ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第50回】ChatGPTのプロジェクト機能とは?チャット・資料・指示をまとめて長期の仕事を管理する方法
こんにちは、ソラ先生です。
今回で、このAI入門講座は第50回を迎えました。
ここまで、ChatGPTの基本操作から画像生成、Excel、文章作成、ホームページ制作、プログラミング、自動化まで、さまざまな使い方を学んできました。
今回は、これまでの知識を組み合わせて、少し長い期間にわたる仕事を進める方法を学びましょう。
テーマは「ChatGPTのプロジェクト機能」です。
みなさんは、ChatGPTを利用していて、こんな経験はありませんか?
「同じ仕事について何度も新しいチャットを作っている」
「以前に相談した内容を探すのが大変」
「毎回、会社のことや仕事の条件を説明している」
「資料をどのチャットに添付したのか分からない」
「作業の途中で、前に決めたことと違う回答が出てくる」
そんな場合に役立つのが、プロジェクト機能です。
今回は、プロジェクトの作り方から、資料の追加、チャットの整理、共通ルールの設定、情報の引き継ぎまで学んでいきましょう。
1.ChatGPTのプロジェクトとは何でしょうか?
プロジェクトとは、関連するチャット、ファイル、指示などを一つの作業単位としてまとめる機能です。
例えば、会社のホームページを制作しているとします。
その仕事には、さまざまな作業があります。
- トップページの構成を考える
- 会社案内の文章を作成する
- 写真や画像を検討する
- 採用情報を整理する
- SEO対策を考える
- 公開前の確認を行う
これらを別々のチャットで進めていると、必要な情報を探すのが大変になるかもしれません。
そこで、「ホームページ制作」というプロジェクトを作り、関連する会話や資料をまとめます。
ChatGPTは、そのプロジェクト内の関連情報を参考にしながら回答できます。
ただし、プロジェクトを作れば、すべての情報を完全に記憶してくれるわけではありません。
重要な決定事項は、後から確認できる形で残しておくことも大切です。
2.普通のチャットとプロジェクトの違い
通常のチャットでも、一つのテーマについて長く相談できます。
しかし、複数の話題や資料を扱う場合、プロジェクトでまとめると管理しやすくなります。
| 比較する内容 | 通常のチャット | プロジェクト |
|---|---|---|
| 質問や相談 | できる | できる |
| ファイルの添付 | できる | できる |
| 関連する複数のチャットの整理 | 通常の履歴で管理 | 一つのプロジェクトへまとめられる |
| 共通の指示 | カスタム指示などを利用 | プロジェクト専用の指示を設定できる |
| 長期的な仕事 | 継続できる | 関連する資料や会話をまとめやすい |
例えば、今日だけの簡単な質問であれば、普通のチャットで十分な場合があります。
一方、何週間もかけて資料を作成したり、複数の作業を同時に進めたりする場合には、プロジェクトが便利です。
大切なのは、すべての会話をプロジェクトに入れることではありません。
同じ目的に関係する情報をまとめることです。
3.プロジェクトは無料版でも利用できるの?
