ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第61回】ChatGPTで社内FAQを作る方法|よくある質問・回答の整理・情報共有・更新管理を実践しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って理解度テストや学習フォローを作成する方法を学びました。
今回は、新人教育にも日常業務にも役立つ「FAQ」の作り方を紹介します。
「同じ質問を何度も受けている」
「担当者によって答えが違う」
「以前に調べたことを、また最初から調べている」
「必要な情報が、どの資料に書かれているか分からない」
「新人が質問したいとき、担当者が不在で困ってしまう」
そんな問題を減らすための授業です。
FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で、よくある質問と、その回答をまとめたものです。
ChatGPTを使えば、質問を分類し、回答を分かりやすく整理し、必要な情報を探しやすい形にまとめられます。
ただし、AIが作成した回答が、会社の正式なルールと一致しているとは限りません。
今回は、実際の資料や業務ルールを基に、安心して利用できるFAQを作る方法を学びましょう。
1.FAQとは何でしょうか?
FAQは、よくある質問と回答をまとめた資料です。
例えば、会社の事務作業について、次のような質問が繰り返される場合があります。
「見積書の保存場所はどこですか?」
「受注内容を変更する場合はどうしますか?」
「担当者が不在のとき、問い合わせは誰に伝えますか?」
「請求書はいつ発行しますか?」
こうした質問に対する正式な回答を整理しておけば、必要な情報を確認しやすくなります。
ただし、質問を集めただけではFAQは完成しません。
回答の根拠となる資料や、現在の業務ルールを確認する必要があります。
FAQは、もっともらしい答えを集める資料ではなく、確認できる情報を探しやすくまとめる資料です。
2.FAQと作業マニュアルの違い
前回までに作成した作業マニュアルと、FAQは何が違うのでしょうか。
作業マニュアル
仕事を最初から最後まで進めるための手順を説明する資料です。
FAQ
特定の疑問に対して、必要な答えをすぐに確認するための資料です。
例えば、請求書の発行業務を考えてみましょう。
作業マニュアルには、請求内容の確認から発行、保存までの手順を記載します。
一方、FAQには、
「発行済みの請求書を修正したい場合は?」
「取引先から再送を依頼された場合は?」
といった個別の質問を掲載できます。
| 比較項目 | 作業マニュアル | FAQ |
|---|---|---|
| 主な目的 | 作業の流れを理解する | 疑問をすぐに解決する |
| 内容 | 手順・確認・注意事項 | 質問と回答 |
| 読み方 | 順番に読むことが多い | 必要な項目を探して読む |
| 関係 | 詳しい手順の基準になる | 必要に応じてマニュアルへ案内する |
FAQにすべての手順を書き込む必要はありません。
詳しい操作が必要な場合は、該当するマニュアルへ案内する方法があります。
3.最初に質問を集めてみよう
FAQを作るときは、実際にどんな質問があるのかを調べましょう。
例えば、次のような情報が参考になります。
- 新人からよく聞かれる質問
- 担当者が繰り返し説明している内容
- 問い合わせメールで多い質問
- 作業中によく迷う操作
- マニュアルを読んでも分かりにくい部分
- 過去のトラブルで確認が必要だった内容
ChatGPTには、
「社内FAQを作成したいです。まず、実際に寄せられた質問を整理します。質問一覧を渡すので、内容を変更せず、似た質問を分類してください」
と依頼できます。
ここで大切なのは、実際に寄せられた質問と、AIが想像した質問を区別することです。
AIが一般的な質問候補を作ることはできますが、それが自社で頻繁に質問されている証拠にはなりません。
4.実践!質問を分類してみよう
今回は、架空の会社で次のような質問が寄せられたとします。
- 見積書はどこに保存されていますか?
- 受注数量が変更されたらどうしますか?
- 納期の問い合わせは誰に確認しますか?
- 請求書を再発行する場合は?
- Excelの管理表が開けない場合は?
- 見積書のファイル名はどう付けますか?
- お客様から注文内容の変更連絡があった場合は?
- パソコンのパスワードを忘れた場合は?
ChatGPTへ、
「この8つの質問を、見積もり、受注・納期、請求、システム操作の分野に分類してください。似た質問があっても、意味の違いを確認する前に統合しないでください」
と依頼します。
例えば、次のように整理できます。
| 分類 | 質問番号 |
|---|---|
| 見積もり | 1・6 |
| 受注・納期 | 2・3・7 |
| 請求 | 4 |
| システム操作 | 5・8 |
このように分類すると、FAQの全体構成を考えやすくなります。
5.似た質問を一つにまとめてよいの?
