古社のそばに「津」が残るのは、偶然なのか
2014.03.21
古い神社を調べていると、「津」という地名に何度も出会います。
津宮。
大船津。
下津。
どれも鹿島・香取の近くに残る地名です。
「津」は、船が出入りする場所、つまり港や船着場を意味します。
ここで一度、神社を中心に見るのをやめます。
まず津があった。
船が着く。
人が降りる。
荷物を積み替える。
情報が集まる。
そこから陸へ上がり、集落や祭祀の場所へ向かう。
そう考えると、古社の位置が急に人間の動きとして見えてきます。
香取神宮には、利根川沿いの津宮鳥居河岸があります。ここは後世まで香取神宮への表参道口として使われ、船で来た人々がここから神宮へ向かいました。今でも川岸に鳥居が残っています。香取市公式サイト
鹿島側にも「大船津」という地名があります。
この「津」は港を意味し、鹿島神宮の船着き場、水上交通の中継地として機能してきた場所です。さらに「下津」という地名にも、鹿島の下にある津、つまり船が出入りする場所だったとする考え方が残っています。鹿嶋市ホームページ
ここまで揃うと、鹿島と香取を山の上にある二つの神社として見るだけでは足りません。
その下に港がある。
水路がある。
船が動く。
そして祭祀がある。
むしろ神宮と津を一組として見た方が、古代の姿には近いのかもしれません。
現代では参道を歩いて神社へ向かいます。
でも昔の人には、
船で近づく。
津へ入る。
岸へ上がる。
そこから神へ向かう。
という参拝の景色があったはずです。
神社への入口は、鳥居だけではなかった。
その前に、水の入口があった。
私はここがとても面白いと思います。
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