ChatGPTのプロジェクト機能は、対象となる無料プランでも利用できます。
ただし、プロジェクトに追加できるファイル数などには、プランによる違いがあります。
例えば、OpenAIの公式案内では、無料プランでは1プロジェクトにつき5ファイル、GoやPlusでは25ファイル、ProやBusinessなどでは40ファイルが上限として案内されています。
利用条件は変更される場合があるため、実際に使用するときは公式案内を確認してください。
また、プロジェクトは追加料金なしで利用できる場合でも、その中で使用するモデルや機能には通常のプランの利用制限が適用されます。
初心者の方は、まず小さなプロジェクトを作って試してみましょう。
4.実践!新しいプロジェクトを作ってみよう
今回は、パソコンのブラウザ版で説明します。
ステップ① ChatGPTを開く
公式サイトにアクセスします。
自分のアカウントでログインしてください。
ステップ② サイドバーを確認する
画面左側のサイドバーにある「プロジェクト」の項目を探します。
ステップ③ 新しいプロジェクトを作成する
「新しいプロジェクト」を選択します。
ステップ④ プロジェクト名を入力する
今回は練習として、
「はじめてのAI活用プロジェクト」
という名前にしましょう。
ステップ⑤ アイコンや色を選ぶ
必要に応じて、プロジェクトを識別しやすいアイコンや色を設定します。
ステップ⑥ 作成を完了する
画面の案内に従って作成します。
これで、プロジェクトの基本的な準備ができました。
5.プロジェクトの中でチャットを始めよう
プロジェクトを作成したら、その中で新しいチャットを始めます。
例えば、
「Excelの売上管理表を作成したいです」
と質問します。
次に、同じプロジェクト内で別のチャットを作り、
「売上管理表の数字をグラフにしたいです」
と相談します。
さらに、
「この分析結果を使って、報告書の構成を考えたいです」
というチャットを作ることもできます。
このように、関連する仕事を分けながら、一つのプロジェクトにまとめられます。
ただし、同じプロジェクト内の情報であっても、ChatGPTが過去のすべての会話を完全に把握するとは限りません。
特に重要な条件や数字は、必要に応じて再確認しましょう。
6.プロジェクトに資料を追加する方法
プロジェクトには、作業で参考にするファイルを追加できます。
例えば、次のような資料です。
- PDFの取扱説明書
- Wordの企画書
- Excelの売上データ
- 商品の画像
- 作業手順をまとめた文書
基本的には、プロジェクトを開き、資料を追加する項目からファイルを選択します。
例えば、架空の文房具店の売上データを追加したとします。
その後、プロジェクト内のチャットで、
「プロジェクトに追加した売上データを確認して、商品別の売上金額を整理してください」
と質問できます。
資料をプロジェクトにまとめておけば、関連する相談を進めやすくなります。
ただし、ChatGPTがファイルのすべての内容を正しく読み取れるとは限りません。
分析結果は元のファイルと照合しましょう。
7.プロジェクト専用の指示を設定してみよう
プロジェクトには、そのプロジェクトだけで使う指示を設定できます。
例えば、仕事用のプロジェクトであれば、
「回答は日本語で説明してください」
「確認できた事実と推測を分けてください」
「必要な情報が不足している場合は質問してください」
といった指示です。
設定方法
① 対象のプロジェクトを開きます。
② 「…」などのメニューを開きます。
③ 「プロジェクト設定」を選択します。
④ プロジェクトの指示を入力します。
⑤ 設定内容を保存します。
プロジェクト専用の指示は、そのプロジェクト内の会話で利用されます。
また、通常のカスタム指示よりもプロジェクト専用の指示が優先されます。
ただし、設定した指示が必ず完全に守られるとは限りません。
実際の回答を確認しながら、必要に応じて調整しましょう。
8.初心者におすすめのプロジェクト指示
今回の練習では、次のような指示を設定してみましょう。
「このプロジェクトでは、Excelの基本操作やデータ整理について学びます。私は初心者なので、専門用語には簡単な説明を付けてください。操作方法は一度に一つずつ説明してください。計算結果は検算方法も示し、確認できていない情報を勝手に補わないでください。」
このように、プロジェクトの目的と回答の希望を明確にします。
その後、
「Excelの売上管理表を作成する方法を教えてください」
と質問してみましょう。
説明が難しければ、
「もっと簡単に説明してください」
と追加できます。
プロジェクトの指示は、毎回同じ条件を説明する手間を減らすための仕組みです。
ただし、実際の作業で新しい条件が決まった場合には、その内容も伝える必要があります。
9.以前のチャットをプロジェクトへ移動できるの?
すでにChatGPTで相談していた内容を、後からプロジェクトへまとめたい場合もあります。
対応しているチャットでは、プロジェクトへ移動することができます。
例えば、
「売上管理表の作成」
という通常のチャットがあったとします。
そのチャットのメニューから「プロジェクトに移動」を選び、移動先のプロジェクトを指定します。
また、対応する画面では、チャットをドラッグしてプロジェクトへ移動する方法もあります。
ただし、すべてのチャットを移動できるわけではありません。
例えば、専用GPTで作成したチャットなど、移動できない場合があります。
移動すると、移動先プロジェクトの指示やファイルの情報が回答に影響する場合があります。
重要な仕事では、移動後に設定や前提条件を確認しましょう。
10.プロジェクトのメモリとは何でしょうか?
