主体性は、大きな声で発言することではない。
「主体性のある人」と聞くと、積極的に意見を出し、周囲を引っ張っていく人を想像することがあります。
会議で率先して発言する。
新しい提案を次々に出す。
自分から前へ出て行動する。
そうした姿も、主体性の一つだと思います。
しかし(株)アリスでは、それだけが主体性だとは考えていません。
静かに仕事をする人にも、主体性はあります。
自分の担当する製品を見て、「少し違うような気がする」と気づく。
図面を確認して、分からない部分をそのままにせず質問する。
次の工程の人が困らないように、必要な情報を整理して渡す。
同じミスが起きないように、前回の経験を思い出して確認する。
こうした行動もすべて、自分の仕事を自分事として考えた結果です。
主体性とは、性格の明るさや話す量ではありません。
目の前で起きていることに対して、「自分には関係ない」と切り離さないことだと考えています。
研究開発から生産現場までのものづくりでは、多くの人や工程がつながっています。
自分の担当だけを見ていれば、仕事そのものは終えられるかもしれません。
しかし、その後に何が起きるのかを少し考えるだけで、行動は変わります。
この寸法は、組み付けたときに問題にならないか。
この情報は、加工担当にも伝えておいたほうがよいのではないか。
この納期なら、材料の確認を先にしておいたほうがよいのではないか。
この状態で進めるより、一度相談したほうが安全ではないか。
すべてに自分で答えを出す必要はありません。
むしろ、判断できないと分かった時点で周囲へ相談することも、大切な主体性です。
「分からないから指示を待つ」のではなく、「ここまでは自分で考えたけれど、この部分は確認が必要だ」と伝える。
そうすれば、相談そのものが学びの機会になります。
そして経験が増えるにつれて、自分で判断できる範囲も少しずつ広がります。
(株)アリスには、さまざまな個性の人がいてよいと考えています。
前へ出ることが得意な人もいれば、周囲をよく見ながら支えることが得意な人もいます。
大切なのは、誰かの性格に合わせることではありません。
それぞれが自分の役割について考え、必要なときに行動することです。
目立たなくてもいい。
大きなことを言わなくてもいい。
自分の仕事に関心を持ち、少し先まで考えてみる。
(株)アリスでは、そうした静かな主体性も、ものづくりを支える大切な力だと考えています。