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MCナイロンとPOMを使用環境や用途で使い分ける!

2024.06.25

MCナイロンとは?
MCナイロン(モノマーキャストナイロン)は、
ポリアミド樹脂の一種である6ナイロンの弱点を克服し、
全体的に性能を向上させた樹脂です。

「青色のエンジニアリング・プラスチック」としても
よく知られています。
MCナイロンはキャスト法で製造され、これにより樹脂のひずみを
少なくし、強くて高性能なナイロンを作り出しています。

特徴と強み
機械的強度や耐摩耗性に優れ、衝撃に強い。
グレードの種類が豊富で、用途や使用環境に応じて耐久性を
向上させることが可能です。
材料の厚みサイズが豊富で、部品設計の自由度が高い。

POM(ポリアセタール、またはジュラコン)は、
高性能なエンジニアリングプラスチックの一種で、
以下のような特性と用途があります。

特性
高強度と高硬度:機械的強度と硬度が高く、耐摩耗性に優れています。
低摩擦係数:滑らかで摩擦が少ないため、動作部品として適しています。
耐薬品性:多くの化学薬品に対して優れた耐性を持っています。
優れた寸法安定性:温度や湿度の変化による寸法変動が少ないです。
耐疲労性:繰り返し荷重に対して優れた耐疲労性を示します。
低吸湿性:水分の吸収が少なく、湿気の影響を受けにくいです。
優れた電気絶縁性:電気絶縁材料としても優れています。

用途
機械部品:ギア、ベアリング、バルブ、カムなどの摩耗が激しい部品に
使用されます。
自動車部品:燃料システム部品、内装部品、ドアハンドルなど。
電子機器:コネクタ、スイッチ、リレー部品など。
家庭用品:キッチン用具、スライダー、ファスナーなど。
医療機器:使い捨ての注射器、外科用器具の部品など。
建築資材:窓やドアの部品、配管システムの部品など。

POM(ポリアセタール、またはジュラコン)は,その優れた機械的特性と
耐久性により、さまざまな産業分野で広く利用されています。
特に、高い精度と信頼性が求められる用途において、その特性が
非常に有用です。

使用環境と用途に応じた使い分け

  1. 高温環境

MCナイロン
連続使用温度が高いため、高温下での使用が求められる部品に
適しています。
具体的には、自動車部品や工業機械部品など。

POM
比較的高温ではありますが、MCナイロンほど高温に強くないため、
通常の動作温度が95℃以下の環境での使用が推奨されます。

  1. 高精度が求められる部品

MCナイロン
吸水率が高く、湿度や水分による寸法変化が大きいため、
高精度が求められる部品にはあまり適していません。

POM
低吸水性で寸法安定性が高いため、精密な寸法が求められる部品に
適しています。
電子部品や精密機械部品など。

  1. 摩擦と摺動が多い用途

MCナイロン
耐摩耗性はありますが、POMほど滑らかではありません。
一般的な機械部品や車輪、ガイドなどに使用されます。

POM
非常に低い摩擦係数と高い耐摩耗性を持つため、歯車やベアリング、
摺動部品に最適です。

  1. 耐薬品性が求められる環境

MCナイロン
耐薬品性は良好ですが、POMと同等です。
特に耐薬品性が求められる環境ではどちらも使用可能です。

POM
耐薬品性が高く、腐食に強いため、化学薬品に触れる部品に
適しています。

  1. 衝撃に対する強度

MCナイロン
高い衝撃強度を持ち、耐衝撃性が重要な用途に適しています。
例えば、キャスターの車輪や工業用のスプロケットなど。

POM
衝撃強度も高いが、MCナイロンほどではありません。
一般的な機械部品や家電製品の可動部分に使用されます。

  1. コストパフォーマンス

MCナイロン
一般的にPOMよりも高価です。
特に高温や高強度が必要な場合に選択されます。

POM
コストパフォーマンスが良く、一般的な用途に適しています。
多くの産業分野で広く使用されています。

MCナイロンとPOMは、それぞれ独自の特性を持ち、用途や使用環境に
よって適した材質が異なります。

高温や高衝撃強度が必要な場合はMCナイロンを選び、精密さや低摩擦が
重要な場合はPOMが適しています。

適切な材質を選定することで、部品の性能を最大限に引き出し、寿命を
延ばすことができます。

MCナイロンとPOMの機械加工部品、治具、試作部品の製作は、
ぜひARICEにお任せ下さい。

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