EVA樹脂切削が難しい理由
EVA樹脂は軽量で柔軟性と弾力性を持ち、吸水性がなく、履物や医療分野など
幅広い用途で使われている便利な素材です。
しかし一方で、切削加工という観点から見ると、非常に扱いが難しい樹脂でも
あります。
EVA樹脂切削が難しい最大の理由は、素材そのものが柔らかく、ゴムに近い
挙動を示す点にあります。
切削中、刃物が材料に食い込むと、材料が削られるのではなく、押し潰されたり
引き伸ばされたりしやすくなります。
その結果、寸法が安定しにくく、狙った形状を正確に再現することが困難になります。
特に板材から曲面形状を削り出す加工では、刃物の逃げや反発が大きく、形状精度の
確保が難しくなります。
また、EVA樹脂は切削後の表面状態にも大きな課題があります。
加工時に発生する毛羽立ちやささくれが起こりやすく、一般的なプラスチックのように
削ったままでは美しい表面になりません。
バリ取りや研磨といった後工程でも、柔らかさが原因で表面が荒れたり、形状が崩れたり
することがあります。
さらに、EVA樹脂は熱にも弱く、切削熱が加わることで溶けやすく、刃物に付着しやすい
特性があります。
切削条件を誤ると、刃物の切れ味が急激に低下し、加工面の品質にも悪影響を及ぼします。
そのため、一般的な樹脂加工と同じ条件では安定した加工ができません。
このように、EVA樹脂切削には、素材特性を深く理解した加工条件の設定、刃物選定、
加工順序、そして仕上げ技術が不可欠です。
対応できる加工先が限られる理由もここにあります。
EVA樹脂を「削れる素材」としてではなく、「扱いを工夫すべき素材」と捉えることが、加工
成功への第一歩となります。
EVA樹脂の切削加工では、大学の研究開発現場の装置部品やソール、シーネやクッション
部品など実績豊富です。
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