透明加工では、一人の技術だけでは良い製品にならない。
透明な試作品を見ると、完成した製品の美しさに目が向きます。
しかし、その一つの製品ができるまでには、いくつもの判断と工程があります。
(株)アリスでは、ポリカーボネート(PC)やアクリル、塩ビなどの透明素材を使った開発試作品や治具を製作しています。
こうした透明製品では、CAD/CAM、機械加工、仕上げ、検査のどこか一つだけが優れていても、安定した品質にはなりません。
例えば、CAD/CAMでは、単に3Dデータから加工プログラムをつくるだけではありません。
形状を見ながら工具を選び、どの方向から加工するか、どの部分を先に削るか、どの程度仕上げ代を残すかを考えます。
マシニングセンタで加工するエンジニアは、実際の材料の状態を見ながら固定方法や加工条件を調整します。
透明素材は加工熱や応力の影響も考える必要があり、形状によって判断も変わります。
その後、仕上げを担当する人が加工跡やバリを整えます。
検査では寸法だけでなく、傷や透明部分の状態も確認します。
つまり、一つの透明製品の中には、それぞれの担当者の仕事が残っています。
前工程で少し無理をすれば、後工程の負担が増えます。
反対に、次の工程を考えて加工しておけば、仕上げや検査も安定します。
だから(株)アリスでは、自分の担当だけを終わらせればよいとは考えていません。
CAD/CAMを担当する人は加工する人のことを考える。
加工する人は仕上げる人のことを考える。
仕上げる人は、お客様が実際に製品を見るときのことを考える。
そうして仕事をつないでいくことが必要です。
経験者にとっても、同じ製品を繰り返し加工する仕事とは違う面白さがあります。
研究開発や開発試作では、初めて見る形状や条件に向き合うことがあります。
これまでの経験を使いながら、
「この形状なら、どう加工するか」
「この部分は、どこまで機械で仕上げるか」
「後工程まで考えると、どの方法がよいか」
と、その都度考える必要があります。
一方、経験の浅い人には、まず自分の担当工程を丁寧に覚えてもらいます。
実際の製品を見ながら、なぜこの仕上げが必要なのか、なぜここを確認するのかを知る。
それを繰り返すことで、少しずつ前後の工程まで見えるようになります。
透明素材は、良くも悪くも仕事の結果を隠してくれません。
だからこそ、丁寧に仕事をした結果も分かりやすく残ります。
(株)アリスでは、透明加工を通じて技術だけを磨くのではなく、自分の仕事が次の人や最終品質へどうつながっているかを考えることも大切にしています。
一人の技術ではなく、それぞれの丁寧な仕事がつながって、一つの透明製品になる。
それが(株)アリスのものづくりです。