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磨きから学んだ、急がない仕事の大切さ。

2018.06.15

(株)アリスでは、切削加工後の仕上げ工程として磨きを行うことがあります。

磨きというと、部品の表面をきれいにする作業というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際の仕事を見ていると、それだけではありません。

磨きを始める前には、まず部品の状態を確認します。

どの程度の加工目が残っているのか。
どこから磨きを始めるのか。
どの番手から進めるのか。
形状を崩してはいけない部分はどこなのか。

同じ材料であっても、加工条件や形状によって表面の状態は変わります。

だから、毎回同じ方法で進めればいいわけではありません。

私は磨きという仕事を見ていて、上手な人ほど慌てないと感じています。

加工目を早く消そうとして力を入れ過ぎれば、その瞬間はきれいになったように見えることがあります。

しかし、次の工程へ進むと、前の番手の傷が残っていることに気づく。

磨き過ぎによって、形状が少し変わっている。

透明化処理をしたあとに、それまで見えなかった傷が現れる。

そんなこともあります。

目の前だけを早くきれいにしようとすると、その先で別の問題が出てくることがあります。

だから磨きでは、

「今、きれいに見えるか。」

だけではなく、

「この状態で次の工程へ進んで大丈夫か。」

という見方が必要になります。

これは、磨きだけの話ではないように思います。

仕事でも、目の前の問題を早く終わらせることだけを考えると、あとになって誰かが困ることがあります。

少し確認しておけば防げた。

一言伝えておけば次の人が準備できた。

急がずにもう一度見ておけば、やり直さずに済んだ。

そんなことは、ものづくりの現場でもあります。

磨き作業では、番手を変えるたびに水洗いを行うことがあります。

前の工程で出た粗い粉が残っていると、それが新しい傷の原因になるためです。

洗うという作業だけを見れば、ほんの小さなひと手間です。

でも、そのひと手間を省くことで、それまでの磨きが無駄になることがあります。

ものづくりでは、高精度な加工機や新しい技術が注目されることがあります。

もちろん、それらも大切です。

ただ、最終的な品質を支えているのは、こうした目立たない仕事の積み重ねでもあります。

切削加工が終わった。

だから製品が完成した。

というわけではありません。

加工し、仕上げ、磨き、検査し、必要な処理を行う。

それぞれの工程で品質を少しずつつくり込み、その結果として最終的な製品になります。

前の工程が整っていれば、次の仕事は進めやすくなります。

磨きが適切であれば、その後の透明化処理や仕上げも安定します。

逆に、どこかで近道をすると、その影響が後工程に現れることがあります。

品質は、最後の検査だけでつくるものではありません。

一つひとつの工程の中で、少しずつつくられていくものです。

たまたま一度きれいにできることより、同じ工程を繰り返して、同じ品質へ近づけられること。

(株)アリスでは、その再現性を大切にしています。

急いで近道を探すより、今やるべきことを一つずつ確実に積み重ねる。

磨きという仕事には、そんなものづくりの基本がよく表れていると感じていま

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