東大阪の試作製作なら【株式会社アリス】試作、試作品製作、試作品加工、切削加工、試作金型成形、精密部品加工

POM(ポリアセタール)の精度設計と寸法安定性

2024.09.13

― “削りやすい材料”に潜む量産リスク ―

POM(ポリアセタール)は、摺動性・耐摩耗性・機械強度に優れ、歯車、スライダー、ブッシュ、精密機構部品など、研究開発現場から生産設備まで幅広く採用されているエンジニアリングプラスチックです。
切削性も良好で、加工面の仕上がりも安定しやすいため、「扱いやすい樹脂」という評価を受けることが多い材料です。

しかし、精度保証という観点では、注意すべきポイントがいくつも存在します。

POM(ポリアセタール)は結晶性樹脂であり、非晶性樹脂と比較して収縮率が大きく、温度変化による寸法変動も無視できません。研究開発段階では成立していたクリアランスが、生産現場の温度環境ではタイトになりすぎる、あるいはガタが出る、といったケースが発生します。

特に嵌合部やギア部品では、線膨張係数の影響が設計値に直結します。
金属相手との組み合わせでは、温度差による寸法差がトラブル要因になることもあります。

(株)アリスでは、POMを単に“精度が出やすい材料”として扱いません。
重要なのは、「使用環境でどう振る舞うか」を前提にした設計・加工です。

また、POM(ポリアセタール)は内部応力が比較的残りにくい材料ではありますが、厚肉部と薄肉部が混在する形状では、加工後の歪みや反りが生じることがあります。固定方法や加工順序を誤ると、最終仕上げ後にわずかな変形が発生し、再加工が困難になる場合もあります。

さらに、摺動部品として使用する場合、表面粗さの管理が寿命に直結します。Ra値だけではなく、工具目の方向や加工痕の均一性が摩耗挙動に影響します。研究段階では問題がなくても、連続稼働する生産現場では摩耗粉の発生や寸法変化が顕在化する可能性があります。

(株)アリスは、POM(ポリアセタール)加工を「削れるかどうか」ではなく、「長期安定するかどうか」で判断します。
研究開発と生産現場の橋渡しを行い、設計意図を理解した上で加工工程を構築する。それが、私たちのエンジニアリングの姿勢です。

POMは優秀な材料です。しかし、その特性を正しく理解しなければ、量産移行後に想定外の課題を生みます。
精度保証とは、寸法公差を守ることではなく、機能を守ること。

(株)アリスは、材料特性と現場環境を見据えたPOM(ポリアセタール)加工で、開発と生産の両立を支え続けます。

アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作