開発現場のものづくりは、実現できてこそ意味がある世界
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東大阪切削試作アリスではアルミ、銅,真鍮などの金属素材や
PBT、PPS、TPX、PSU、ジュラトロン、ポリカなどのプラスチック
樹脂素材を切削加工して試作品、治具、部品を製作しています。
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開発試作アリスではいろいろな開発ものづくりの課題について
相談があります。
今は硬度の低い粘着するシートを自由にカットする方法の打診が
ありました。
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7年ほど前に、ファッションモデル様が肌に直接粘着力だけで
取り付ける翼や花の切り抜きは以前製作しました。
手切りではカタチがバラつき、時間も掛かり、失敗も多い。
安定した形状でのカットをしたいという事でした。
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そのケースで切削加工やプレス、レーザーカットやトムソン
などでテスト加工をした事があります。
ファッションモデル用の粘着シートカットは厚みが1㎜程度と薄く
数量が少なかったのでクリアしました。
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今回は厚みがあり、数が多い製品を創るためのご要望です。
カットした断面が奇麗であるか?
大量の数をカットできるのか?
カットする型に引っ付くので手作業で離型するしかないのか?
また手作業の場合は安全でスムーズに取り外せるように
工夫をどうするのか?
製品が痛むのでフィルムで挟みますが、メーカー様で
対応してもらえるのか?
またサンドイッチするフィルムは硬く、製品は柔らかい
ので刃が傷みやすくなるがどうするのか?
繰り返し断裁する刃に製品が引っ付かないようにするには
どうしたら良いのか?
引っ付く製品の断面が当たらないように搬送するにはどうするのか?
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たくさんの課題が山積みです。
ですが、開発試作は毎回こんなものです。
おNEWのアイデアや技術の組み合わせが必要となります。
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四角や丸、底に穴が開いてる程度の形なら問題ありません。
細かな細工を加工できるかが重要です。
画像はご要望の形ではありません。
適当にどうなるのか試すために製作した刃物です。
紙や段ボールは複雑なカタチでも抜けるのですが
プラスチックやゴムは逃げたり引っ付いたりで
カットが難しいです。
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まずはトムソンの刃を製作する装置製造の会社様に訪問。
トムソン刃がどこまで繊細に製作できるのかを検証して
来ました。
仮型をサクッと製作してもらいトムソンで抜きましたが、
細かな形状は切れず、刃物にもくっつきます。
トムソン刃の専門メーカーにも来社いただき、相談。
課題の解決方法などを打ち合わせして、検討依頼しました。
これからが勝負です。
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これが開発現場のリアルです。
本当の詳細は書けませんが、イメージしていただけるかと思います。
開発ものづくりは、あたらしい時代を築く最先端のものづくり。
その世界では、理想を現実に実現していく実行力が重要なんだと
思います。
なんでもできます!と言いながら、理由をつけてトライ要素が高い
仕事は逃げる。
それでは開発試作では通用しません。
あたらしい価値を創造していく開発ものづくりが実現できません。
アリスでは、まずは様々な加工方法で課題に挑戦してみること。
少しでも実現の可能性があるのであればトライしています。
開発試作のことなら、試作のプロであるアリスにぜひお声かけ下さい。