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同じ「磨く」でも、材料が変われば方法も変わる。

2026.06.28

磨きには、一つの正解だけがあるわけではありません。

(株)アリスでは、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ABSなど、さまざまな材料を扱います。

どれも表面を整えるという目的は同じです。

しかし、材料が変われば、適した磨き方も変わります。

例えばアクリル(PMMA)。

透明度を高めたり、鏡面に近い仕上がりを目指したりする場合には、粗い状態から少しずつ表面を整えていきます。

一つの工程を飛ばして急に細かく仕上げようとしても、前の傷が残ってしまいます。

だから、段階を追って傷を小さくしていくことが大切です。

一方、ポリカーボネート(PC)は、同じ透明樹脂でもアクリルと同じ方法だけでは仕上がりません。

機械加工によって白っぽくなった表面は、磨くだけでは透明感を十分に戻せない場合があります。

そのため、まず下地をきちんと整え、そのあと材料に合った透明化処理を行います。

ABSでは、また目的が変わります。

鏡面に近い外観を求めることもあれば、塗装前の下地として表面を整えることもあります。

同じ「磨く」という言葉でも、

透明にしたいのか。
光沢を出したいのか。
塗装のために整えたいのか。

目的によって見るポイントが変わります。

だから(株)アリスでは、最初から多くの材料を同時に覚える必要はないと考えています。

まずは一つ、得意な材料をつくる。

何度も同じ材料を磨き、

どのくらい硬いのか。
どの程度の力で削れるのか。
熱が入りやすいのか。
傷がどのように変化するのか。

自分の中に一つの基準をつくります。

その基準ができると、別の材料を扱ったときに違いが見えてきます。

「いつもの材料より柔らかい。」

「少し熱が入りやすい。」

「同じ力では傷が深くなる。」

「この工程は長く続けないほうがいい。」

得意な材料との比較によって、初めて扱う材料についても考えやすくなります。

これは、知識だけを覚えるのとは少し違います。

実際に触り、磨き、結果を見る。

その繰り返しによって、材料の特徴が自分の感覚と結びついていきます。

磨きの仕事は、材料ごとにすべて違う技術を最初から覚える仕事ではありません。

一つの基本を身につけ、違いを見つけ、その材料に合わせて調整していく仕事です。

(株)アリスでは、そうして一つの経験を次の材料へ横展開しながら、対応できる範囲を少しずつ広げていきます。

同じ「磨く」という作業でも、材料を知れば見るものが変わる。

その違いに気づき、自分で調整できるようになることも、ものづくりの仕事を覚えていく面白さの一つだと考えています。

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