例えば、次の2つです。
「受注数量が変更されたらどうしますか?」
「お客様から注文内容の変更連絡があった場合は?」
似ているように見えますが、同じ意味とは限りません。
一つ目は数量変更に限定されています。
二つ目には、数量だけでなく、材質、仕様、納期などの変更が含まれる可能性があります。
そこで、
「この2つの質問の共通点と違いを整理してください。一つにまとめて問題がないか、判断に必要な情報も示してください」
とChatGPTに依頼します。
内容を統合するときは、回答が異なる条件まで消してしまわないようにしましょう。
質問数を減らすことより、必要な答えを正しく見つけられることが大切です。
6.回答は何を基に作ればいいの?
FAQを作るうえで、最も重要なのが回答の正確性です。
例えば、
「見積書はどこに保存されていますか?」
という質問があったとします。
ChatGPTは、その会社の実際の保存場所を知らなければ、正しく答えられません。
そこで、正式な保存先を確認したうえで、回答を作ります。
例えば、説明用の架空のルールとして、
「見積書は社内共有フォルダーの『見積管理』に保存する」
と決まっているとします。
その情報をChatGPTへ渡して、
「次の社内ルールを基に、FAQの回答を作成してください。資料にない保存先や操作方法を追加しないでください」
と依頼します。
AIが一般的な方法を説明できても、それが実際の会社のルールとは限りません。
7.よいFAQの回答には何が必要?
例えば、次の質問を考えてみましょう。
質問:見積書はどこに保存されていますか?
回答が、
「指定された場所に保存してください」
だけでは、利用者は場所を確認できません。
一方、必要な情報がすべてそろっている場合は、次のように整理できます。
回答
「正式な保存先は、社内共有フォルダーの『見積管理』です。保存する前に、ファイル名のルールとアクセス権限を確認してください」
これは架空の社内ルールを使った例です。
実際のFAQでは、次の情報が役立つ場合があります。
① 結論
最初に答えを示す。
② 必要な条件
誰が、どのような場合に利用する情報なのか。
③ 具体的な手順
必要であれば、操作方法を説明する。
④ 注意事項
間違えると問題になる点を示す。
⑤ 参照先
詳しい内容を確認できるマニュアルなどを案内する。
⑥ 更新情報
回答を確認した日付や担当部署を記録する。
すべての回答を長くする必要はありません。
簡単な質問には、簡単な答えで十分です。
8.答えが確認できない質問はどうする?
FAQを作成していると、回答が分からない質問も見つかります。
例えば、
「見積書の保存期間は何年ですか?」
という質問です。
実際の社内規程や法令上の保存義務などを確認しなければ、正しい答えを作れない場合があります。
こうしたとき、ChatGPTに適当な年数を入れてもらってはいけません。
そこで、
「この質問について、正式な回答を作成するために必要な資料を整理してください。確認できない保存年数を推測しないでください」
と依頼します。
FAQの管理表では、回答の状態を分けると便利です。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 確認済み | 正式な資料と照合した |
| 確認中 | 担当者や資料へ確認している |
| 要更新 | 内容が古い可能性がある |
| 廃止 | 現在の業務では使用しない |
回答がないことを隠すより、確認が必要なことを明確にする方が、正確なFAQへつながります。
9.FAQの質問文を分かりやすくする
質問文が専門用語ばかりだと、初心者には探しにくい場合があります。
例えば、
「受注データの訂正処理における承認フローは?」
という質問です。
業務に慣れていない人には、何を調べればよいのか分かりにくいかもしれません。
そこで、
「入力した注文内容を修正したいときは、誰に確認しますか?」
という表現を考えられます。
ChatGPTには、
「このFAQの質問文を、入社したばかりの人にも分かる表現へ変更してください。質問の意味や適用条件は変えないでください」
と依頼しましょう。
ただし、正式な用語を使う必要がある場合は、その言葉も残して説明を補う方法があります。
10.FAQを探しやすくする方法
FAQの件数が増えると、必要な答えを探すのが難しくなる場合があります。
そこで、分類や検索を考えましょう。
例えば、
見積もり・受注
見積書、注文内容、数量変更など。
納期・出荷
納期確認、出荷予定、配送など。
請求・経理
請求書、支払い、入金確認など。
パソコン・システム
Excel、メール、ログインなど。
このように整理します。
さらに、質問に番号を付ける方法もあります。
例えば、
「FAQ-001:見積書の保存場所」
「FAQ-002:受注数量の変更」
という形式です。
