ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第34回】ChatGPTで企画書を作る方法|アイデアを具体的な計画に変える実践講座
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使ってアイデアを生み出し、異なる視点から検討し、実現可能性を考える方法を学びました。
今回は、そのアイデアを「企画書」という形にまとめてみましょう。
「アイデアはあるけれど、うまく説明できない」
「新商品の企画書を作りたい」
「上司や同僚に提案したいけれど、何を書けばいいの?」
「費用や実行計画を、どう整理すればいいのか分からない」
そんなとき、ChatGPTは企画書の構成を考えたり、必要な情報を整理したりする手助けができます。
ただし、見た目が整った企画書を作れたからといって、その企画が実現できるとは限りません。
今回は、アイデアを人に伝え、実際に検討できる計画へ近づける方法を学びましょう。
1.企画書とは何でしょうか?
企画書とは、何かを実現するための目的や方法、必要な条件などを整理した文書です。
例えば、新商品の開発、社内イベント、業務改善、新しいサービスの開始など、さまざまな場面で使われます。
企画書で重要なのは、単に「こんなことをしたい」と説明することではありません。
次のような疑問に答えられる内容にすることです。
- なぜ、この企画が必要なのか
- 誰のための企画なのか
- どのような価値があるのか
- どうすれば実現できるのか
- 何が必要なのか
- どんな問題が考えられるのか
- 何を確認すれば次へ進めるのか
これらを整理することで、企画について具体的に話し合えるようになります。
2.企画書を作る前にChatGPTへ相談しよう
初心者の方が企画書を作る場合、最初から文章を書き始める必要はありません。
まず、ChatGPTに企画の内容を整理してもらいましょう。
例えば、次のように入力します。
「新しい商品の企画書を作りたいです。まだアイデア段階なので、目的・対象者・商品の特徴・必要な費用・実現方法を整理するために、一つずつ質問してください」
すると、ChatGPTが必要な情報を確認する質問を考えてくれます。
例えば、
「どんな困りごとを解決したい商品ですか?」
「誰が使うことを想定していますか?」
「既存の商品と何が違いますか?」
といった質問です。
ここで大切なのは、まだ決まっていないことを無理に決めないことです。
分からないことは「未定」、調査が必要なことは「要確認」として整理しましょう。
3.実践例|新しいペンケースの企画書を作ろう
今回は、架空の新商品として「机の上で使いやすいペンケース」を考えます。
想定するアイデアは、持ち運ぶときは一般的なペンケースとして使い、机の上では立てて使える収納用品です。
ただし、このような機能を持つ商品は、すでに市場に存在する可能性があります。
今回は新規性を主張するのではなく、企画書の作り方を学ぶための練習として扱います。
ChatGPTに次のように入力してみましょう。
「持ち運ぶときはペンケース、机の上では立てて使える収納用品を企画しています。企画書の構成を考えてください。既存商品との比較や市場調査はまだ行っていないので、新規性や需要を断定しないでください」
これを出発点に、内容を具体化していきます。
4.企画書の基本構成を考える
企画書の形式に、必ず守らなければならない一つの決まりがあるわけではありません。
しかし、初心者の方には、次の8項目から始めることをおすすめします。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 企画名 | 何を提案するのか |
| 背景・目的 | なぜ必要なのか |
| 対象者 | 誰に使ってほしいのか |
| 企画内容 | 何を実現するのか |
| 期待する価値 | どんな便利さがあるのか |
| 実現方法 | どう作り、提供するのか |
| 費用・日程 | 何がどれだけ必要なのか |
| 課題・検証 | 何を確認する必要があるのか |
この構成は、新商品だけでなく、社内の改善提案などにも応用できます。
ただし、実際の企画では、業種や提案先に合わせて必要な項目を調整しましょう。
5.企画の背景と目的を整理する
まず考えたいのは、なぜその商品を企画するのかということです。
今回のペンケースであれば、
「机の上に文房具を広げずに、必要なものを取り出しやすくしたい」
という発想が考えられます。
しかし、これだけでは、実際に多くの人が困っているのか分かりません。
そこで、企画書では次のように区別します。
企画の着想
机の上で使いやすい収納用品を考えたい。
想定する課題
一般的なペンケースでは、机上で必要な文房具を探しにくい場合があるのではないか。
確認すること
利用者が実際にどのような不便を感じているか、既存商品で解決できていないか。
このように書けば、調査前の仮説を事実として断定せずに済みます。
ChatGPTには、
「企画の背景について、確認できている事実、仮説、今後調査すべきことを分けて整理してください」
