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日本人は、なぜ「勝つこと」より「続けること」を大切にしたのか

2013.10.21

昔の日本では、何でも一番になることが大切だったわけではない。

私はそう考えています。

大切だったのは、

続けられること。

畑を一度豊かにしても、翌年だめになれば意味がない。

山から木を取りすぎれば、次の世代が困る。

魚を取りすぎれば、来年は捕れなくなる。

水路を作っても、手入れをしなければ使えなくなる。

暮らしは、一度の勝ち負けでは決まりません。

毎年、毎年。

季節を越えて。

世代を越えて。

続けていく必要がある。

だから昔の人は、

「今だけ良ければいい」

という考え方をしにくかったのだと思います。

自分たちだけで取り尽くさない。

次の人の分を残す。

壊れたら直す。

使えるものは使う。

技術は次の世代へ渡す。

そうやって暮らしをつないでいく。

これは仕事でも同じだった。

一度うまく作るだけでは足りない。

次も作れる。

その次も作れる。

失敗しても直せる。

別の人にも伝えられる。

そこまでできて、初めて技術になる。

私は、日本人が「継続」を大切にしてきた理由は、ここにあると思っています。

自然の中で暮らしていると、

人間だけが勝つことなんてできません。

雨が降る。

台風が来る。

川があふれる。

作物が育たない年もある。

だから自然に勝つのではなく、

自然と折り合いながら、暮らしを続ける。

それが一番大切だった。

人間同士でも同じです。

相手を負かして終わりではない。

明日も同じ地域で暮らす。

来年も一緒に水を使う。

祭りでも顔を合わせる。

だから完全に相手を潰すより、

また一緒にやれるところを残す。

私は、そこにも日本らしさがあると思っています。

勝つことは、その瞬間の結果。

続けることは、未来を残すこと。

昔の日本人が本当に大切にしたのは、

勝敗ではなく、暮らしを次へつなぐこと

だったのだと思います。

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