「ここより下に家を建てるな」という記憶
2014.08.18
災害のあと、人間は目印を残すことがあります。
石碑。
地名。
祠。
神社。
「ここまで水が来た」
「ここから下は危ない」
そんな記憶です。
問題は、百年経つと人間が忘れることです。
その災害を直接知る人がいなくなる。
土地が安くなる。
便利だから低地へ住み始める。
新しい家が建つ。
そして同じ災害が来る。
歴史は時々、恐ろしいほど同じことを繰り返します。
だから昔の人は、単に文章だけではなく、場所そのものへ記憶を残したのでしょう。
山の中腹の神社。
高台の寺。
津波碑。
「浪分」「波分」のような地名。
全部が同じ仕組みではありませんが、「ここから先」という境界を土地へ刻んだものがあります。
神社の位置も、その一つだった可能性があります。
研究では、すべてではないものの、古くから地域に根付いた神社の一部が災害リスクの低い場所へ置かれていることが確認されています。J-STAGE
だとすれば、神社は神を祀っただけではない。
人間が安全だと知っていた場所を、何世代も残す仕組みでもあった。
「神様のところまで逃げろ」
という言葉なら、子どもでも覚えられます。
これはものすごく強い防災教育です。
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