ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第53回】ChatGPTが間違えたときの質問の仕方|原因の特定・再質問・修正・再発防止を実践しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTの回答を検証する方法を学びました。
AIがもっともらしく間違った説明をする「ハルシネーション」や、出典の確認方法、事実と推測の区別などを紹介しました。
今回は、その続きです。
ChatGPTの間違いに気づいたとき、どうすればよいのでしょうか?
例えば、こんな経験はありませんか?
「実際の画面に存在しないボタンを押すように言われた」
「間違いを指摘したのに、また同じ説明が返ってきた」
「コードを修正してもらったら、別の場所が動かなくなった」
「前に決めた内容を、AIが勝手に変更してしまった」
「謝ってくれたけれど、結局問題が解決していない」
ChatGPTは便利ですが、間違えることがあります。
重要なのは、間違いを発見した後の対応です。
今回は、AIとのやり取りを立て直し、実際の問題解決へ進むための方法を学んでいきましょう。
1.間違いを指摘するだけでは解決しないことがある
例えば、ChatGPTにExcelの操作方法を質問したとします。
AIは、
「画面右上の設定ボタンをクリックしてください」
と答えました。
しかし、実際の画面には、そのボタンがありません。
そこで、
「そのボタンはありません」
と伝えます。
するとAIが、
「申し訳ありません。では左側のメニューから選択してください」
と説明しました。
ところが、そのメニューも見当たりません。
このような場合、何が問題なのでしょうか?
それは、実際の画面を確認しないまま、次の操作を推測している可能性があることです。
間違いを指摘されるたびに別の説明を出しても、根拠がなければ同じ失敗を繰り返しかねません。
そこで、質問の仕方を変えてみましょう。
「説明されたボタンが実際の画面にありません。別の場所を推測する前に、現在の画面を確認して、必要な情報を教えてください」
このように、次の推測ではなく、確認を求めることが大切です。
2.AIの間違いを5つの種類に分けてみよう
AIの間違いには、いくつかの種類があります。
原因によって、確認すべき内容も変わります。
| 間違いの種類 | 具体例 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 事実の間違い | 製品仕様や日付を取り違えた | 公式資料 |
| 操作方法の間違い | 存在しないボタンを案内した | 実際の画面 |
| 条件の取り違え | 指定していない条件で計算した | 質問内容と元データ |
| コードの間違い | 修正後にプログラムが動かない | エラーと実際のコード |
| 文脈の取り違え | 以前の決定事項を変更した | 正式な決定記録 |
例えば、製品の寸法が間違っている場合は、メーカーの仕様書などを確認する必要があります。
一方、画面操作が間違っている場合は、マニュアルや実際の画面が重要です。
すべての間違いに、同じ質問で対応する必要はありません。
まずは、何が間違っているのか整理しましょう。
3.最初に「どこが間違っているか」を明確にする
ChatGPTの回答が間違っていた場合、
「違います」
と伝えるだけでは、問題の場所が十分に伝わらないことがあります。
例えば、
「Excelの合計金額が違います」
と伝えるよりも、
「商品Bの数量は8個なのに、あなたは6個として計算しています。元の表と照合してください」
と伝える方が、確認対象を明確にできます。
また、ホームページの表示について相談している場合なら、
「修正したいのは画面右上の青い問い合わせボタンです。左側のメニューは変更しません」
と説明できます。
ただし、利用者が毎回正しい原因を特定できるとは限りません。
何が間違っているか分からない場合は、そのまま伝えて構いません。
「結果が期待したものと違います。原因を特定するために、まず何を確認すればよいですか?」
と質問しましょう。
4.原因が分からないときは、調査から始める
例えば、ホームページの画像が表示されないとします。
考えられる原因は一つではありません。
画像のURLが間違っているのかもしれません。
ファイルが存在しないのかもしれません。
アクセス権限に問題がある可能性もあります。
CSSによって非表示になっている場合も考えられます。
この段階で、
「CSSを修正してください」
と指示すると、原因と関係のない部分を変更してしまう可能性があります。
そこで、次のように質問します。
「ホームページの画像が表示されません。原因を決めつけず、確認する順番を考えてください。必要な画面やコードがあれば、一つずつ教えてください」
このように、修正方法を求める前に、原因を調べることが重要です。
5.「確認した事実」と「原因の仮説」を分ける
問題を調べるとき、ChatGPTが原因を推測することがあります。
例えば、
「画像のパスが間違っていると思われます」
という説明です。
