印旛沼のまわりには、別々の神々が暮らしている
2014.04.10
印旛沼周辺の神社を地図に置いていくと、面白いことに気づきます。
麻賀多神社だけではありません。
鳥見神社。
宗像神社。
それぞれが、ある程度まとまった地域に分布しています。
鳥見神社は、印西市、白井市、柏市に21社まとまって残っています。祭神として饒速日尊、御炊屋姫尊、宇麻志麻治尊を祀る社があり、小林の鳥見神社はその総社と伝えられています。しかも周辺には古墳群や古代集落の跡も確認されていて、この一帯が古くから人の集まる地域だったことが分かります。印西市公式サイト
一方、宗像神社も印西・白井周辺にまとまって存在します。こちらは市杵島姫命、湍津姫命、田心姫命という宗像三女神を祀り、航海や治水に関わる信仰を持っています。印西市周辺には13社があるとされています。印西市公式サイト
ここで面白いのは、同じ印旛沼周辺なのに、全部が麻賀多神社になっているわけではないことです。
同じ水を使いながら、祀る神が違う。
これは何を意味するのでしょう。
単純に時代が違うのかもしれない。
後世に別の地域から信仰が入ってきたのかもしれない。
あるいは、もともと別々の集団が同じ水域を共有していたのかもしれない。
まだ答えは出ません。
でも私は、ここに「古代の地域社会」を見る手がかりがある気がします。
一つの巨大な国があり、その中に同じ神が広がったというより、複数の地域社会がそれぞれの祭祀を持ちながら、同じ湖や川を使って暮らしていた。
そんな景色です。
今の県境や市境を消し、昔の水面だけを戻してみる。
すると神社の分布が、行政区分ではなく、人間の生活圏として見えてきます。
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