ChatGPTには、
「このFAQ一覧を、初めて利用する人でも探しやすい分類にしてください。分類名と検索に使われそうな言葉を整理してください」
と依頼できます。
ただし、利用者がどのような言葉で探すかは、実際の利用状況を確認することが大切です。
11.ExcelでFAQ管理表を作ろう
FAQを継続して管理する場合、Excelなどの表を使うと便利です。
例えば、次のような構成です。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| FAQ番号 | 質問を識別する番号 |
| 分類 | 見積もり・受注など |
| 質問 | よくある質問 |
| 回答 | 確認された正式な内容 |
| 根拠資料 | 参照するマニュアル・規程 |
| 確認担当 | 内容を確認する部署や担当者 |
| 最終確認日 | いつ確認したか |
| 状態 | 確認済み・確認中など |
ChatGPTには、
「社内FAQの管理表をExcelで作成したいです。質問、回答、分類、根拠資料、確認担当、最終確認日、更新状態を記録できる表を設計してください」
と依頼できます。
FAQが増えた場合でも、分類や確認日で並べ替えれば、更新が必要な項目を探しやすくなります。
12.ChatGPTにFAQから回答を探してもらう
正式なFAQが完成したら、その資料をChatGPTへ渡して質問する方法もあります。
例えば、ExcelやPDFなどにまとめたFAQをアップロードします。
そして、
「添付した社内FAQを基に質問へ回答してください。資料に記載された内容だけを使用し、該当するFAQ番号も示してください」
と依頼します。
例えば、
「見積書の保存場所は?」
と質問すると、該当する回答を探してもらえます。
ただし、ChatGPTが必ず正しい項目を見つけるとは限りません。
似た質問が複数ある場合や、資料の一部を読み取れない場合には、回答を間違える可能性があります。
重要な内容は、元のFAQを開いて確認しましょう。
13.ChatGPTのプロジェクト機能を活用する
以前の授業で学んだChatGPTのプロジェクト機能も、FAQの整理に利用できます。
例えば、「社内業務FAQ」というプロジェクトを作成し、正式なマニュアルやFAQ資料をまとめます。
プロジェクトの指示には、次のように設定できます。
「このプロジェクトでは、添付された正式な社内FAQと作業マニュアルを優先してください。回答するときは参照した資料を示してください。資料にない社内ルールを推測で作らないでください」
このように、情報源を明確にすることができます。
ただし、プロジェクト内の資料が更新されていなければ、古い情報を基に回答する可能性があります。
また、社内資料を外部サービスへアップロードする場合は、会社の情報管理ルールやアクセス権限を確認する必要があります。
14.FAQを公開する相手によって内容を分ける
FAQには、社内向けと社外向けがあります。
例えば、社内向けには、
「見積書の保存場所」
「社内承認の手順」
「システムの操作方法」
などが考えられます。
一方、お客様向けには、
「見積もりの依頼方法」
「相談時に必要な情報」
「対応しているサービス」
などが考えられます。
社内用の保存場所や、承認の仕組みを、そのままホームページで公開する必要はありません。
また、公開してはいけない情報が含まれている場合もあります。
ChatGPTには、
「このFAQ一覧を、社内限定の情報と、お客様へ公開できる可能性がある情報に分類してください。公開の可否が判断できない場合は、確認事項として残してください」
と依頼できます。
最終的な公開判断は、会社の責任者などが行う必要があります。
15.FAQの更新を忘れないために
FAQは、一度作成すれば永久に同じ内容で使えるわけではありません。
例えば、見積書の保存場所を変更した場合です。
古いFAQが残っていると、担当者が以前の保存先を探してしまうかもしれません。
そのため、重要な変更があったときには、FAQの更新が必要です。
例えば、次のような変更です。
- 使用するシステムが変わった
- 担当部署が変わった
- 承認手順が変わった
- ファイルの保存場所が変わった
- 正式な規程が改訂された
ChatGPTには、
「旧版と新版の業務マニュアルを比較し、FAQの更新が必要な項目を整理してください。変更内容と根拠を確認できる形で示してください」
と依頼できます。
ただし、AIの比較結果だけで更新を確定するのではなく、正式な資料と照合しましょう。
16.FAQが役立っているか確認する
FAQを作成したら、実際に使われているか確認しましょう。
例えば、次のようなことです。
① 同じ質問が繰り返されていないか
FAQで答えを見つけられているか確認します。
② 必要な回答を探しやすいか
