AIに任せる仕事と、人が判断する仕事
AIという言葉を聞く機会が増えました。
文章の作成、情報の整理、データの分析、資料づくりなど、これまで人が時間をかけていた仕事にも、AIを活用できる可能性が広がっています。
製造業でも、営業事務、生産管理、品質管理、設計、製造技術など、さまざまな仕事で活用方法を考えることができます。
しかし、AIでできることが増えたからといって、何でも任せればよいというわけではありません。
大切なのは、AIが得意な仕事と、人が判断する必要のある仕事を区別することだと思います。
例えば、営業事務の仕事。
お客様から届いた情報を整理したり、メールの文章を作成したり、複数の資料から必要な項目を抜き出したりする作業があります。
こうした仕事では、AIが作業を補助できる場合があります。
一方で、作成された内容が正しいかどうかは、確認しなければなりません。
図面番号、数量、材質、納期、金額など、間違えてはいけない情報があります。
AIが整った文章を作成しても、内容が正しいとは限りません。
特に、製造業では一つの数字の違いが、製品の品質や製作工程に影響することがあります。
文章が自然で読みやすいことと、仕事に必要な情報が正確であることは別の問題です。
製造現場でも同じです。
AIから加工方法や材料について情報を得ることはできます。
しかし、その情報が実際の加工設備や製品の使用環境に適しているかどうかは、別途確認する必要があります。
材料の特性、寸法公差、加工条件、品質、コスト、納期。
さまざまな条件を考え、必要に応じて検証することが欠かせません。
また、お客様が本当に困っていることは、図面や文章だけでは十分に分からない場合があります。
そんなときには、直接話を聞き、目的や条件を理解する必要があります。
AIは、情報を集めたり、考えを整理したりする手助けになります。
しかし、お客様への責任まで引き受けてくれるわけではありません。
(株)アリスは、自社加工と国内協力会社の技術を組み合わせながら、研究開発から生産現場までのものづくりに関わっています。
必要な技術や知識があれば、社内外を問わず活用する。
その考え方は、デジタル技術についても同じです。
新しい道具を使うこと自体を目的にするのではなく、仕事のどの部分に役立つのかを考える。
便利なものは活用しながら、正確性や品質に関わる判断は人が責任を持つ。
AIと人の役割を考えることは、これからのものづくりをよりよくしていくための大切な課題だと思います。