と依頼してみましょう。
6.誰のための商品なのかを考える
次に、対象となる利用者を考えます。
例えば、学生、会社員、在宅勤務をする人などです。
しかし、「学生向け」と決めただけでは、まだ十分ではありません。
どのような場面で使うのかを考えてみましょう。
例えば、
「学校と自宅の両方で使う」
「机のスペースが限られている」
「必要な文房具をすぐ取り出したい」
といった利用場面です。
ChatGPTには、
「このペンケースを利用する可能性がある人を、年齢や職業だけでなく、利用場面と困りごとから整理してください」
と質問できます。
ただし、AIが考えた利用者像は、実際の調査結果ではありません。
商品化を検討するなら、想定する利用者に話を聞き、使い方を観察することも重要です。
7.商品の特徴と価値を整理する
企画書では、商品の特徴と、利用者にとっての価値を区別しましょう。
例えば、
特徴:立てて使える構造
これは商品の機能です。
期待する価値:文房具を取り出しやすくなる
これは利用者にとっての便利さです。
ただし、実際に取り出しやすくなるかどうかは、試作品などで確かめる必要があります。
ChatGPTには、
「商品の特徴と、それによって期待できる利用者のメリットを分けて表にしてください。検証が必要な効果は断定しないでください」
と依頼します。
例えば、次のように整理できます。
| 商品の特徴 | 期待する価値 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 立てて使える | 文房具を取り出しやすい | 使用テスト |
| 折りたためる | 持ち運びしやすい | 収納・携帯テスト |
| 仕切りがある | 中身を整理しやすい | 収納テスト |
| 底面が安定する構造 | 机上で倒れにくい | 安定性テスト |
このように整理すると、商品開発で確かめるべき項目も明確になります。
8.企画の実現方法を考える
商品アイデアがまとまったら、どうすれば実現できるのかを考えます。
例えば、次のような項目です。
- 必要な機能を決める
- 構造や形状を検討する
- 使用する材料を選ぶ
- 試作品を作る
- 使いやすさを確認する
- 必要な修正を行う
- 製造方法を検討する
ChatGPTには、
「この商品を試作するまでに必要な作業を整理してください。前の作業が終わらないと進められない工程と、並行できる工程を分けてください」
と依頼できます。
ただし、AIが提案する製造方法や材料が、実際に適しているとは限りません。
材料特性、加工方法、安全性、費用などについては、技術資料や実際の試作で確認する必要があります。
9.企画に必要な費用を整理する
企画書では、費用についても考える必要があります。
ただし、まだ試作方法が決まっていない段階で、正確な費用を算出することは困難です。
そこで、最初は費用の項目を整理しましょう。
例えば、今回の商品なら、
① 設計費用
構造や形状を考えるための費用。
② 試作費用
試作品の材料や加工に必要な費用。
③ 評価費用
強度や使いやすさなどを確認する費用。
④ 製造準備費用
量産方法や必要な設備を検討する費用。
⑤ 販売準備費用
商品写真、パッケージ、販売資料などの費用。
ChatGPTには、
「この商品の企画を進めるために必要な費用項目を整理してください。実際の見積もりはまだないので、金額を勝手に設定しないでください」
と依頼します。
この段階では、費用を正確に計算するより、何にお金が必要になるかを把握することが重要です。
10.企画のスケジュールを考える
費用と同じように、企画を進める日程も整理します。
例えば、
① 利用者の困りごとを調べる。
② 必要な機能を整理する。
③ 構造と材料を検討する。
④ 試作品を作成する。
⑤ 使用テストを行う。
⑥ 課題を確認して改良する。
⑦ 次の段階へ進むか判断する。
という流れです。
ChatGPTには、
「この企画について、調査から試作評価までの実施計画を考えてください。必要な作業と、次へ進むための判断条件を整理してください。期間が不明な場合は仮の数字を確定事項として扱わないでください」
と依頼します。
実際の期間は、試作内容、必要な設備、人員、外部への依頼などによって変わります。
計画を作成した後も、実際の条件に合わせて見直しましょう。
11.企画のリスクを考える
新しい企画を進めるときには、うまくいかない可能性も考える必要があります。
例えば、次のような問題です。
① 利用者の需要がない
便利だと思っていても、実際には必要とされない可能性があります。
② 製造費用が高すぎる
販売価格に対して、製造費用が見合わないかもしれません。
③ 使いやすさに問題がある
試作してみると、思っていたほど便利でない場合があります。
④ 既存商品と差別化できない
すでに似た商品が販売されている可能性があります。
⑤ 権利関係の問題
既存の特許や意匠などに関係する可能性があります。
ChatGPTには、
「この企画がうまくいかないとしたら、どのような原因が考えられますか?発生する可能性のある問題と、事前に確認する方法を整理してください」
