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本宮は怖く、奥宮はやさしかった

2014.04.09

同じ麻賀多神社なのに、台方の本宮と船形の奥宮では、私が受ける感じがまったく違います。

本宮へ行くと、少し緊張します。

怖いという言葉が正しいかどうかは分かりません。でも空気が張っているように感じることがあります。

一方、奥宮は違います。

森に入った時から、どこかやさしい。

静かで、包まれるような感じがします。

これは神社の力を証明する話ではありません。

場所によって森の密度も違う。

光の入り方も違う。

地面の湿り方も違う。

風の抜け方も違う。

人間はそうした細かな環境の違いを、意識しないまま身体で感じています。

でも、それだけでしょうか。

私は無理に答えを出さなくてもいいと思っています。

古代の人も同じ場所に立っています。

同じ森を見たわけではありませんが、同じ土地の上で風を感じ、水を見て、木を見ていました。

その人たちが「ここは特別だ」と感じた場所に祭祀が生まれた可能性もあります。

宗教という大きな言葉を使う前に、人間にはまず感覚があります。

気持ちいい場所。

怖い場所。

落ち着く場所。

入りたくない場所。

なぜかもう一度行きたくなる場所。

そうした感覚の積み重ねから、聖地が生まれたこともあったのではないでしょうか。

麻賀多神社には、古墳も、水の記憶も、国造の伝承も、日月神示もあります。

でも、それらを全部説明した後でも残るものがあります。

その場所に立った人間が何を感じたのか。

歴史書にはほとんど残らない部分です。

けれど昔の人間も、私たちと同じように風を感じ、光を見ています。

そこまで想像すると、麻賀多神社の歴史は少しだけ人間に近づいてくる気がします。

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