今使っている材料が合わないとき、別の樹脂材料を検討する
樹脂部品では、形状が同じでも使用する材料によって性能が大きく変わります。
耐熱性。
耐薬品性。
強度。
摺動性。
寸法安定性。
電気特性。
使用する環境によって、必要な性能は違います。
そのため、
「今使っている樹脂では耐えられない」
という相談から材料変更を検討することがあります。
材料名だけでは決められない
樹脂には、アクリル、ポリカーボネート、POM、MCナイロン、PEEK、PPSなど、多くの種類があります。
しかし、
「耐熱性が高いからPEEK」
「耐薬品性が必要だからPPS」
と材料名だけで決めることはできません。
実際には、
何度くらいで使用するのか。
どんな薬品に触れるのか。
連続使用なのか。
一時的なのか。
荷重がかかるのか。
寸法精度が必要なのか。
といった使用条件を確認します。
同じ材料でもグレードによって性質が違うことがあります。
ガラス繊維入りなどの強化グレードを使用することもあります。
物性表は判断材料の一つ
材料変更を検討するときには、メーカーの物性表を確認します。
ただし、数値だけですべてを判断できるわけではありません。
実際に使用する薬品や温度、形状によって結果が変わることがあります。
そのため、必要であれば端材などを使って確認することもあります。
たとえば、
候補材料を薬品に浸けてみる。
変色や膨潤がないか確認する。
一定時間後の状態を見る。
こうした小さな確認が、材料を決める判断材料になる場合があります。
高機能樹脂は「高性能だから使う」のではない
PEEKやPPSなどのスーパーエンプラは、耐熱性や耐薬品性などに優れています。
その一方で、一般樹脂に比べて材料価格は高くなります。
加工条件にも注意が必要です。
だから、性能が高い材料を使えば良いという考え方ではありません。
必要な性能を満たす範囲で材料を選びます。
一般的な樹脂で十分なら、それを使う。
使用環境が厳しければ、高機能樹脂を検討する。
品質だけでなく、コストや加工性も含めて判断します。
加工会社だけで答えが出ないこともある
材料について分からないことがあれば、材料メーカーや商社に確認します。
加工方法については、専門の協力会社に相談することもあります。
自分たちだけですべてを知っている必要はありません。
必要な情報を持っている人に確認しながら、判断していきます。
これは材料選定だけではありません。
ものづくり全体で同じです。
分からないことを曖昧なまま進めない。
確認する。
試す。
結果を見る。
そこから次を考える。
今振り返ると、材料変更の仕事で繰り返してきたこの流れも、現在の(株)アリスの仕事の基本につながっています。
材料を変更する目的は、高価な材料を使うことではありません。
実際の使用環境で、必要な性能を持つ部品をつくることです。
そのために、材料、加工方法、コスト、納期を一つずつ考えています。