ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第68回】ChatGPTでプレゼンの練習をする方法|発表原稿・時間配分・想定質問・質疑応答を実践しよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って提案書をプレゼンテーション資料に変える方法を学びました。
文章の多い提案書から重要な情報を抜き出し、スライドの構成を考え、図解やグラフを使って分かりやすく伝える方法でした。
今回は、完成したスライドを使って、実際に説明する練習をしてみましょう。
「資料は完成したけれど、人前で説明するのが苦手」
「話しているうちに、何を伝えたいのか分からなくなる」
「説明時間が長くなってしまう」
「お客様から質問されたとき、うまく答えられない」
「ChatGPTにプレゼンの練習相手になってもらえるの?」
そんな疑問を取り上げます。
プレゼンテーションでは、話し方の上手さだけが重要なのではありません。
聞く人が何を知りたいのかを理解し、必要な情報を正確に伝えることが大切です。
今回は、ChatGPTを練習相手として使い、説明の順番や言葉の選び方、質問への対応を改善する方法を学びましょう。
1.プレゼンテーションの目的は何でしょうか?
プレゼンテーションというと、大勢の人の前で立派に話すことを想像するかもしれません。
しかし、実際には、お客様への提案、社内会議での説明、新商品の紹介、仕事の進捗報告など、さまざまな場面があります。
例えば、製造会社がお客様へ試作方法を提案する場合です。
目的は、流暢に話すことではありません。
お客様が、提案の内容や条件を理解し、次に何をするか判断できることです。
そのためには、次のようなことが必要です。
- お客様が実現したい目的を理解する
- 提案する方法を正確に説明する
- 複数の選択肢の違いを伝える
- 費用や納期の前提条件を明確にする
- 分からないことを無理に答えない
ChatGPTには、
「このプレゼンの目的を整理してください。聞き手に理解してもらいたい内容と、最後に判断してもらいたいことを分けてください」
と依頼できます。
2.発表原稿を作る前に確認したいこと
前回作成したスライドがあれば、ChatGPTに発表原稿を考えてもらえます。
ただし、すぐに原稿を作成する前に、条件を整理しましょう。
例えば、次のような項目です。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 聞き手 | お客様・技術者・経営者など |
| 説明時間 | 何分間話すのか |
| 使用資料 | 何枚のスライドを使うのか |
| 伝える目的 | 何を理解してほしいのか |
| 判断事項 | 最後に何を決めたいのか |
| 未確認条件 | 質問されても確答できないこと |
例えば、技術者へ説明する場合は、材料特性や加工条件について詳しい説明が必要になるかもしれません。
一方、経営判断を求める場合には、費用やリスク、導入条件などが重要になる場合があります。
聞き手によって説明の内容を調整しましょう。
3.ChatGPTに発表原稿を作ってもらう
今回は、架空の樹脂製ブラケットの試作提案を例にします。
前回は、次の6枚のスライドを考えました。
今回の提案
試作の条件
製作方法の比較
費用の比較
判断に必要な確認事項
次の進め方
ChatGPTには、
「この6枚のスライドについて、お客様へ説明するための発表原稿を作成してください。各スライドで何を説明するか分け、未確認の費用や性能を確定事項として扱わないでください」
と依頼します。
例えば、最初のスライドでは、次のような説明が考えられます。
「本日は、樹脂製ブラケットの試作方法について、考えられる選択肢を整理してご説明します。現在確認できている条件と、今後確認が必要な事項を分けながら、次の検討方法についてご相談したいと考えています」
これは練習用の説明例です。
実際の仕事では、相手との関係や提案内容に応じて調整しましょう。
4.スライドの文章を全部読み上げなくてもいい
プレゼンでは、スライドに書かれた文章をすべて読み上げる必要はありません。
例えば、3つの製作方法を比較した表があったとします。
その表を上から順番に読み上げるだけでは、何が重要なのか伝わりにくい場合があります。
そこで、
「この表で注目していただきたいのは、初期費用と製作数量の関係です」
というように、ポイントを示して説明します。
ただし、重要な注意点や条件を省略してはいけません。
ChatGPTには、
「このスライドの内容をそのまま読み上げるのではなく、聞き手が注目すべきポイントを説明する発表原稿にしてください」
と依頼できます。
資料を読めば分かることと、口頭で補足することを分けて考えましょう。
5.説明時間をどう配分する?
