透明樹脂を削る。透明度と寸法精度を両立する難しさ。
透明なプラスチック樹脂を切削加工すると、加工した表面が白く曇って見えることがあります。
例えば、ポリカーボネートやアクリル、ポリメチルペンテンなどの透明樹脂です。
材料そのものは透明でも、切削加工によって表面に微細な凹凸や加工痕が生じると、光が散乱し、透明度が低下します。
加工後の表面が、すりガラスのように見えることもあります。
このような状態を改善するためには、研磨や透明化処理などが必要になる場合があります。
しかし、ここに透明樹脂加工の難しさがあります。
表面を磨けば、透明度を高めることはできます。
一方で、磨くという行為は、わずかであっても材料を取り除く作業です。
そのため、研磨の方法や量によっては、完成した形状や寸法が変化する可能性があります。
特に、曲面や微細形状を持つ部品では、加工後の表面処理による形状変化が問題になる場合があります。
そこで(株)アリスが大切にしているのが、切削加工の段階で、できる限り良好な表面をつくることです。
工具の状態、加工条件、材料の固定方法、加工工程。
これらを適切に組み合わせることで、切削加工後に必要となる表面処理を減らすことを目指しています。
重要なのは、透明度だけを追求することではありません。
お客様が必要としている形状や精度を保ちながら、求められる透明性を実現することです。
透明部品の用途によって、必要な条件は異なります。
内部の流れや動きを観察するための可視化部品と、光を通したり導いたりするライティング部品では、重視する性能が違う場合があります。
さらに、光学用途では、形状精度に加えて、表面状態や光学的な特性についても検討が必要になります。
そのため、製作前には使用目的や必要な透明度、寸法精度などを確認することが大切です。
透明にするだけではなく、正確な形を守りながら透明にする。
(株)アリスは、機械加工と表面処理の両面から、この課題に取り組んできました。
透明樹脂の精密加工は、材料の特性と加工技術の両方を理解することが求められるものづくりです。