と質問できます。
ただし、AIが考えたリスクのすべてが実際に発生するわけではありません。
重要度や確認の必要性を判断しましょう。
12.企画書を実際の文章にまとめる
ここまでで、企画に必要な要素が整理できました。
次は、ChatGPTに企画書の文章を作成してもらいましょう。
例えば、
「ここまで整理した内容を使って、新しいペンケースの企画書を作成してください。企画名、背景、対象者、商品の特徴、期待する価値、実現方法、費用項目、スケジュール、リスク、今後の検証事項を含めてください。未確認の情報は断定しないでください」
と依頼します。
企画書が表示されたら、一つずつ内容を確認しましょう。
特に注意したいのは、もっともらしい数字や表現です。
例えば、
「市場規模は年間100億円」
「利用者の80%が必要としている」
「製造費用は1個200円」
といった説明があったとしても、実際に調査や見積もりを行っていなければ、根拠のない数字です。
そのような情報は削除するか、確認が必要な項目として整理しましょう。
13.ChatGPTに企画書の問題点を指摘してもらう
企画書が完成したら、そのまま提出するのではなく、内容を見直しましょう。
ここで便利なのが、ChatGPTに批判的な立場から検討してもらう方法です。
例えば、
「あなたが企画の審査担当者だと仮定してください。この企画書を読んで、不足している情報、根拠が弱い部分、実現可能性に関する疑問を指摘してください」
と依頼します。
さらに、
「この企画を進める前に、必ず確認すべきことを重要な順番に整理してください」
と追加します。
こうした質問によって、自分では気づかなかった問題点が見つかる場合があります。
ただし、ChatGPTの指摘も一つの参考意見です。
AIの判断だけで企画を採用したり、中止したりする必要はありません。
14.企画書と事業計画書はどう違うの?
ここで、似た言葉の違いも覚えておきましょう。
企画書
新しい商品や取り組みについて、目的、内容、実現方法などを提案する文書です。
事業計画書
事業として成立させるために、売上、費用、利益、資金、実行体制などを、より具体的に整理した文書です。
例えば、新しいペンケースの企画書を作った段階では、商品の方向性を検討している状態かもしれません。
実際に販売する事業として進める場合には、販売数量、原価、販売価格、必要資金なども検討する必要があります。
もちろん、企画書にも費用や収益の見通しを含めることがあります。
両者の違いは完全に固定されたものではなく、文書の目的や使われる場面によって変わります。
大切なのは、誰が何を判断するために読む文書なのかを考えることです。
15.今日のミニレッスン
今回は、ChatGPTと一緒に新しい商品の企画書を作成しましょう。
ステップ① 商品のアイデアを伝える
次のように入力してください。
「持ち運ぶときはペンケース、机の上では立てて使える収納用品を企画しています。企画書を作りたいので、必要な情報を一つずつ質問してください」
ステップ② 企画の目的を整理する
ChatGPTから質問が返ってきたら、自分が考えた内容を答えてみましょう。
分からないことは、無理に決める必要はありません。
ステップ③ 企画書の構成を作る
「ここまでの情報を整理し、企画書の構成を提案してください。確認済みの情報と未確認の情報を区別してください」
と依頼します。
ステップ④ 費用と実行計画を整理する
「この企画を試作するために必要な費用項目と作業工程を整理してください。金額や日程は勝手に決めないでください」
と質問します。
ステップ⑤ 企画書を作成する
「これまでの内容を使って、読みやすい企画書を作成してください。確認できていないことは『要確認』と記載してください」
と依頼します。
ステップ⑥ 企画の問題点を確認する
最後に、
「この企画書を読んだ人から出そうな質問を10個考えてください。企画を進める前に確認すべき重要な問題も指摘してください」
と質問します。
できあがった企画書を読み返し、自分の考えが正しく伝わる内容になっているか確認しましょう。
ソラ先生からひとこと
新しい企画を考えるとき、最初からすべての答えがそろっている必要はありません。
むしろ、分からないことが多い状態から始まる場合もあります。
大切なのは、何が分かっていて、何がまだ分かっていないのかを整理することです。
ChatGPTは、企画の構成を考えたり、必要な情報を質問したり、異なる視点から問題を指摘したりする手助けができます。
しかし、AIが作った企画書に書かれていることが、すべて実現できるとは限りません。
実際に調べ、試作し、評価しながら、少しずつ計画を具体化することが必要です。
企画書は、立派な文章を作るためのものではありません。アイデアを具体的な行動と判断につなげるための道具です。
次回【第35回】は「ChatGPTで市場調査をする方法|競合商品・顧客ニーズ・価格・情報の信頼性を調べよう」です。
今回考えた商品が、実際の市場でどのような可能性を持っているのかを調べる方法を学びます。