プレゼンテーションでは、時間管理も重要です。
例えば、説明時間が10分間で、6枚のスライドを使うとします。
すべてのスライドへ均等に時間を割り当てる必要はありません。
重要な比較や判断事項に、少し長めの時間を使うこともできます。
例えば、次のような配分です。
| スライド | 内容 | 予定時間 |
|---|---|---|
| 1 | 提案の目的 | 1分 |
| 2 | 試作の条件 | 1分30秒 |
| 3 | 製作方法の比較 | 2分 |
| 4 | 費用の比較 | 2分 |
| 5 | 確認事項 | 1分30秒 |
| 6 | 次の進め方 | 2分 |
| 合計 | 10分 |
これは練習用の時間配分です。
実際には、話す速さや質疑応答の有無によって調整が必要です。
ChatGPTには、
「6枚のスライドを10分で説明したいです。重要な比較項目に時間を配分し、スライドごとの目安時間を作成してください」
と依頼できます。
6.原稿の文字数だけで時間を決めない
ChatGPTに、
「10分間の発表原稿を作ってください」
と依頼すると、一定の文字数を目安に文章を作成する場合があります。
しかし、人によって話す速さは異なります。
途中で図を説明したり、聞き手の反応を確認したりする時間も必要です。
そのため、原稿を作っただけで10分に収まるとは限りません。
そこで、実際に声に出して練習し、時間を測ってみましょう。
例えば、発表原稿を読むのに12分かかった場合です。
単純に早口で読むのではなく、不要な説明がないか見直します。
ChatGPTには、
「10分の予定でしたが、実際には12分かかりました。重要な条件を残しながら、どの説明を短くできるか検討してください」
と依頼できます。
実測した時間を基に調整することが大切です。
7.ChatGPTに聞き手役をしてもらう
ChatGPTをプレゼンの練習相手にする方法があります。
例えば、お客様への試作提案を練習したい場合です。
次のように依頼します。
「あなたは試作部品の提案を受けるお客様役です。私は製造会社の担当者として説明します。最初は説明を聞いてください。説明が終わったら、内容について質問を一つずつしてください」
このようにすれば、質疑応答を想定した練習ができます。
ただし、ChatGPTが実際のお客様と同じ反応をするとは限りません。
また、練習相手として質問を作ることと、提案内容を技術的に承認することは別です。
あくまで、説明の仕方や質問への対応を練習するために使いましょう。
8.一問ずつ質疑応答を練習する
一度に10個の質問を出されると、初心者には大変かもしれません。
そこで、一問ずつ練習する方法があります。
例えば、
「お客様役として質問を一つだけしてください。私が回答した後、その回答について分かりにくい点を指摘してから、次の質問へ進んでください」
と依頼します。
実際の練習では、次のような会話が考えられます。
お客様役
「今回、3つの製作方法を比較していますが、なぜ最初から一つに決めないのですか?」
説明する人
「材料や必要な性能がまだ決まっていないため、それぞれの方法の特徴を比較し、必要条件を確認してから選びたいと考えています」
このように、質問に対して結論と理由を整理して答える練習ができます。
ただし、回答内容が正しいかどうかは、実際の提案条件と照合しましょう。
9.答えられない質問が出たらどうする?
プレゼンの練習中に、答えられない質問が出ることがあります。
例えば、
「この材料で何年間使用できますか?」
という質問です。
実際の使用環境や材料データ、評価条件などを確認していなければ、正しく答えられない場合があります。
そのとき、
「おそらく10年間は問題ありません」
と推測で答えることは適切ではありません。
一方、何も答えずに終わる必要もありません。
例えば、
「使用環境や必要な条件によって判断が変わるため、現時点ではお答えできません。必要な条件を確認し、評価方法を含めて検討いたします」
という対応が考えられます。
ただし、実際に検討する予定がある場合に限ります。
ChatGPTには、
「確認していない性能について質問された場合、数値を推測せず、現在の確認状況と必要な追加情報を説明する練習をしたいです」
と依頼できます。
10.想定質問を種類ごとに整理する
プレゼン後に受ける質問には、さまざまな種類があります。
例えば、次のようなものです。
① 技術的な質問
「必要な精度を満たせますか?」
② 費用に関する質問
「数量が増えると価格はどう変わりますか?」
③ 納期に関する質問
「いつ試作品を確認できますか?」
④ 比較に関する質問
「A案とB案の違いは何ですか?」
⑤ リスクに関する質問
「この方法で問題が起こる可能性はありますか?」
⑥ 今後の進め方に関する質問
「次に何を確認すればよいですか?」
ChatGPTには、
「この提案内容について、技術、費用、納期、比較、リスク、次の進め方の6分野から想定質問を作成してください」
と依頼できます。
質問の種類を整理すると、準備すべき資料や確認事項を見つけやすくなります。
11.質問の意味が分からないときは聞き返していい
質疑応答では、質問の意図が分からない場合もあります。
例えば、
「この方法で大丈夫ですか?」
と聞かれたとします。
しかし、「大丈夫」が何を意味しているのか分かりません。
性能でしょうか。
費用でしょうか。
納期でしょうか。
そこで、
「どの点についてご確認でしょうか。性能、費用、納期のいずれについてでしょうか」
と確認する方法があります。
ChatGPTには、
「曖昧な質問を受けたとき、相手の意図を失礼なく確認する聞き返し方を練習したいです」
と依頼できます。
相手の質問を正しく理解することは、正しい回答をするための第一歩です。
12.説明が長くなりすぎたら?
