ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第60回】ChatGPTで理解度テストと学習フォローを作る方法|間違いの原因を調べ、一人ひとりの成長につなげよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って新人教育の計画や研修資料、練習問題を作成する方法を学びました。
今回は、研修を受けた人が実際にどこまで理解できたのかを確認し、分からなかった部分を学び直す方法を学びましょう。
「説明した内容を理解してもらえたかな?」
「テストの点数が低かったら、もう一度最初から教えるべき?」
「同じ間違いを繰り返すのはなぜ?」
「一人ひとりに合わせた練習問題を作れる?」
「ChatGPTに学習の先生役をしてもらえる?」
そんな疑問を取り上げます。
理解度テストは、点数を付けることだけが目的ではありません。
何を理解できていて、どこで困っているのかを見つけ、次の学習につなげるためのものです。
ChatGPTは、問題作成、解答の説明、復習内容の整理、追加練習などを手伝えます。
ただし、AIが作成した問題や採点が必ず正しいとは限りません。
今回は、教育する側にも、学ぶ側にも役立つ使い方を考えていきましょう。
1.理解度テストは何のために行うの?
研修の終わりにテストを実施すると、点数が気になると思います。
例えば、10問中8問正解なら80点です。
しかし、80点という数字だけで、仕事を理解できていると判断してよいのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
例えば、次の2人がいたとします。
Aさん
基本用語の問題には正解したものの、実際のデータ確認の問題を間違えた。
Bさん
用語の説明は苦手だったものの、実際のデータの間違いを正しく見つけられた。
同じ80点であっても、理解している内容は異なるかもしれません。
そこで、問題ごとの結果を確認します。
どの知識が身についているのか。
何をもう一度説明する必要があるのか。
どんな練習を追加すればよいのか。
こうしたことを考えるために、テストを活用しましょう。
2.テストを作る前に学習目標を確認する
理解度テストを作るときは、まず学習目標を明確にします。
例えば、受注データの入力に関する研修です。
目標が、
「数量と単価を使って金額を計算できる」
であれば、実際に計算する問題が必要です。
一方、
「注文書と入力データの違いを発見できる」
という目標なら、二つの資料を比較する問題が適しています。
次のように整理してみましょう。
| 学習目標 | 確認する方法 |
|---|---|
| 基本用語を理解する | 用語説明・選択問題 |
| 金額を計算する | 計算問題 |
| 入力ミスを見つける | データ照合問題 |
| 不明点に対応する | 状況判断問題 |
| 実際に操作する | 練習環境での実技 |
ChatGPTには、
「この研修の学習目標を基に、何を理解できればよいか整理してください。それぞれの目標に合った確認方法も提案してください」
と依頼できます。
重要なのは、教えていない内容や、実際の仕事と関係の薄い問題ばかり出さないことです。
3.ChatGPTで理解度テストを作ってみよう
今回は、架空の会社で受注データ入力の研修を実施したとします。
研修では次の内容を学びました。
- 注文書の読み方
- 商品名・数量・単価の確認
- 受注金額の計算
- 入力内容の照合
- 情報が一致しない場合の相談
これを基に、ChatGPTへ次のように依頼します。
「受注データ入力の新人研修について、理解度テストを10問作成してください。基本用語、計算、データの照合、問題発生時の判断を含めてください。問題と模範解答は分けて作成してください」
ここで大切なのは、正しい答えが一つに定まる問題と、状況によって判断が変わる問題を区別することです。
金額の計算であれば、条件が明確なら答えを確定できます。
一方、納期変更への対応方法は、会社の正式なルールやお客様との契約によって異なる場合があります。
AIが一般的な模範解答を作成しても、実際の職場で正しいとは限りません。
4.実践!計算問題を作ってみよう
まずは、正誤を確認しやすい計算問題です。
問題1
商品Aを12個、単価250円で受注しました。
受注金額はいくらでしょうか。
正解:3,000円
12×250=3,000円です。
問題2
商品Bを8個、単価400円で受注しました。
受注金額はいくらでしょうか。
正解:3,200円
8×400=3,200円です。
問題3
商品Aと商品Bの合計金額はいくらでしょうか。
正解:6,200円
3,000+3,200=6,200円です。
こうした問題をChatGPTに作ってもらう場合は、
「各問題の正解だけでなく、計算式と検算方法も示してください」
と依頼すると、解説を作りやすくなります。
ただし、模範解答の計算が間違っている可能性もあるため、実際に検算しましょう。
5.暗記だけでは解けない問題を作ろう
仕事では、決められた数字を計算するだけでなく、情報の違いに気づくことも重要です。
例えば、次の問題です。
問題4
注文書には、商品Aの数量が20個と記載されています。
しかし、入力された受注データでは数量が12個になっています。
どのように対応しますか?