プロジェクトでは、関連するチャットや資料を今後の回答に活用する仕組みがあります。
さらに、プロジェクトにはメモリの利用範囲を管理する設定があります。
例えば、「プロジェクト専用メモリ」を選ぶと、同じプロジェクト内の会話を参照しながら、原則としてプロジェクト外の会話や記憶を参照しない形で利用できます。
一方、デフォルトのメモリ設定では、利用プランや個人の設定などによって、参照できる範囲が異なります。
プロジェクト専用メモリの設定方法
① プロジェクトを開きます。
② 「…」から「プロジェクト設定」を選択します。
③ 「メモリ」を確認します。
④ 利用できる場合は「デフォルトメモリ」または「プロジェクト専用メモリ」を選択します。
⑤ 設定を保存します。
なお、共有プロジェクトでは、プロジェクト専用メモリが適用されます。
また、プロジェクト専用メモリを有効にすると、通常の個人用メモリの情報を参照しないため、以前のチャットで覚えていた情報が反映されなくなる場合があります。
長期的な仕事で必要な情報は、メモリだけに頼らず、プロジェクト内の資料として管理することが大切です。
11.プロジェクトへ決定事項を残す方法
長期間の仕事では、何を決めたのかを整理しておくことが重要です。
例えば、ホームページ制作で、
「トップページの構成は決定した」
「会社案内の文章は修正中」
「問い合わせフォームは未確認」
という状況があったとします。
こうした情報を、決定事項と未決定事項に分けて残しておきましょう。
ChatGPTには、
「ここまでの会話から、決定事項・検討中の内容・未解決の問題・次に確認することを整理してください」
と依頼できます。
整理した結果は、実際の会話と照合します。
そのうえで、必要に応じて文章を保存し、プロジェクトの資料として再利用する方法があります。
対応する画面では、ChatGPTの回答メニューから「プロジェクトのソースに追加」を選ぶこともできます。
ただし、保存した情報が古くなった場合は、最新の内容へ更新する必要があります。
12.プロジェクトを分けた方がいい場合
関連する情報を一つにまとめることは便利ですが、何でも同じプロジェクトへ入れればよいわけではありません。
例えば、次の3つの仕事があります。
① ホームページ制作
ページ構成、文章、画像、SEOなどを扱います。
② 社内の売上分析
売上データや集計結果などを扱います。
③ 新商品の企画
市場調査、試作、費用、企画書などを扱います。
これらは目的も資料も異なります。
そのため、別のプロジェクトへ分ける方が整理しやすい場合があります。
また、情報の取り扱いが異なる仕事をまとめる場合には、アクセス権限などにも注意が必要です。
ChatGPTには、
「現在進めている仕事を、目的と利用する資料の種類に応じてプロジェクトへ分類したいです。分ける基準を考えてください」
と相談できます。
13.プロジェクトを共有することもできるの?
ChatGPTのプロジェクトには、対応するプランや設定で、ほかの人と共有する機能があります。
例えば、社内メンバーと同じ資料や関連チャットを利用しながら仕事を進める場合です。
共有する人には、権限に応じてチャットへの参加や、資料の追加・編集などが許可されます。
ただし、共有した相手がどの情報を閲覧できるのか、事前に確認する必要があります。
また、プロジェクトを共有すると、プロジェクト内の情報が参加メンバーに見える場合があります。
顧客の秘密情報や個人情報を含むプロジェクトを、安易に共有してはいけません。
共有前には、次のことを確認しましょう。
① 誰に共有するのか。
② どの資料を閲覧できるのか。
③ どの操作を許可するのか。
④ 共有してはいけない情報が含まれていないか。
⑤ 共有を終了するときの管理方法はどうなっているか。
情報管理の責任は、プロジェクトを共有した後も重要です。
14.プロジェクトに保存しても安心とは限らない
プロジェクトに資料をまとめると便利ですが、重要な情報をすべてChatGPTへ預ければよいというものではありません。
例えば、契約書や顧客情報、未公開の技術資料などを扱う場合です。
会社の情報管理ルールや取引先との秘密保持契約などを確認する必要があります。
また、プロジェクト内のチャットから過去の情報を参照できても、すべての情報を必ず正しく扱えるとは限りません。
例えば、古い見積金額と新しい見積金額を混同する可能性があります。
そこで、重要な情報には日付や版番号などを付けて管理する方法があります。
例えば、
「見積条件_2026年5月版」
「製品仕様_第2版」
などです。
ただし、名称だけで管理するのではなく、正式な資料の保存場所や更新履歴も明確にしておきましょう。
15.ChatGPTが以前の決定事項を間違えたら?