プレゼンでは、詳しく説明しようとして話が長くなることがあります。
例えば、お客様から、
「A案とB案の違いは何ですか?」
と質問されたとします。
そこで、加工技術の歴史や材料の一般的な説明から始めると、肝心の違いが伝わりにくくなるかもしれません。
そんなときは、まず質問に答えることを意識します。
例えば、
「今回の比較では、初期費用と数量に応じた総費用の違いが主なポイントです」
と説明します。
その後、必要に応じて詳しい条件を補足します。
ChatGPTには、
「この回答を、最初に結論、次に理由、最後に必要な条件を説明する順番へ整理してください。重要な注意点は削除しないでください」
と依頼できます。
短く話すことだけが目的ではありません。
聞き手が理解しやすい順番を考えることが大切です。
13.音声を使ったプレゼン練習
ChatGPTには、対応する環境で音声による会話機能があります。
これを使えば、文字を入力するだけでなく、実際に話しながら練習することもできます。
例えば、
「これからプレゼンの練習をします。私が説明を終えるまで聞いてください。その後、お客様役として質問してください」
と依頼します。
音声で練習すると、文章を読む場合とは異なる発見があるかもしれません。
例えば、説明が長くなりすぎる部分や、言葉に詰まる部分に気づくことがあります。
ただし、音声機能の利用方法や利用できる範囲は、プランやアプリによって異なります。
また、AIが音声から話し方を正確に評価できる範囲にも限界があります。
発表時間や説明内容など、実際に確認できることを中心に改善しましょう。
14.自分の説明を文字にして見直す
プレゼンを練習した後、話した内容を文字にして確認する方法もあります。
例えば、音声入力や文字起こし機能を利用して、発表内容を文章にします。
そしてChatGPTへ、
「この発表内容について、同じ説明を繰り返している部分、結論が分かりにくい部分、重要な条件が不足している部分を整理してください」
と依頼します。
ただし、文字起こしには誤変換が含まれる場合があります。
特に、製品名、材料名、数値、専門用語などは注意が必要です。
文字起こしの内容を元の発表と照合してから、改善案を考えましょう。
15.お客様から厳しい質問を受けた場合
プレゼンでは、厳しい質問を受けることもあります。
例えば、
「この提案には、どのような根拠があるのですか?」
「本当に費用を抑えられるのですか?」
「以前の方法と比べて、何が改善するのですか?」
といった質問です。
このとき、無理に自分の提案を正当化する必要はありません。
まず、質問の内容を理解し、根拠となる資料を確認します。
例えば、費用について質問された場合は、試算条件を説明します。
「今回の費用比較は、一定の初期費用と1個あたり費用を仮定した試算です。実際の価格は、正式な加工条件を確認してから判断する必要があります」
と説明することが考えられます。
ChatGPTには、
「お客様から厳しい質問を受けたとき、感情的にならず、事実と仮定を区別して答える練習をしたいです。提案内容の弱点についても質問してください」
と依頼できます。
16.ChatGPTに改善点を整理してもらう
プレゼン練習が終わったら、改善点を振り返りましょう。
例えば、次のような観点です。
① 目的が伝わったか
何を提案する発表なのか明確だったか。
② 説明の順番が適切か
聞き手が理解しやすい順番になっているか。
③ 専門用語が分かりやすいか
必要な説明を補っているか。
④ 数字と条件が正しいか
仮定と実績を区別しているか。
⑤ 質問へ答えられたか
質問の意図を理解して回答できたか。
⑥ 分からないことを適切に扱えたか
根拠のない回答をしていないか。
ChatGPTには、
「今回のプレゼン練習について、分かりやすかった点、改善候補、実際の資料で確認が必要な点に分けて整理してください」
と依頼できます。
ただし、AIが評価できるのは、実際に受け取った説明や資料の範囲です。
見ていない表情や会場の反応まで、確認済みとして扱うことはできません。
17.プレゼンの練習でよくある失敗