分類や質問文が分かりにくくないか確認します。
③ 回答が現状と一致しているか
古い情報が残っていないか確認します。
④ FAQだけでは解決できない質問は何か
追加するべき情報がないか調べます。
⑤ 利用者が迷った箇所はどこか
検索に使った言葉や質問内容を参考にします。
ただし、質問件数が減ったからといって、必ずFAQの効果だとは限りません。
仕事の内容や担当者、利用するシステムが変わった可能性もあります。
ChatGPTには、
「FAQの利用状況を振り返るために、確認すべき指標と、利用者へ聞く質問を整理してください」
と依頼できます。
17.FAQに載せない方がよい情報
FAQは必要な情報を共有するための資料ですが、何でも掲載すればよいわけではありません。
例えば、次のような情報です。
① パスワードそのもの
アカウントの秘密情報をFAQに記載してはいけません。
② 個人情報
社員やお客様の情報を、不必要に共有しないようにします。
③ 非公開の取引条件
閲覧できる人を限定する必要がある場合があります。
④ 未承認の業務ルール
検討中の案を正式な回答として掲載しないようにします。
⑤ 安全に関わる未確認の操作方法
正式な手順を確認せず、AIが作った説明を採用してはいけません。
FAQを便利にすることと、情報を安全に管理することの両方を考えましょう。
18.今日のミニレッスン
今回は、架空の会社で社内FAQを作成する練習をします。
ステップ① 質問を整理する
ChatGPTへ、次の8つの質問を入力してください。
「見積書はどこに保存されていますか?」
「受注数量が変更されたらどうしますか?」
「納期の問い合わせは誰に確認しますか?」
「請求書を再発行する場合は?」
「Excelの管理表が開けない場合は?」
「見積書のファイル名はどう付けますか?」
「お客様から注文内容の変更連絡があった場合は?」
「パソコンのパスワードを忘れた場合は?」
ステップ② 分類する
「この8つの質問を分野ごとに分類してください。似ている質問があっても、内容の違いを確認する前に統合しないでください」
と依頼します。
ステップ③ 正式な回答に必要な情報を調べる
「各質問に正式に回答するために、必要な社内資料や確認先を整理してください。社内ルールを勝手に作らないでください」
と質問します。
ステップ④ 架空の社内ルールを使って回答する
練習用に、
「見積書は社内共有フォルダーの『見積管理』に保存する」
という架空のルールを伝えます。
そして、
「このルールだけを根拠に、『見積書はどこに保存されていますか?』というFAQの回答を作成してください。記載されていないファイル名のルールは追加しないでください」
と依頼します。
ステップ⑤ 管理表を作る
「FAQ番号、分類、質問、回答、根拠資料、最終確認日、更新状態を管理できる表を作成してください」
と質問します。
ステップ⑥ 検索しやすさを確認する
「このFAQを初めて使う新人の立場で確認してください。質問文や分類名が分かりにくい部分を整理してください」
と依頼します。
ステップ⑦ 更新方法を考える
「社内ルールが変更された場合、FAQのどの項目を確認し、どのように更新すればよいか、作業手順を整理してください」
と質問します。
ステップ⑧ FAQを完成させる
最後に、
「ここまで確認した内容だけを使い、社内FAQの見本を作成してください。回答が確認できない質問は『確認中』として残してください」
と依頼しましょう。
これで、質問の収集、分類、回答の確認、管理、更新まで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
社内では、同じ質問が何度も繰り返されることがあります。
それは、質問する人が悪いからとは限りません。
必要な情報が探しにくかったり、説明が分かりにくかったり、正式なルールが共有されていなかったりする場合もあります。
ChatGPTは、質問を整理し、回答を分かりやすくまとめ、FAQを作成する手助けができます。
しかし、AIが社内のルールを知っているとは限りません。
だからこそ、実際の資料や担当者の説明を確認し、正しい情報を残すことが大切です。
また、FAQを作成した後も、使う人の意見を聞きながら改善していく必要があります。
質問が新しく増えたら、回答を追加する。
説明が分かりにくければ、表現を見直す。
ルールが変わったら、内容を更新する。
そして、回答が確認できない場合は、無理に答えを作らない。
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次回【第62回】は「ChatGPTでお客様向けFAQを作る方法|問い合わせ内容から疑問を整理し、分かりやすい案内ページを作ろう」です。
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