長髄彦は、なぜ饒速日を受け入れたのか
2013.05.22
長髄彦という人物を考える時、私はまず「なぜ饒速日さまを受け入れたのか」が気になります。
外から来た集団です。
しかも、ただ旅をしてきた数人ではなく、技術や人を伴ったまとまりだったと考えるなら、受け入れる側にも覚悟が必要だったはずです。
土地を分ける。
仕事を任せる。
人を交わらせる。
場合によっては、妹を嫁がせる。
これは簡単なことではありません。
それでも長髄彦は、饒速日さまたちと関係を結んだ。
そこには、利用価値だけではない何かがあったのではないでしょうか。
技術が役に立った。
人柄を見た。
約束を守る姿を見た。
一緒に暮らしていけると判断した。
そんな積み重ねがあったからこそ、家族になるところまで進んだのかもしれません。
私は、ここに長髄彦の懐の深さを感じます。
外から来た人間だから排除するのではなく、まず見て、関わって、その人たちが何をするのかで判断する。
もしそうだったのなら、かなり現実的な人物です。
そして饒速日さまたちの側も、受け入れてもらっただけではなく、その信頼に応える必要があったはずです。
だから技術を使い、働き、土地に貢献した。
受け入れる側と、受け入れられる側。
どちらか一方だけでは関係は続きません。
人と人との信頼は、言葉より、その後の行動でつくられていく。
長髄彦と饒速日さまの関係を見ていると、私はそんなことを考えます。
歴史の中では敵味方で整理されがちですが、その前にはきっと、一緒に暮らした時間があった。
その時間を想像すると、二人の関係はもっと人間らしく見えてきます。
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