をお客様に提出するまでの業務マニュアルを作りたいです。
最初に、マニュアルに必要な項目と構成案を考えてください。
仕事内容について不明なことがあれば質問してください。
実際の社内ルールは推測しないでください。」
ChatGPTの回答例
見積対応業務マニュアル・構成案
第1章:業務の目的
見積対応業務の役割と、正確な情報確認の重要性。
第2章:業務全体の流れ
見積依頼の受付から提出までの手順。
第3章:見積依頼の受付
メールや添付資料の確認方法。
第4章:見積内容の確認
図面、数量、希望納期などの確認項目。
第5章:見積担当者への依頼
必要な情報の整理と依頼方法。
第6章:見積書の作成
見積回答をもとにした書類作成。
第7章:提出前の確認
記載内容、添付資料、送信先の確認。
第8章:不明点がある場合の対応
確認が必要な場合の連絡先や対応方法。
いかがでしょうか。
最初から本文を書かせるのではなく、まず全体の構成を考えてもらいました。
この段階なら、不足している項目や不要な項目も見つけやすくなります。
3.仕事の流れを一つずつ説明しよう
構成が決まったら、実際の作業内容をChatGPTに伝えます。
このとき、すべてを一度に説明する必要はありません。
例えば、「見積依頼の受付」から始めます。
実践② 一つの作業を詳しく説明する
ChatGPTへの入力例
「第3章の『見積依頼の受付』について、次の内容をもとにマニュアルを作成してください。
お客様から見積依頼のメールが届いたら、メール本文と添付資料を確認します。
図面が添付されている場合は、ファイルを開けるか確認します。
数量と希望納期も確認します。
不明点がある場合は、営業担当者へ確認します。
この内容を新人社員向けに分かりやすく説明してください。
説明していない作業は勝手に追加しないでください。」
ChatGPTの回答例
第3章:見積依頼の受付
3-1.見積依頼メールの確認
お客様から見積依頼のメールが届いたら、まずメール本文を確認します。
製品の内容、数量、希望納期など、見積作成に必要な情報が記載されているか確認してください。
3-2.添付資料の確認
図面などの資料が添付されている場合は、ファイルを開いて確認できるか調べます。
3-3.数量と希望納期の確認
数量と希望納期が記載されているか確認します。
3-4.不明点がある場合
確認できない情報や不明な点がある場合は、営業担当者へ確認してください。
このように、普段の仕事を説明するだけで、マニュアルの文章に整理できます。
ただし、これはまだ原案です。
実際に新人社員が使う場合は、使用するシステムや資料の保存場所など、さらに詳しい説明が必要になることもあります。
4.ChatGPTに質問してもらう方法
マニュアル作成で難しいのは、自分が普段行っている仕事を、すべて言葉にすることです。
長年続けている仕事ほど、当たり前になっている作業があります。
そんなときは、ChatGPTに質問してもらいましょう。
実践③ 質問形式でマニュアルを作成する
ChatGPTへの入力例
「これから受注処理の業務マニュアルを作成します。
私は仕事の内容を説明するので、マニュアル作成に必要な情報を一つずつ質問してください。
私が回答したら次の質問に進んでください。
作業内容、使用する書類、確認事項、不明点があった場合の対応などを整理したいです。
すべての情報がそろったら、マニュアルの原案を作成してください。」
ChatGPTとの会話例
ソラ先生:
「最初に、受注処理の仕事は何をきっかけに始まりますか?」
あなた:
「お客様から注文書がメールで届いたときです」
ソラ先生:
「注文書を受け取ったら、最初に何を確認しますか?」
あなた:
「品名、数量、単価、希望納期です」
ソラ先生:
「確認した内容に不明点があった場合は、どうしますか?」
あなた:
「営業担当者に確認します」
ソラ先生:
「内容に問題がなかった場合、次に何をしますか?」
あなた:
「社内の受注管理システムに登録します」
このように会話を続けることで、普段の仕事を少しずつ整理できます。
自分だけでマニュアルを書く場合、何を書けばよいのか迷うことがあります。
しかし、ChatGPTに質問してもらえば、一つずつ回答しながら進められます。
ChatGPTを文章作成の道具としてだけでなく、仕事の内容を聞き出して整理する相手として活用できるのです。
5.文章だけでは伝わりにくい部分を考える
マニュアルは、文章が詳しければよいというものではありません。
例えば、パソコンの操作方法を説明する場合、