しかし、実際のファイルやコードを確認していなければ、それは仮説です。
そこで、
「現在確認できている事実と、考えられる原因の仮説を分けてください。それぞれの仮説を確かめる方法も教えてください」
と依頼してみましょう。
例えば、次のように整理できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 確認できた事実 | 画像がブラウザに表示されない |
| 仮説① | 画像のURLが間違っている |
| 仮説② | 画像ファイルが存在しない |
| 仮説③ | CSSによって非表示になっている |
| 次の確認 | 実際の画像URLやHTMLを確認する |
この時点で、どの仮説が正しいかは分かりません。
大切なのは、確認していない原因を確定事項として扱わないことです。
6.同じ間違いを繰り返すときの質問方法
AIが何度も間違った説明を繰り返す場合があります。
例えば、存在しないメニューを何度も案内する場合です。
そんなときは、これまでの推測を前提にせず、確認できる情報へ戻りましょう。
次の質問が役立ちます。
「前の操作案内は実際の画面と一致していません。これまで提案したメニューの位置を前提にせず、現在のスクリーンショットと公式マニュアルを基に考え直してください」
ここで、実際のスクリーンショットを添付すると状況を伝えやすくなります。
ただし、画像があっても、AIが正確に読み取れない場合があります。
そのときは、画面に表示されている文字を伝えたり、対象部分を拡大したりしてみましょう。
それでも判断できなければ、公式マニュアルや製品サポートなどで確認することが必要です。
7.スクリーンショットで操作の間違いを修正する
実際の画面に関する間違いでは、スクリーンショットが役立ちます。
例えば、WordPressの管理画面を操作しているとします。
ChatGPTが、
「設定の中にある○○を選択してください」
と案内しました。
しかし、実際の画面では見つかりません。
そこで、現在の画面を撮影して送ります。
「これが現在の管理画面です。画面に表示されている項目だけを確認してください。次に押す場所が分からない場合は、別のメニューを推測しないでください」
と質問します。
さらに、操作が複雑な場合は、
「一度に一つの操作だけ説明してください。実行後の画面を確認してから、次へ進みたいです」
と依頼しましょう。
ただし、画面を見せるときは、パスワードや個人情報などが写っていないか確認してください。
8.コードの修正で間違えたときは?
プログラミングでは、ChatGPTが修正コードを提案することがあります。
しかし、実際に使っているファイルを確認せずにコードを変更すると、別の問題が発生する可能性があります。
例えば、ホームページのボタンの幅を変更したかったとします。
ChatGPTが次のCSSを提案しました。
button {
width: 300px;
}
このコードでは、ページ内の多くのボタンに影響する可能性があります。
本当は特定の問い合わせボタンだけを変更したかったのに、ほかのボタンまで幅が変わってしまうかもしれません。
そこで、
「変更対象は問い合わせボタンだけです。実際のHTMLとCSSを確認してから、ほかのボタンに影響しない修正方法を考えてください」
と質問します。
コードの修正では、目的だけでなく、変更してはいけない範囲も明確にすると役立ちます。
9.修正する前に、元へ戻す方法を確認する
ChatGPTが新しい修正方法を提案しても、すぐに実行する必要はありません。
特に、WordPressや業務システムなどでは、変更前の状態を保存しておくことが大切です。
例えば、次のような準備です。
① 元のファイルを保存する。
② 変更前の設定を記録する。
③ 修正する箇所を明確にする。
④ 変更後の確認方法を決める。
⑤ 問題があった場合の復旧方法を考える。
ChatGPTには、
「この修正を実行する前に、元の状態へ戻せるようにしたいです。現在の環境で必要なバックアップと復旧方法を確認してください」
と依頼できます。
ただし、AIが実際のバックアップを作成したかどうかは、ツールや環境によって異なります。
「バックアップしました」という説明だけでなく、保存されたファイルや復旧方法を確認しましょう。
10.間違った回答の一部だけを修正する方法
例えば、ChatGPTに作成してもらった文章の一部分が間違っていたとします。
文章全体を作り直してもらうと、正しかった部分まで変わってしまう場合があります。
そこで、変更する範囲を指定します。
例えば、
「第3段落にある日付だけを修正してください。それ以外の文章、見出し、構成は変更しないでください」
という依頼です。
また、Excelの計算表なら、
「商品Bの数量が間違っています。元データを確認して、商品Bに関係する計算だけを修正してください。ほかのセルは変更しないでください」
と伝えます。
必要な部分だけを修正することで、変更内容を確認しやすくなります。
ただし、部分修正でも意図しない変更が起きる可能性があります。
修正前後を比較しましょう。
11.AIに「前の回答を忘れて」と言えば解決する?
