樹脂薄肉加工の限界に挑む――0.05mmの世界
(株)アリスでは、切削加工技術の可能性を探る取り組みとして、樹脂の極薄肉加工に挑戦したサンプル製作を行いました。
テーマはシンプルです。「切削加工でどこまで薄くできるのか」。この問いを実際の加工で検証しました。
今回の試作では、開発現場でも使用される代表的なエンジニアリングプラスチックを対象にしています。
ポリカーボネート(PC)、ジュラコン(POM)、アクリル(PMMA)、そしてPPS。いずれも機械部品や電子部品に広く使われる硬質樹脂です。
この4種類の素材を用い、パイプ形状の薄肉加工サンプルを製作しました。
一つは、外径φ15.1、内径φ15.0、高さ25mmのパイプ形状。
肉厚はわずか0.05mmという極薄の構造です。
さらに、より難易度の高い極細パイプにも挑戦しました。
外径φ1.1、内径φ1.0、高さ25mm。こちらも肉厚は0.05mmです。
ここまで薄くなると、硬質樹脂であっても剛性が大きく低下し、わずかな力でも大きくしなる状態になります。加工中の切削抵抗、熱の影響、保持方法のわずかな違いが、そのまま精度や破損につながります。実際にアクリルの極細パイプは、撮影作業中に折れてしまうほど繊細なものでした。
このような薄肉加工では、単純に機械性能だけで結果が決まるわけではありません。
素材特性の理解、刃物条件の最適化、加工順序の設計、熱変形への配慮、ワーク保持の工夫など、多くの要素を総合的に組み合わせる必要があります。
0.02~0.03mmも加工してみましたが、破れたり、自重で折れました。
(株)アリスでは、こうした試作を通じて加工の限界や材料の挙動を確認し、実際の開発案件に活かしています。難しい加工ほど、現場の知見の積み重ねが技術力になります。
薄肉の樹脂部品や精密パイプ形状など、切削加工でお困りの際はぜひご相談ください。
(株)アリスは、開発試作の現場で求められる難加工にも、エンジニア視点で取り組んでいます。