「受注管理システムを開き、必要な項目を入力してください」
という文章だけでは、初めて使う人には分からないかもしれません。
どの画面を開くのか。
どのボタンを押すのか。
どの欄に入力するのか。
こうした内容は、実際の画面を見ながら説明する方が分かりやすい場合があります。
ChatGPTには、次のように質問してみましょう。
ChatGPTへの入力例
「このマニュアルを初めて読む人が、文章だけでは理解しにくい部分を指摘してください。
画面の画像や操作例が必要になりそうな箇所を一覧にしてください。
実際の画面構成は分からないため、操作方法を推測して書かないでください。」
ChatGPTは、画像を追加した方がよい場所を検討する手助けをしてくれます。
実際の画面画像を使用する場合は、個人情報やお客様の情報などが写り込んでいないかにも注意しましょう。
6.マニュアルにチェックリストを組み合わせる
前回学んだチェックリストは、マニュアルと組み合わせることができます。
例えば、見積書を提出する仕事なら、マニュアルには作業方法を詳しく説明します。
そして、提出前にはチェックリストを使って確認します。
ChatGPTへの入力例
「作成した見積書提出マニュアルをもとに、最後の確認に使うチェックリストを作成してください。
マニュアルに記載されている確認事項を対象にしてください。
新しい社内ルールは追加しないでください。」
ChatGPTの回答例
見積書提出前チェックリスト
- □ お客様の会社名を確認したか
- □ 製品名を確認したか
- □ 数量を確認したか
- □ 単価を確認したか
- □ 合計金額を確認したか
- □ 納期を確認したか
- □ 見積書を添付したか
- □ 送信先メールアドレスを確認したか
マニュアルで仕事の進め方を理解し、チェックリストで確認漏れを防ぐ。
この二つを組み合わせることで、実務で使いやすい資料に近づけられます。
7.よくある質問もマニュアルに追加しよう
新人社員が仕事を覚えるとき、同じ質問が繰り返されることがあります。
例えば、
「注文書に数量が書いていない場合は?」
「図面が開けない場合は?」
「希望納期が書かれていない場合は?」
こうした質問を、マニュアルの最後にまとめる方法があります。
一般に「FAQ(よくある質問)」と呼ばれる形式です。
実践④ FAQを作成する
ChatGPTへの入力例
「これまで説明した受注処理業務について、新人社員が疑問に思いそうな質問を10個考えてください。
回答が分かるものは説明済みの内容を使って回答してください。
回答が分からないものは『社内確認が必要』と表示してください。」
ChatGPTの回答例
Q.注文書に数量が記載されていない場合は?
A.営業担当者に確認します。
Q.注文書の単価が分からない場合は?
A.営業担当者に確認します。
Q.受注管理システムに登録できない場合は?
A.社内確認が必要です。
このように、不明なことを不明なまま表示できるよう指示することが大切です。
ChatGPTが一般的な方法を提案することはできますが、会社独自の判断まで正しいとは限りません。
8.マニュアルの完成度を確認してみよう
マニュアルの原案ができたら、すぐに完成と考えず、実際に使える内容になっているか確認しましょう。
ChatGPTには、次のように指示できます。
ChatGPTへの入力例
「このマニュアルを初めて読む新人社員の立場で確認してください。
仕事を進めるときに迷いそうな部分、説明が不足している部分、意味が分かりにくい専門用語を指摘してください。
修正が必要な箇所と、その理由を一覧にしてください。」
この方法なら、読み手の立場から資料を見直すきっかけになります。
ただし、ChatGPTによる確認だけでは十分ではありません。
可能であれば、実際にその仕事を初めて担当する人に読んでもらいましょう。
「この説明では分からない」
「ここに画面の画像がほしい」
「この操作の次に何をすればよいのか迷う」
こうした意見を取り入れることで、マニュアルは改善されていきます。
9.マニュアルは一度作ったら終わりではない
仕事の方法は、少しずつ変化します。
新しい設備が導入されることもあります。
使用するシステムが変更されることもあります。
社内の担当者や確認方法が変わることもあります。
しかし、マニュアルが古いままでは、実際の仕事と説明内容に違いが生まれてしまいます。
そこで、マニュアルには作成日や更新日、必要に応じて改訂履歴を記載するとよいでしょう。
例えば、
