MCナイロンとPOMを使用環境や用途で使い分ける!
MCナイロンとは?
MCナイロン(モノマーキャストナイロン)は、
ポリアミド樹脂の一種である6ナイロンの弱点を克服し、
全体的に性能を向上させた樹脂です。
「青色のエンジニアリング・プラスチック」としても
よく知られています。
MCナイロンはキャスト法で製造され、これにより樹脂のひずみを
少なくし、強くて高性能なナイロンを作り出しています。
特徴と強み
機械的強度や耐摩耗性に優れ、衝撃に強い。
グレードの種類が豊富で、用途や使用環境に応じて耐久性を
向上させることが可能です。
材料の厚みサイズが豊富で、部品設計の自由度が高い。
POM(ポリアセタール、またはジュラコン)は、
高性能なエンジニアリングプラスチックの一種で、
以下のような特性と用途があります。
特性
高強度と高硬度:機械的強度と硬度が高く、耐摩耗性に優れています。
低摩擦係数:滑らかで摩擦が少ないため、動作部品として適しています。
耐薬品性:多くの化学薬品に対して優れた耐性を持っています。
優れた寸法安定性:温度や湿度の変化による寸法変動が少ないです。
耐疲労性:繰り返し荷重に対して優れた耐疲労性を示します。
低吸湿性:水分の吸収が少なく、湿気の影響を受けにくいです。
優れた電気絶縁性:電気絶縁材料としても優れています。
用途
機械部品:ギア、ベアリング、バルブ、カムなどの摩耗が激しい部品に
使用されます。
自動車部品:燃料システム部品、内装部品、ドアハンドルなど。
電子機器:コネクタ、スイッチ、リレー部品など。
家庭用品:キッチン用具、スライダー、ファスナーなど。
医療機器:使い捨ての注射器、外科用器具の部品など。
建築資材:窓やドアの部品、配管システムの部品など。
POM(ポリアセタール、またはジュラコン)は,その優れた機械的特性と
耐久性により、さまざまな産業分野で広く利用されています。
特に、高い精度と信頼性が求められる用途において、その特性が
非常に有用です。
使用環境と用途に応じた使い分け
- 高温環境
MCナイロン
連続使用温度が高いため、高温下での使用が求められる部品に
適しています。
具体的には、自動車部品や工業機械部品など。
POM
比較的高温ではありますが、MCナイロンほど高温に強くないため、
通常の動作温度が95℃以下の環境での使用が推奨されます。
- 高精度が求められる部品
MCナイロン
吸水率が高く、湿度や水分による寸法変化が大きいため、
高精度が求められる部品にはあまり適していません。
POM
低吸水性で寸法安定性が高いため、精密な寸法が求められる部品に
適しています。
電子部品や精密機械部品など。
- 摩擦と摺動が多い用途
MCナイロン
耐摩耗性はありますが、POMほど滑らかではありません。
一般的な機械部品や車輪、ガイドなどに使用されます。
POM
非常に低い摩擦係数と高い耐摩耗性を持つため、歯車やベアリング、
摺動部品に最適です。
- 耐薬品性が求められる環境
MCナイロン
耐薬品性は良好ですが、POMと同等です。
特に耐薬品性が求められる環境ではどちらも使用可能です。
POM
耐薬品性が高く、腐食に強いため、化学薬品に触れる部品に
適しています。
- 衝撃に対する強度
MCナイロン
高い衝撃強度を持ち、耐衝撃性が重要な用途に適しています。
例えば、キャスターの車輪や工業用のスプロケットなど。
POM
衝撃強度も高いが、MCナイロンほどではありません。
一般的な機械部品や家電製品の可動部分に使用されます。
- コストパフォーマンス
MCナイロン
一般的にPOMよりも高価です。
特に高温や高強度が必要な場合に選択されます。
POM
コストパフォーマンスが良く、一般的な用途に適しています。
多くの産業分野で広く使用されています。
MCナイロンとPOMは、それぞれ独自の特性を持ち、用途や使用環境に
よって適した材質が異なります。
高温や高衝撃強度が必要な場合はMCナイロンを選び、精密さや低摩擦が
重要な場合はPOMが適しています。
適切な材質を選定することで、部品の性能を最大限に引き出し、寿命を
延ばすことができます。
MCナイロンとPOMの機械加工部品、治具、試作部品の製作は、
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