ChatGPTが間違いを繰り返すと、
「前の回答を忘れてください」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、その一言だけで、会話中の情報や影響が完全になくなるとは限りません。
また、前の回答のどこが間違っていたのかを整理しなければ、新しいチャットでも同じ問題が起こる可能性があります。
そこで、次の方法を考えましょう。
① 間違っていた前提を特定する
何を誤解していたのか確認します。
② 正しい情報を提示する
実際の画面や資料を使います。
③ 必要な条件だけを整理する
作業の目的と制約を明確にします。
④ 改めて検討する
古い推測を根拠にせず、確認できた情報から考えます。
会話が複雑になりすぎた場合は、確認済みの情報を整理し、新しいチャットで作業を始める方法もあります。
ただし、新しいチャットを作ったからといって、必ず正しい回答になるわけではありません。
12.ChatGPTが勝手に条件を変えた場合
例えば、旅行計画について、
「電車と徒歩だけで移動したい」
と伝えていたとします。
ところが、AIが途中からレンタカーを使う計画を提案しました。
この場合、最初の条件が守られていません。
そこで、
「移動手段は電車と徒歩だけという条件です。レンタカーを使う提案は除外してください。条件に合う方法が見つからなければ、そのことを説明してください」
と伝えます。
仕事でも同じです。
例えば、
「予算は10万円以内」
「作業時間は2時間以内」
「既存の設備を使う」
「元の文章は変更しない」
などの条件がある場合です。
ChatGPTには、回答する前に条件を整理してもらうこともできます。
「今回の依頼で必ず守る条件を一覧にしてください。その条件に合わない案は採用しないでください」
と質問してみましょう。
13.AIが謝ったら問題は解決した?
ChatGPTが間違いを指摘されると、謝罪することがあります。
しかし、謝罪したことと、問題が解決したことは別です。
例えば、Excelの計算結果を間違えた場合です。
「申し訳ありませんでした」
という言葉だけでは、正しい金額は分かりません。
必要なのは、元データと計算式を確認し、正しい結果を出すことです。
そこで、
「謝罪の説明ではなく、間違っていた数字、正しい数字、確認に使った元データを示してください」
と依頼できます。
また、コード修正の場合は、
「修正したコードと、動作確認した内容を示してください。実際に実行していない場合は、実行済みと説明しないでください」
と伝えましょう。
問題解決では、言葉よりも実際の確認結果が重要です。
14.AIが判断できない場合はどうする?
