正解のない現場では、全体を見る基準が必要になる。
ものづくりの現場では、一つの条件だけを見れば正しく思える判断でも、全体としては良い結果にならないことがあります。
加工時間を短くすれば、納期には有利になります。
しかし、急ぐことで仕上げや検査の負担が増えれば、仕事全体が速くなるとは限りません。
高い精度で加工すれば、品質は上がるように見えます。
しかし、試作品の目的に対して必要以上の精度であれば、費用と納期だけが増えることもあります。
自社設備で加工できれば、社内で完結できます。
一方で、別の工法や専門会社を選んだほうが、お客様にとって良い条件になる場合もあります。
このように、研究開発から生産現場までを支えるものづくりでは、品質、コスト、納期を単独で考えるのではなく、全体のつながりを見る必要があります。
(株)アリスでは、部分的な都合だけを優先せず、全体として最も適した結果を考えることを判断基準の一つにしています。
そのためには、まず製品や試作品の目的を理解することが欠かせません。
何を検証するための試作なのか。
どの部分が機能や組み付けに影響するのか。
今回限りの一品なのか、その後の小ロット生産まで想定しているのか。
お客様が次の段階へ進むために、どのような品質や情報が必要なのか。
目的が分かれば、どこへ時間や費用をかけるべきかを判断しやすくなります。
また、再現性も大切な基準です。
一度だけ良いものができても、次に同じ結果を出せなければ、技術として安定しているとはいえません。
どの条件で加工したのか。
どの工程が品質に影響したのか。
別の人が担当しても、同じ考え方で進められるか。
結果と理由を整理し、次にも使える形へ変える必要があります。
ただし、全体最適には、いつでも一つの正解があるわけではありません。
納期を優先すべき案件もあれば、時間をかけて精度を追い込むべき案件もあります。
コストを抑えるために仕様を見直す場合もあれば、試作段階から量産材料を使用するほうがよい場合もあります。
だからこそ、固定された答えではなく、状況に応じて使える判断基準が必要です。
(株)アリスでは、技術的に加工できるかどうかだけで仕事を考えていません。
その方法がお客様の目的に合っているか。
後の工程や生産まで含めて無理がないか。
品質、コスト、納期のバランスが適切か。
自社と国内協力会社の技術を、どのように組み合わせるべきか。
こうした視点から、その案件に合う方法を考えています。
正解が決まっていないからこそ、何を基準に判断するかが技術の差になります。
(株)アリスは、目の前の一工程だけではなく、研究開発から生産現場までの流れを見ながら、お客様にとって価値のある答えを選べる会社でありたいと考えています。