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レオナルド・ダ・ヴィンチさま|天才は、最初から天才だったのか?

2013.05.11

レオナルド・ダ・ヴィンチには、いつも「天才」という言葉がついてきます。

確かに、残したものを見るとそう呼びたくなります。

絵画、人体、機械、飛行、水、植物、建築。

これだけ違う世界に入り込み、500年以上たった今でも私たちを驚かせています。

でも「天才だったから」で終わらせてしまうと、少しつまらない。

なぜなら、ダ・ヴィンチの手稿には、天才らしくないものもたくさん残っているからです。

分からないこと。

途中の考え。

描き直した跡。

実現しなかった機械。

間違った考え。

調べたいこと。

まだ答えのない疑問。

完成した答えだけを持っていた人には見えません。

分からないから調べる

天才というと、一度見ただけで全部分かる人を想像します。

でもダ・ヴィンチは、ものすごく調べています。

人体が分からないから解剖する。

鳥が飛ぶ仕組みが分からないから観察する。

水の動きが分からないから描く。

機械の構造を考えるために、何度もスケッチする。

もし最初から全部分かっていたなら、こんなことをする必要はありません。

分からない。

だから見る。

それでも分からない。

だからもっと見る。

私は、このしつこさの方が「天才」という言葉より面白いと思います。

才能だけなら、手稿はいらない

ダ・ヴィンチには、もちろん特別な才能があったのでしょう。

絵を描く能力も、空間を捉える力も、記憶力も、発想力も、普通ではなかったのだと思います。

でも才能だけで全部できたのなら、あれほど大量のメモを残す必要があったのでしょうか。

描く。

書く。

比べる。

直す。

また考える。

そこには、かなり地味な作業があります。

私たちは完成した『モナ・リザ』を見ます。

でも、その一枚の向こう側には、膨大な観察と試行錯誤があります。

完成品だけを見ると天才に見える。

途中を見ると、仕事をしている人に見える。

私は後者のダ・ヴィンチの方が好きです。

好奇心だけでも足りない

「好奇心が大切」と言うのは簡単です。

面白い。

知りたい。

やってみたい。

そこで終わることもできます。

ダ・ヴィンチが違ったのは、その先まで行ったことではないでしょうか。

気になったら見る。

分からなければ調べる。

必要なら解剖までする。

描いて確かめる。

別のものと比べる。

そしてまた考える。

好奇心を行動まで持っていく。

ここには才能とは別の力があります。

天才を特別な人にしてしまうと

「あの人は天才だから」

これは便利な言葉です。

自分とは違う人にできます。

ダ・ヴィンチだからできた。

アインシュタインだからできた。

イチローだからできた。

そう考えれば、そこで話は終わります。

もちろん、同じことをすれば同じ人になれるわけではありません。

才能も環境も時代も違います。

でも、

よく見る。

疑問を持つ。

調べる。

分けて考える。

記録する。

試す。

失敗したら理由を考える。

別のところへ応用する。

これは天才だけに許された方法ではありません。

誰でも少しはできます。

天才になる必要はない

ダ・ヴィンチと同じような人になる必要はありません。

そんなことはできません。

でも、ダ・ヴィンチが使っていた考え方の一つくらいなら使えます。

分からないものに出会ったとき、

「知らないから無理」

ではなく、

「どうなっているんだろう?」

と一度見る。

それだけでも次の行動が変わります。

調べるかもしれない。

誰かに聞くかもしれない。

試すかもしれない。

失敗するかもしれない。

そして、一つ分かる。

その繰り返しです。

500年前の天才から持って帰るもの

ダ・ヴィンチについていろいろ調べてきました。

すごい発明もありました。

美しい絵もありました。

驚くような人体研究もありました。

でも最後に私が持って帰りたいのは、作品でも発明でもありません。

分からないものを、分からないままにしなかった姿勢。

才能は借りることができません。

でも、考え方は少し借りることができます。

天才になる必要はない。

昨日まで分からなかったことが、今日一つ分かればいい。

そして明日、また一つ考える。

株式会社アリスも、最初から何でもできた会社ではありません。

知らない仕事に出会い、考え、試し、失敗し、覚えてきました。

これからも知らないものには出会います。

だから面白い。

分からないものがなくなったら、ものづくりはきっと退屈になります。

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