プレゼンの練習では、次のような問題が起こる場合があります。
① 原稿を暗記することだけに集中する
質問が入ると、話の流れが分からなくなる場合があります。
② AIの作った説明を理解せずに使う
自分で説明できない専門用語や数字が含まれる可能性があります。
③ 想定質問の答えを丸暗記する
少し違う質問を受けたときに対応しにくくなる場合があります。
④ 時間を測らない
予定時間を超えてしまう可能性があります。
⑤ 分からない質問にも答えようとする
確認していない内容を約束してしまう場合があります。
そこで、原稿を覚えるだけでなく、何を伝えたいのか理解することが重要です。
18.今日のミニレッスン
今回は、架空の試作提案を使って、ChatGPTとプレゼンの練習をしましょう。
ステップ① プレゼンの条件を決める
ChatGPTに次のように入力してください。
「樹脂製ブラケットの試作方法について、お客様へ10分間のプレゼンを行います。6枚のスライドを使い、試作条件、製作方法の比較、費用、未確認事項、次の進め方を説明します。発表の目的を整理してください」
ステップ② 発表原稿を作る
「この6枚のスライドについて、各ページで説明する短い発表原稿を作成してください。確認していない性能や費用を断定しないでください」
と依頼します。
ステップ③ 時間配分を考える
「10分間の説明時間を6枚のスライドへ配分してください。重要な比較内容に時間を使えるようにしてください」
と質問します。
ステップ④ 想定質問を作る
「お客様から質問される可能性がある内容を10個作成してください。技術、費用、納期、リスク、次の進め方を含めてください」
と依頼します。
ステップ⑤ お客様役になってもらう
「これから質疑応答の練習をします。あなたはお客様役として質問を一つずつしてください。私が回答したら、分かりにくい部分や追加確認が必要な点を指摘してください」
と入力します。
ステップ⑥ 厳しい質問にも挑戦する
「今度は、お客様が提案の根拠や費用について厳しく確認する場面を想定してください。ただし、実際に確認できていないことを正解として要求しないでください」
と依頼します。
ステップ⑦ 分からない場合の対応を練習する
「使用材料の耐久性について、現時点で回答できない質問を一つ出してください。推測せず、必要な確認事項を伝える練習をします」
と質問します。
ステップ⑧ 改善点を整理する
最後に、
「今回の質疑応答を振り返り、説明の分かりやすさ、質問への対応、数字の扱い、未確認事項の伝え方について改善候補を整理してください」
と依頼しましょう。
これで、発表原稿の作成から時間配分、質疑応答、改善まで一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
プレゼンテーションというと、堂々と話すことや、上手に説明することが大切だと思われがちです。
もちろん、聞き取りやすい話し方も重要です。
しかし、私は、それだけでは十分ではないと考えています。
お客様は何を知りたいのか。
どのような判断をしようとしているのか。
説明した内容に、根拠はあるのか。
そして、分からないことを質問されたとき、正しく対応できるのか。
そうしたことが、プレゼンテーションの信頼につながります。
ChatGPTは、発表原稿を作成し、説明の順番を整理し、質問の練習相手になることができます。
しかし、AIが作成した回答を暗記するだけでは、実際の質問に対応できるとは限りません。
大切なのは、自分が説明している内容を理解し、質問の意味を考え、必要な情報を確認することです。
分からないことがあれば、無理に答える必要はありません。
その場で確認できないことは、確認が必要だと伝えることも、誠実な対応の一つです。
よいプレゼンテーションとは、上手に話すことだけではありません。聞く人が内容を理解し、安心して質問し、必要な判断ができるようにすることです。
次回【第69回】は「ChatGPTで商談の準備をする方法|お客様の情報整理・質問設計・ヒアリング・次の行動を考えよう」です。
次は、実際のお客様との商談に向けて、何を準備し、どんな質問をすればよいのかを学びましょう。