ARICEの開発エンジニアが行うイレギュラー対処方法
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10月初旬に求人をスタートする予定です。
そこで、アリスの考え方やスタンスなどを事前にご紹介しておきます。
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未知の領域を進んでいく開発現場でどうしても想定外の出来事が起こり、
狙っていた品質や形状とはならない場合があります。
そんな時に開発エンジニアはどう対応していけば良いのかを考察してみました。
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開発現場は量産プロセスよりも納期が短く、また製作スタートまでも
設計変更や形状の間違い、勘合具合の問題が発生したり、問題が多々
発生する事があります。
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そんな場合も冷静に対処して、マストとなる納期までに製作していく
事が求められます。
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開発現場だから仕方が無いと割り切って、瞬時にスケジューリングを
変更します。
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どうしても間に合わない日程となった場合は、優先順位をご相談させて
いただきながら、開発スケジュールにできる限り影響しないように段取り
をこまめに変更していきます。
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また想定外の問題が発生して、製作していた物が傷ついたり、ゆがんだり、
割れたり、掛けたり、刃物が折れたり、CAD/CAMのバグが発生して
製品を傷つけたりで再製作せざる得ない事も多々起こります。
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そういったイレギュラーを出来り限り早く発見できるように、常に
チェックを行っています。
それで再製作までに至らないケースも多々ございますが、やはり新作
せざるを得ない場合も起こります。
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どうしていくのかを即時判断していきます。
開発ものづくりは、IQではなくEQが重要。
問題を発見した時に状態を分析して原因を見つけなければいけません。
但し作業しているスタッフの思い込みで対応策の判断をしてしまうと
更なる大失敗に発展してしまう事も多々あります。
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そこが開発エンジニアの能力の発揮しどころ。
①人②モノ③状況の3つを切り口にして、コンピューターになったように
データを分析しながら追究していきます。
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①の人的なミス、いわゆるヒューマンエラーです。
これは本人がどれだけ注意しても起こります。
だからできる限り早く見つけて修正を掛ける事が重要。
防止するための意識づけだけでなく、ダブルチェックやトリプルチェック、
工程毎の確認や作業者以外のスタッフが確認するような事をしています。
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②のモノは工作機械や刃物、道具や設備の不具合の事です。
材料的にソリやすい薄肉形状であったり、多面加工で破れたり、
CAD/CAMのバクなども含まれます。
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③は天候であったり季節など環境的な事です。
雨と晴れではプラスチック樹脂では吸水して膨張収縮を繰り返しますし、
固まらせる液体などを使用する場合は硬化時間が大きく変わります。
夏場は高温になりやすく発熱が大きいので、金属が膨張収縮したり、
刃物や治具も寸法変化を起こして加工精度に問題が発生したりします。
刃物などが折れたり、ソリや歪が発生する場合もあります。
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NGが起こった場合は、あせって原因を分析せずに決めつけたり、修正を
行おうとして新作せざるを得なくなったり、感情や感性だけで動くと更なる
ピンチを迎えてしまう事も多々あります。
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エンジニアは論理的思考で科学者のようにデータを集め分析して、真の
原因を突き止めなけらばなりません。
上記の3つの要素を切り口に考えてみる事。
出来ていた事でNGが起こったなら、うまくいった時と今回は何が違って
いたのかを考えると必ず差異があります。
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考えられる問題が複数あっても、もっとも大きな要因だろうという問題
から対処していけば、ほとんどの場合は修正や新作時に問題は起こりません。
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また違った要素が原因となってNGが発生しても、大きな要素から改善して
いけば対処できます。
更なる高精度であったり、高品質を実現する時には更に作業をブラッシュアップ
していくだけの事で、問題はある程度限られている場合がほとんどです。
プロの開発エンジニアは、肌感覚や経験によるNG改善策を見つけるのではなく、論理的なデータ分析での改善方法をベースに勘やヒラメキを活用していく事が重要です。