「本当の歴史」は、一冊の本には入らない
2014.08.08
歴史の本を読むと、一つの物語になっています。
誰が現れ、何をして、次に何が起きたか。
分かりやすい。
でも現実は、そんなにきれいだったでしょうか。
同じ出来事を見ても、人によって違います。
王には王の歴史がある。
兵士には兵士の歴史がある。
攻められた村にも歴史がある。
戦わず逃げた人にもある。
神社を守った人にもある。
そして勝った側と負けた側では、同じ出来事の名前すら違う。
だから「本当の歴史」という一冊の完成品を探そうとすると、無理が出ます。
むしろ、いくつもの記憶が重なったものが歴史なのだと思います。
文字。
墓。
神社。
遺跡。
地名。
昔話。
祭り。
古地形。
全部が別の方向から過去を見ています。
一つの資料ですべてを説明できない。
だから面白い。
ある資料では敵だった人物が、別の土地では英雄として残る。
その矛盾を消さない。
両方置く。
そして、
なぜこんな違いが生まれたのだろう。
と考える。
そこから人間が見えてきます。
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