| 更新日 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年6月5日 | 初版作成 |
| 2026年7月10日 | 見積書確認手順を修正 |
| 2026年8月1日 | 添付資料の確認項目を追加 |
この表は、更新履歴の記入例です。
実際の変更内容を記録しておくことで、どこが変わったのかを確認しやすくなります。
また、古いマニュアルを誤って使用しないよう、最新版の管理方法も決めておくことが重要です。
10.実践演習!自分の仕事のマニュアルを作ってみよう
それでは、今回の授業の仕上げです。
皆さんが普段行っている仕事を一つ選んで、マニュアル作成に挑戦してみましょう。
最初から複雑な仕事を選ぶ必要はありません。
毎日行っている作業や、比較的短い手順で完了する仕事でも構いません。
次の指示文をChatGPTに入力してみてください。
そのまま使える実践プロンプト
「あなたは業務マニュアルの作成を支援するアシスタントです。
これから私が普段行っている仕事について説明します。
初めてその仕事を担当する人でも理解できるマニュアルを作成したいと考えています。
次の条件で進めてください。
1.最初に、どのような仕事のマニュアルを作りたいのか質問してください。
2.仕事の目的、作業の順番、使用する資料や道具、確認事項について、一つずつ質問してください。
3.私が回答するまで次の質問に進まないでください。
4.作業中に判断が必要になる場面についても確認してください。
5.社内ルールや具体的な操作方法が分からない場合は推測せず、質問してください。
6.情報がそろったら、目次と章立てを提案してください。
7.構成を確認した後、各章の本文を作成してください。
8.必要なチェックリストやFAQも提案してください。
9.最後に、実際に使用する前に確認すべき点を整理してください。
それでは、最初の質問から始めてください。」
この指示文を使えば、ChatGPTと対話しながら業務マニュアルの原案を作成できます。
一度にすべての仕事をまとめようとする必要はありません。
まずは、一つの仕事を正確に整理することから始めてみましょう。
ソラ先生からのアドバイス
仕事のマニュアルは、単に作業方法を記録するためのものではありません。
これまで担当者が経験を通して身につけてきた知識や、日々の仕事で大切にしている確認事項を、他の人へ伝える役割もあります。
例えば、製造業では同じ図面を見ていても、経験によって気づく点が異なることがあります。
材料の性質、加工方法、寸法の確認、作業の順番など、経験者が自然に考えていることを、初めて担当する人が同じように理解できるとは限りません。
だからこそ、マニュアルを作るときには、単に「何をするか」だけでなく、「なぜ、その確認が必要なのか」を説明することにも意味があります。
ただし、熟練者の経験や判断のすべてを、文章だけで伝えられるわけではありません。
実際の作業を見せたり、一緒に確認したりすることが必要な場合もあります。
ChatGPTは、そうした経験を言葉にして整理するための手助けができます。
そして、マニュアルを作成する過程では、今まで気づかなかった改善点が見つかることもあります。
マニュアルは完成させることが目的ではなく、仕事を正しく伝え、よりよくしていくための道具です。
ChatGPTを活用しながら、自分たちの仕事に合ったマニュアルを育てていきましょう。
今回のまとめ
第75回では、ChatGPTを使って業務マニュアルを作る方法を学びました。
今回のポイントは5つです。
1.誰が、何のために使うマニュアルなのかを明確にする。
2.最初に全体の構成を考える。
3.作業内容を一つずつ詳しく整理する。
4.チェックリストやFAQを組み合わせる。
5.実際に使いながら、内容を見直して改善する。
ChatGPTは、文章を整えるだけでなく、質問を通して仕事の内容を整理したり、説明が不足している部分を見つけたりするためにも活用できます。
しかし、実際の仕事を理解し、正しい内容かどうかを確認するのは人間の役割です。
AIによる情報整理と、現場で培われた知識や経験。
その両方を組み合わせることで、より実用的なマニュアルを作ることができます。
ぜひ、身近な仕事から試してみてください。
次回予告|第76回
次回は「ChatGPTで仕事の改善アイデアを考える方法」を学びます。
普段の仕事で感じている小さな不便や困りごとをChatGPTに伝え、改善のヒントを見つける方法をご紹介します。
それでは、次回も一緒に学んでいきましょう!