ワンオフ試作で考える機械加工デザイン_隼マスターシリンダーキャップ試作プロジェクト
(株)アリスでは日々、メーカー様や研究開発部門からの試作加工や評価治具などを製作していますが、時には純粋なものづくりの発想から生まれる試作もあります。
今回製作したのは、バイク「隼」のマスターシリンダーキャップのワンオフ試作パーツです。
完全な個人用途の試作ですが、機械加工でどこまで意匠性と機能性を両立できるかを検証する目的も兼ねています。
量産部品とは異なり、ワンオフパーツの設計では自由度の高さが最大の魅力になります。
そのため今回の試作では、既存形状を単純に再現するのではなく、オリジナル性を重視したデザインを検討しました。
機械加工を前提としたデザインでは、以下の点が重要になります。
・工具アプローチを考慮した形状設計
・切削加工で表現できる立体意匠
・アルマイト処理後の質感
・視覚的バランス
こうした要素を踏まえながら、3種類のデザインパターンを作成し試作加工を行いました。
本番の材料はアルミニウム合金 A5052 を採用しています。
A5052は耐食性と加工性のバランスが良く、二輪部品や外装部品でも多く採用される材料です。
加工後は、隼のカラーイメージに合わせたカラーアルマイト仕上げを予定しています。
・ブルー
・レッド
・ゴールド
これらのカラーをアクセントとして取り入れることで、純正パーツとは異なる所有感を高めるカスタムパーツとして仕上げる構想です。
試作段階では、意匠の見え方や加工性を確認することができました。
実際に形にしてみることで、図面や3Dデータでは見えにくいバランスや質感も確認できます。
このような試作プロセスは、メーカーの開発部品や装置部品でも同じです。
図面 → 試作 → 評価 → 改良というサイクルを繰り返すことで、製品の完成度は大きく高まります。
(株)アリスでは、こうした試作加工を通じて、
機械加工の可能性とデザインの両立を常に探求しています。
ワンオフパーツの試作であっても、そこには多くの技術的な学びがあります。
ものづくりの本質は、こうした小さな試作の積み重ねにあると(株)アリスは考えています。