この場合、模範的な考え方の一つは、
「注文書と入力データの内容を照合し、どちらが正しいか確認する」
というものです。
ただし、実際にどの資料を正式な根拠とするか、誰に確認するかは会社の業務ルールによって異なります。
そのため、AIが作成した模範解答を社内の正式な判断基準として使用する前に、担当者による確認が必要です。
ChatGPTには、
「この問題について、受講者が何を確認し、どこで判断を止め、誰に相談すべきかを考えられる解説を作成してください」
と依頼できます。
6.選択式・記述式・実技を使い分ける
理解度を確認する方法は、一つではありません。
例えば、次の3つがあります。
① 選択式
複数の答えの中から正しいものを選ぶ方法です。
基本知識の確認に使いやすい形式です。
② 記述式
理由や対応方法を文章で説明する方法です。
考え方を確認したい場合に役立ちます。
③ 実技
実際に作業を行う方法です。
操作できるか、結果を正しく確認できるかを調べられます。
例えば、Excelの研修なら、関数名を答えるだけでなく、実際の表を使って計算してもらうことが考えられます。
ただし、実技では使用する環境や評価方法をそろえることも大切です。
ChatGPTには、
「この研修内容について、選択式、記述式、実技の3つを組み合わせた理解度確認を設計してください」
と依頼しましょう。
7.点数だけでなく、間違えた問題を分析する
例えば、ある受講者が10問中7問正解したとします。
正答率は70%です。
しかし、その数字だけでは、何を学び直せばよいのか分かりません。
そこで、間違えた問題を分類します。
例えば、次のような架空の結果です。
| 分野 | 問題数 | 正解数 |
|---|---|---|
| 基本用語 | 3 | 3 |
| 計算 | 3 | 2 |
| データ照合 | 2 | 1 |
| 状況判断 | 2 | 1 |
| 合計 | 10 | 7 |
この結果では、基本用語はすべて正解しています。
一方、計算、データ照合、状況判断で間違いがありました。
そこでChatGPTへ、
「この理解度テストの結果を分野別に整理し、復習する候補を挙げてください。点数だけで本人の能力や適性を判断しないでください」
と依頼します。
間違いが多かった分野を確認し、必要な復習内容を考えましょう。
8.間違いの原因を決めつけない
例えば、計算問題を間違えた場合です。
すぐに、
「計算が苦手だから」
と判断してよいのでしょうか。
そうとは限りません。
問題文を読み間違えたのかもしれません。
数量と単価を取り違えた可能性もあります。
計算式は正しかったものの、数字を入力するときに間違えたのかもしれません。
そこで、次のように質問してみましょう。
「この計算問題の誤答について、考えられる原因を複数挙げてください。原因を確認するために、受講者へどのような質問をすればよいか考えてください」
例えば、
「どの数字を掛け合わせましたか?」
「計算式を説明できますか?」
「問題文のどこを確認しましたか?」
といった質問です。
本人の考えた手順を確認することで、間違いの原因を調べやすくなります。
誤答を見つけることと、誤答の原因を特定することは別です。
9.理解できなかった部分を学び直す
原因が分かってきたら、必要な部分を復習します。
例えば、数量と単価の取り違えが原因だった場合です。
最初から受注業務全体を教え直す必要はないかもしれません。
まず、
「数量とは何か」
「単価とは何か」
「金額はどのように計算するか」
という部分を確認します。
そして、簡単な問題から練習します。
ChatGPTには、
「数量と単価を取り違えた受講者向けに、基本の説明と段階的な練習問題を3問作成してください。最初は簡単な問題から始めてください」
と依頼できます。
学び直しの目的は、同じ説明を何度も繰り返すことではありません。
どこで理解が止まっているのかを確認し、その部分から学び直すことです。
10.再テストは同じ問題でいいの?
