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日本の自然は、人が育てた自然だった

2013.08.26

日本の自然を見ると、昔からそこにあったものだと思いがちです。

でも私は、そうではない場所もかなり多いと思っています。

大阪湾の跡地。
奈良湖の跡地。
湿地だった場所。
川が何度も氾濫した土地。

そこに人が住むためには、ただ自然に任せていては暮らせません。

水路を掘る。
土を盛る。
水をためる。
田畑をつくる。
木を植える。
森を育てる。

それを一代でやったわけではありません。

何十年、何百年と、親から子へ、またその子へと引き継ぎながら、
少しずつ住みやすい土地に変えていった。

里山もそうです。

人が木を使い、また育てる。
水を守る。
食べ物を取る。
動物とも同じ場所で暮らす。

完全な人工物でもなければ、完全な原生自然でもない。

人と自然の共同制作です。

古墳の森や鎮守の森も、そんな場所だったのではないかと思っています。

木は一日では育ちません。

森になるまで大切に守るには、その土地で暮らす人たちが
「次の世代にも残そう」と思わなければ続きません。

だから昔の人にとって、自然はただ利用するものではなかった。

水をもらう。
食べ物をもらう。
木材をもらう。
木陰で休ませてもらう。

そして、自分たちも手を入れて守る。

その積み重ねが、日本の風景になった。

私は、日本の自然の中には、昔の人たちが何世代もかけて残してくれた仕事が、
今も生きていると思っています。

自然を守るというより、自然と一緒に暮らしやすい場所を育ててきた。

それが、日本の古い知恵だったのではないでしょうか。

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