加工できるかより、どうすればできるかを考える
ものづくりの相談では、ときどきすぐに答えが出ない仕事があります。
形が複雑。
材料が特殊。
精度が厳しい。
加工する場所が深い。
固定する方法が見つからない。
今までつくったことがない。
そんな仕事に出会うことがあります。
最初に図面を見た瞬間、簡単にはできそうにないと思うこともあります。
けれど、「難しい」と「できない」は同じではありません。
何が難しいのかを一つずつ分けて考えると、方法が見えてくることがあります。
工具が届かないのであれば、別の方向から加工できないか。
固定できないのであれば、専用の治具をつくれないか。
一体では難しいのであれば、部品を分割できないか。
自社の設備だけでは難しいのであれば、別の加工技術と組み合わせられないか。
材料そのものに問題があるのであれば、目的を満たせる別の材料はないか。
できない理由を並べるだけでは、仕事は前へ進みません。
大切なのは、何が障害になっているのかを正しく見ることです。
研究開発の仕事では、まだ世の中にないものをつくろうとしていることがあります。
前例がない。
加工実績がない。
完成形そのものがまだ決まっていない。
そんな仕事に、最初から正解があるとは限りません。
だから、考える。
試す。
確認する。
必要なら方法を変える。
それでも難しければ、別の技術を持つ人に相談する。
ものづくりは、一人の技術だけで全部を解決する必要はありません。
切削加工だけで難しければ、別の加工方法を組み合わせる。
社内に設備がなければ、協力会社の技術を借りる。
材料について分からなければ、材料メーカーへ確認する。
測定が難しければ、適した測定方法を探す。
必要な技術をつなげることも、問題を解決する方法の一つです。
(株)アリスでは、難しい仕事を無理に「できます」と言うことが大切だとは考えていません。
分からないことは分からない。
難しいところは難しい。
その上で、どうすれば実現できる可能性があるのかを考えます。
できるか、できないか。
その二つだけで仕事を見るのではなく、
どうすればできるのか。
どこまでならできるのか。
何を変えればできるのか。
誰と組めばできるのか。
そこまで考える。
研究開発から生産現場まで、ものづくりには簡単に答えが出ない仕事があります。
だからこそ、考えることそのものが技術になります。