長期間のプロジェクトでは、ChatGPTが以前の情報を間違えて扱う場合があります。
例えば、以前の会話で、
「商品価格は1,000円に決定」
とした後、別の会話で、
「商品価格は1,200円」
と説明してしまう場合です。
そんなときは、どちらが正しいのかを確認しましょう。
ChatGPTに、
「以前の決定事項と現在の回答が一致していません。関連する会話や資料を確認し、どの情報が最新なのか整理してください。確認できない場合は、勝手に決めずに報告してください」
と依頼できます。
ただし、AIが過去のすべての会話を確認できるとは限りません。
正式に決定した内容が記録されている場合は、その資料を優先して確認しましょう。
メモリがあるから間違えないのではなく、確認できる記録があるから修正しやすくなるのです。
16.プロジェクトを使って長期の仕事を進めるコツ
プロジェクトを便利に使うためには、情報を整理する習慣が役立ちます。
例えば、次のような方法です。
① 仕事の目的を明確にする
何を完成させるためのプロジェクトなのかを決めます。
② 関係する資料をまとめる
必要な情報を探しやすくします。
③ チャットのテーマを分ける
文章作成、調査、設計など、作業ごとに分けます。
④ 決定事項を記録する
後から判断を確認できるようにします。
⑤ 古い情報を見直す
変更された条件や不要になった資料を整理します。
⑥ 結果を実際に確認する
AIが完成したと説明しても、実際の資料や画面で確認します。
こうした工夫によって、長期の仕事を進めやすくなります。
17.今日のミニレッスン
今回は、実際に小さなプロジェクトを作成し、複数のチャットと資料をまとめてみましょう。
ステップ① プロジェクトを作成する
ChatGPTのサイドバーから「新しいプロジェクト」を選択します。
名前は、
「はじめてのAI活用プロジェクト」
としてください。
ステップ② プロジェクト指示を設定する
次の文章を入力してみましょう。
「このプロジェクトでは、Excelの基本操作とデータ整理について学びます。初心者向けに説明してください。操作は一つずつ教えてください。事実と推測を区別し、計算結果の確認方法も説明してください」
ステップ③ 最初のチャットを作る
プロジェクト内で新しいチャットを作成し、
「Excelの売上管理表を作成するために、必要な項目を教えてください」
と質問します。
ステップ④ 別のチャットを作る
同じプロジェクト内でもう一つチャットを作成し、
「売上管理表のデータを使って、月別の売上を分析する方法を教えてください」
と質問します。
ステップ⑤ 練習用の資料を追加する
以前の授業で作成した、架空の売上表などをプロジェクトへ追加します。
実際の顧客情報や秘密情報は使わないでください。
ステップ⑥ 資料を利用する
新しいチャットで、
「プロジェクトに追加した売上表を確認し、商品別の売上金額を集計してください。計算方法も説明してください」
と質問します。
ステップ⑦ 決定事項を整理する
最後に、
「このプロジェクトで学んだこと、作成した資料、今後の課題を整理してください。実際に確認できた内容だけをまとめてください」
と依頼します。
これで、プロジェクトの作成から、複数チャットの管理、資料の活用まで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
ChatGPTは、一度の質問に答えるだけの道具ではありません。
長い期間にわたる仕事でも、情報を整理し、調査し、考え、資料を作成する手助けができます。
しかし、会話が増えるほど、以前の条件を見落としたり、古い情報を使ったりする可能性もあります。
だからこそ、重要な仕事では、決定事項や資料を確認できる形で残しておくことが大切です。
プロジェクト機能は、関連する会話や資料をまとめ、長期の仕事を進めやすくするための仕組みです。
ただし、プロジェクトを作ること自体が目的ではありません。
必要な情報を正しく扱い、実際の仕事を前に進めることが目的です。
AIにすべてを覚えてもらうことより、人間とAIが同じ情報を確認しながら、一緒に仕事を進められる環境を作ること。
私は、そのためにプロジェクト機能を活用する価値があると考えています。
次回【第51回】は「ChatGPTで複数のAIを使い分ける方法|ChatGPT・Gemini・Claude・Copilotを組み合わせて仕事を進めよう」です。
次は、一つのAIだけに頼らず、それぞれの特徴を活かして仕事を進める方法を学びます。