ポリカーボネート(PC)透明化処理で切削後の白濁を美しい透明に変える技術
ポリカーボネート(PC)は、透明樹脂の中でも突出した強度と耐衝撃性を
誇る素材です。
一般的なガラスの200倍以上の強さを持ち、ハンマーで叩いても割れにくい
ことから、安全部品・保護カバー・可視化モデルなど幅広い用途で採用
されています。

透明度はアクリル(PMMA)にわずかに劣るものの、カメラレンズの
部材としても使用されるほどクリアで、ABSの約5倍、PVCの約10倍、
アクリルの約50倍という圧倒的耐衝撃性を兼ね備えています。

しかし、この優れた素材にはひとつの大きな課題があります。
それが 「切削すると白く濁る」 という現象です。
切削加工によって表面が微細に荒れ、スリガラスのように白濁してしまう
ため、可視化モデルとして見たい部分が見えないとか、内部の流路検証に
使えない、レンズの性能をまったくテスト出来ないといった問題が生じます。

これは、ポリカーボネート(PC)だけではなく、他の透明プラスチック
樹脂でも起こる現象ですが、特にポリカーボネート(PC)は擦り傷に弱く、
どれだけ丁寧に削っても白化は避けることはできません。

そこで求められるのが、(株)アリスが得意とするプラスチック樹脂の
高透明化処理です。
私たちは、切削後に白濁したPC部品を、素材本来の透明度に戻す処理技術を
有しています。
用途に合わせて最適になるよう、研磨方向や力加減、工程の順序や使用する
治具や研磨材などを選択します。
(株)アリスの蓄積して来たノウハウや経験が仕上がりに直結します。

美しい透明に仕上げるために必要なのは、誠実さと技術力です。
それぞれの工程に明確な意味と意図があり、曖昧な作業では透明度は
決して戻りません。
人の本来持つ感覚とデジタル加工技術を両立させることで、その素材が持つ
特有の透明美を最大限に引き出すことができます。

可視化モデル、流路観察モデル、照明・光学部品、展示サンプルなど、
「透明であること」が重要な試作は、ぜひ(株))アリスへご相談ください。
切削では白くなってしまうポリカーボネート(PC)やアクリル(PMMA)
などのプラスチック透明樹脂を、驚くほど透き通った状態へ仕上げます。