理解度テストで間違えた問題について復習した後、再テストを行う方法があります。
このとき、まったく同じ問題だけを出すと、答えを覚えているだけなのか、本当に理解したのか分かりにくい場合があります。
そこで、同じ考え方を使う別の問題を作成してみましょう。
例えば、最初の問題が、
「12個×250円」
だったとします。
再テストでは、
「15個×180円」
という問題に変更します。
正しい答えは、
15×180=2,700円
です。
ChatGPTには、
「この計算問題と同じ学習目標を確認できるように、数字を変えた別の練習問題を5問作成してください。難易度は大きく変えないでください」
と依頼できます。
ただし、数字を変えただけで必ず同じ難易度になるとは限りません。
問題の内容を確認し、適切な再テストを作りましょう。
11.ChatGPTに一問ずつ出題してもらおう
ChatGPTを、学習者の相手役として利用する方法もあります。
例えば、次のように質問します。
「あなたは新人研修の講師役です。数量と単価の計算問題を一問ずつ出してください。私が回答するまで正解を表示しないでください。回答後に正誤と理由を説明し、理解できたら次へ進んでください」
この方法なら、一度にたくさんの問題を解くのではなく、問題ごとに確認しながら学習できます。
また、間違えた場合には、
「別の説明をしてください」
「もっと簡単な例で教えてください」
「どこを間違えたのか説明してください」
と質問できます。
ただし、ChatGPTによる採点が間違っている可能性もあります。
特に専門的な判断問題では、正式な資料や指導者による確認が必要です。
12.AIの説明が分かりにくいときは?
ChatGPTが説明してくれても、内容が難しく感じられる場合があります。
そんなとき、同じ説明を何度も読む必要はありません。
説明方法を変えてもらいましょう。
例えば、
「専門用語を使わずに説明してください」
「身近な例で説明してください」
「図や表にして整理してください」
「一度に一つずつ説明してください」
「私がどこまで理解しているか、簡単な質問で確認してください」
といった質問です。
ただし、分かりやすさを重視するあまり、重要な条件や注意点が省略される場合もあります。
業務上必要な内容は、正式なマニュアルと照合してください。
13.理解度の確認結果をどう記録する?
研修では、学習した内容と確認結果を記録しておくと便利です。
例えば、次のような表です。
| 学習項目 | 学習状況 | 確認結果 | 次の対応 |
|---|---|---|---|
| 基本用語 | 学習済み | 理解を確認 | 次の項目へ |
| 数量・単価の計算 | 復習中 | 一部誤答 | 追加練習 |
| データ照合 | 復習中 | 確認手順が不十分 | 実技練習 |
| 状況判断 | 学習中 | 追加確認が必要 | 指導者と確認 |
このような記録を基に、次の研修内容を考えることができます。
ただし、学習記録には個人の評価に関係する情報が含まれる場合があります。
ChatGPTへ個人情報や評価情報を入力するときは、会社の情報管理ルールや利用目的を確認してください。
練習では架空のデータを使いましょう。
14.AIに人事評価を任せてもいいの?