すべての問題が、ChatGPTとの会話だけで解決するわけではありません。
例えば、製造設備の不具合について相談した場合です。
設備の実際の状態や測定結果を確認できなければ、原因を特定できないことがあります。
また、業務システムの不具合では、管理者権限や専門的なログの確認が必要な場合があります。
そんなときは、
「現時点の情報だけでは原因を特定できますか?できない場合は、追加で必要な測定、資料、専門家による確認を整理してください」
と質問します。
AIが判断できない場合でも、次に何を調べればよいか整理できることがあります。
ただし、安全に関係する設備や重大なシステム障害では、AIの推測を根拠に危険な操作を行わないでください。
必要な専門家や管理者へ相談しましょう。
15.同じ失敗を繰り返さないための記録
問題が解決したら、何が原因だったのかを残しておくと役立ちます。
例えば、次のような記録です。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 問題 | 何が起きたか |
| AIの誤回答 | どの説明が間違っていたか |
| 実際の原因 | 確認できた原因 |
| 修正内容 | 何を変更したか |
| 確認結果 | 正しく動作したか |
| 再発防止 | 次回どこに注意するか |
例えば、
「AIが存在しないメニューを案内した」
という問題なら、
「実際の画面を確認せず、操作方法を推測していた」
という原因が考えられます。
ただし、これは確認できた場合に限ります。
実際の原因が分からなければ、未特定として記録しましょう。
ChatGPTには、
「今回の問題について、発生した事実、確認できた原因、修正内容、再発防止策を整理してください。原因が確認できなかった部分は未特定としてください」
と依頼できます。
16.再発防止のための指示を作る
同じ種類の作業を何度も行う場合は、注意事項をあらかじめ指示しておく方法があります。
例えば、ホームページの修正作業なら、
「実際の画面とコードを確認してから修正案を出してください。ファイル名や行番号を推測しないでください。変更は一度に一か所だけにしてください」
という指示です。
データ分析なら、
「元データと計算結果を照合してください。確認できない数字を補わないでください」
という指示が考えられます。
文章作成なら、
「元の文章にない事実を追加しないでください。指定した部分以外は変更しないでください」
と設定できます。
これらは、カスタム指示やプロジェクト専用の指示として利用する方法もあります。
ただし、設定したからといって、必ずすべての間違いを防げるわけではありません。
実際の回答や作業結果を確認することが必要です。
17.今日のミニレッスン
今回は、架空のトラブルを使って、ChatGPTの間違いを修正する練習をしましょう。
ステップ① 間違った操作案内を考える
次の状況をChatGPTへ伝えます。
「AIから『画面右上の設定ボタンを押してください』と案内されました。しかし、実際の画面には設定ボタンがありません」
続けて、
「この状況で、次に確認すべきことを整理してください。存在しない別のボタンを推測して案内しないでください」
と質問します。
ステップ② 事実と推測を分ける
「この状況について、確認できている事実と、まだ確認できないことを分けてください」
と依頼します。
ステップ③ コードの修正範囲を考える
次のコードを入力します。
button {
width: 300px;
}
そのうえで、
「問い合わせボタンだけの幅を変更したい場合、このコードにはどのような問題がありますか?実際のHTMLを確認する前に、修正箇所を決めつけないでください」
と質問します。
ステップ④ 部分修正の指示を考える
「元の文章の第3段落にある日付だけを変更したいです。ほかの部分を変更しないためには、どのように指示すればよいですか?」
と質問します。
ステップ⑤ 再発防止の記録を作る
「今回学んだAIの誤回答への対応方法を、問題の発見、原因調査、修正、確認、再発防止の順番で整理してください」
と依頼します。
ステップ⑥ 自分用の指示を作る
最後に、
「今後、ChatGPTに操作方法やコード修正を相談するときのために、推測で進めず、実際の画面や資料を確認することを重視した短い指示文を作成してください」
と質問します。
これで、間違いの発見から、原因調査、修正、再発防止までの基本的な流れを体験できます。
ソラ先生からひとこと
ChatGPTを使っていると、間違った回答に出会うことがあります。
それ自体を完全になくすことは難しいかもしれません。
しかし、間違いが発生したときに、何を確認し、どう進めるかを工夫することはできます。
私は、間違いを指摘されたとき、すぐに別の答えを出すことだけが大切なのではないと考えています。
まず、何が間違っていたのかを確かめる。
必要な資料や画面を確認する。
原因が分からなければ、分からないことを明確にする。
そのうえで、修正方法を考え、実際の結果を確認する。
そして、同じ失敗を繰り返さないために、確認の仕組みを見直す。
こうした姿勢が、AIを仕事で活用するうえで大切です。
AIとのやり取りで本当に重要なのは、間違えないことだけではありません。間違いを発見した後、確認し、考え、正しい方向へ進めることです。
次回【第54回】は「ChatGPTへの指示を改善する方法|質問の曖昧さを減らし、目的に合う回答を得るプロンプト設計」です。
今度は、AIの回答が期待した内容にならない原因を、質問そのものから見直す方法を学びましょう。