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神格化は、歴史を隠したのか。それとも守ったのか

2014.05.16

歴史上の人物が、後世に神として祀られることがあります。

ここで一つ問題が起こります。

神になった瞬間、その人間らしい部分が消えていくことがあります。

怒る。

迷う。

失敗する。

誰かを愛する。

怖がる。

そういう人間の部分が削られ、立派な神様になってしまう。

だから神格化は、歴史を分かりにくくすることがあります。

でも、逆の見方もできます。

神にしたから、名前が残った。

もし普通の人間として記憶されていたら、千年後まで名前が残らなかったかもしれない。

神社を建てる。

祭りを続ける。

毎年名前を呼ぶ。

子どもにも教える。

そうすることで人物の記憶が保存される。

つまり神格化は、

歴史をぼかす装置であると同時に、

歴史を保存する装置でもあった可能性があります。

饒速日もそうです。

長髄彦に関わる伝承もそうです。

アテルイやモレも、地域によっては英雄に近い存在として記憶されています。

本人そのものは見えにくくなる。

でも名前は消えない。

これはかなり重要だと思います。

神話になった人物を調べる時は、

「これは神話だから史実ではない」

だけで終わるのではなく、

「なぜこの人物は神話にしなければ残らなかったのか」

と考える。

その方が、ずっと深いところまで行ける気がします。

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