理解度テストをChatGPTで作成すると、点数や回答を分析してもらうことができます。
しかし、その結果だけで人事評価を決定することには注意が必要です。
例えば、テストで60点だった人がいたとします。
この数字だけで、
「仕事に向いていない」
「成長する見込みがない」
と判断することは適切ではありません。
問題の難易度が適切だったか。
必要な内容が教えられていたか。
実際の仕事ではどのように行動しているか。
指導や練習の機会が十分だったか。
こうしたことも関係します。
ChatGPTは教育の補助として使えますが、採用や配置、処遇などの重要な人事判断を、AIの評価だけに任せるべきではありません。
15.研修を受ける人から教材の問題を見つける
テストの結果が悪かった場合、必ずしも受講者だけに原因があるとは限りません。
例えば、多くの人が同じ問題を間違えていたとします。
その場合、次のような可能性も考えられます。
① 問題文が分かりにくい
何を答えればよいのか曖昧だった。
② 教材の説明が不足していた
必要な知識が十分に説明されていなかった。
③ 模範解答が間違っていた
採点基準そのものに問題がある。
④ 練習の機会が不足していた
説明を聞いただけで、実際の操作を試していなかった。
ChatGPTには、
「複数の受講者が同じ問題を間違えています。受講者の理解だけでなく、問題文、教材、模範解答、練習方法に問題がないか確認する方法を整理してください」
と依頼できます。
このように、理解度テストの結果を教材の改善にも活用できます。
16.理解度テストを継続的な学習につなげる
学習は、一度のテストで終わるものではありません。
例えば、研修中には正しくできた作業でも、時間がたつと手順を忘れてしまうことがあります。
そこで、必要に応じて復習の機会を設ける方法があります。
例えば、
「基本操作を学ぶ」
「練習問題を解く」
「間違えた部分を復習する」
「別の問題で確認する」
「実際の仕事で試す」
「必要なときに再確認する」
という流れです。
ただし、すべての学習者に同じ回数や期間で復習させる必要はありません。
仕事内容や本人の習熟状況に応じて調整することが大切です。
ChatGPTには、
「この学習結果を基に、理解できた部分は維持し、間違えた部分を重点的に復習する学習計画を考えてください」
と依頼できます。
17.今日のミニレッスン
今回は、架空の新人研修を題材に、理解度テストの作成から復習計画まで体験します。
ステップ① 学習目標を整理する
ChatGPTに次のように入力してください。
「新人の営業事務スタッフ向けに、数量・単価の計算、注文情報の照合、不明点の相談について理解度テストを作成したいです。まず学習目標を整理してください」
ステップ② テストを作成する
続けて、
「学習目標に沿って、選択式3問、計算問題3問、記述式4問の合計10問を作成してください。問題と模範解答は分けてください」
と依頼します。
ステップ③ 模範解答を確認する
「作成したテストの模範解答を確認してください。計算問題は計算式を示し、状況判断問題は正式な業務ルールの確認が必要な部分を明確にしてください」
と質問します。
ステップ④ 架空の結果を分析する
次のデータを入力してください。
「10問中7問正解。基本用語3問は全問正解。計算3問中2問正解。データ照合2問中1問正解。状況判断2問中1問正解」
続けて、
「この結果から、復習する候補を整理してください。誤答の原因を決めつけないでください」
と依頼します。
ステップ⑤ 間違いの原因を調べる
「計算問題を間違えた原因を確認するために、受講者へ質問する内容を考えてください」
と質問します。
ステップ⑥ 追加練習問題を作る
「数量と単価の計算を復習するために、簡単な問題から順番に5問作成してください。正解と解説も付けてください」
と依頼します。
ステップ⑦ 再テストを作る
「元のテストと同じ学習目標を確認できるように、数字や条件を変更した再テストを作成してください。難易度が大きく変わっていないかも確認してください」
と依頼します。
ステップ⑧ 学習フォロー計画をまとめる
最後に、
「今回の結果を基に、理解できた部分、復習が必要な部分、追加練習、再確認の方法を整理した学習フォロー計画を作成してください」
と依頼しましょう。
これで、テストの作成、結果分析、誤答の確認、学び直し、再テストまで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
理解度テストというと、点数を付けて、できる人とできない人を分けるものだと考えるかもしれません。
しかし、私は、テストの本当の価値はそこだけではないと思っています。
何を理解できたのか。
どこで間違えたのか。
なぜ間違えたのか。
どの説明が分かりにくかったのか。
そして、次にどんな練習をすればよいのか。
こうしたことを考えるために、テストを活用できます。
ChatGPTは、練習問題を作成したり、別の説明を考えたり、復習計画を整理したりする手助けができます。
ただし、AIが作成した問題や模範解答も、正しいか確認する必要があります。
また、一度のテスト結果だけで、その人の能力や将来の可能性を決めつけることはできません。
学ぶ人が、自分の理解できていない部分を知り、もう一度挑戦できること。
教える人が、説明の不足や改善点に気づけること。
その両方が大切です。
理解度テストの目的は、間違いを数えることではありません。間違いから次の学び方を見つけ、できることを少しずつ増やしていくことです。
次回【第61回】は「ChatGPTで社内FAQを作る方法|よくある質問と回答を整理し、問い合わせ対応を効率化しよう」です。
次は、新人教育や日常業務で繰り返し聞かれる質問を整理し、誰でも必要な情報を探しやすくする方法を学びましょう。