図面がなくても、現物から始められる仕事があります。
機械加工や部品製作では、図面があることが理想です。
寸法、公差、材質、形状など、製作に必要な情報が図面にまとめられているからです。
でも、実際のものづくりの現場では、いつも図面が残っているとは限りません。
長年使っている設備の部品。
メーカーからの供給が終わった部品。
昔につくられた装置に使われている部品。
どこで製作されたのか分からない部品。
「現物はあるけれど、図面がない」という相談をいただくことがあります。
そんな場合は、まず現物を確認するところから始まります。
全体の形状を見る。
寸法を測る。
どこが相手部品と組み合わさるのかを見る。
材質を確認する。
どの部分に精度が必要なのかを考える。
ただ寸法を測って、そのまま同じ形につくればよいとは限りません。
長期間使われた部品なら、摩耗して元の寸法から変わっていることがあります。
破損している場合には、本来どんな形だったのかを考える必要があります。
設備の中でどんな役割をしているのかが分かれば、必要な寸法や材質を判断しやすくなることもあります。
樹脂部品なのか、金属部品なのかによって、加工方法も変わります。
切削加工で製作できるものもあれば、別の加工方法を考えた方がよいものもあります。
現物から部品を製作する仕事では、完成した図面から加工する仕事とは違った見方が必要になります。
今あるものから情報を集め、どうつくられていたのかを考え、次に使える部品として形にしていく。
それも機械加工会社の仕事のひとつです。
図面が見つからないから、もうつくれない。
そう決まっているわけではありません。
現物、写真、スケッチ、分かっている寸法など、今ある情報から考えられることがあります。
私たちは、最初から情報がすべて揃っていない仕事でも、何が分かっていて、何を確認する必要があるのかを整理しながら、ものづくりを進めています。