歴史は、出来事ではなく「条件」を戻すと動き始める
2014.09.22
「ある国を攻めた」
文献には、その一行しか残っていないことがあります。
でも、その年の周囲で大噴火があったらどうでしょう。
長い冷害が続いていたら。
洪水で耕地が減っていたら。
人口が増えていたら。
魚が取れなくなっていたら。
見え方は変わります。
逆に「和平が成立した」と書かれていても、その直前に地震、疫病、飢饉が重なっていれば、
本当に政治的な和平だったのか分からなくなります。
両方とも、もう戦っている場合ではなかっただけかもしれません。
道も同じです。
「軍は山道を選んだ」
と書かれている。
名将の奇策と説明される。
でも当時の平地が湖や湿地ならどうでしょう。
山道を「選んだ」のではない。
そこしか通れなかった。
そうなると評価が変わります。
だから私は、出来事を一度分解します。
地形。
気候。
災害。
食料。
人口。
水運。
交易。
権力関係。
人間心理。
そして、もう一度組み立てます。
「この条件なら、人はどう動くだろう」
と考える。
また矛盾が出れば、もう一度分解する。
歴史は答えを当てるゲームではありません。
昔の空。
水。
道。
腹具合。
恐怖。
そこまで戻して初めて、記録の中の名前が、生きていた人間に戻ってくる。
私はその人間模様が歴史を紐解き、真実に使づくヒントだと思っています。
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