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透明ポリカーボネート(PC)切削加工という、難易度の高い領域

2024.11.15

透明ポリカーボネート(PC)を切削で美しく仕上げることは、一般的な樹脂加工とは本質的に異なります。最大の課題は白化現象と内部応力の顕在化です。ポリカーボネート(PC)はアモルファス樹脂であり、切削時のせん断応力と局所的な発熱によって分子配向が乱れ、光の散乱が発生します。その結果、加工直後の表面は透明ではなく白濁状態になります。単純な研磨ではこの白さは完全に除去できず、むしろ内部応力を助長するケースもあります。

このサンプルは射出成形品ではなく、板材からの削り出し加工です。金型転写ではないため、切削面そのものが最終品質を決定します。フラット面や端面を歪みなく仕上げるには、工具剛性、刃先形状、回転数、送り速度、切込み量の最適化が不可欠です。特に透明材では微細なビビリ跡や工具マークが光学的に顕在化するため、通常の外観基準とは異なる精度管理が求められます。

内側のレンズカット部は、工具軌跡とZピッチを緻密に設計することで、磨きレスでも高い透明度を実現できます。しかし最も難易度が高いのは立ち壁の内側です。工具突出し量が増えることで振動が発生しやすくなり、主軸バランスやホルダ精度、加工順序まで含めた総合的な設計が必要になります。

完成品はインジェクション成形と誤認されることもありますが、これは切削現象を論理的に制御した結果です。材料特性、熱発生メカニズム、残留応力分布を理解し、再現性のある条件へ落とし込むことが重要です。透明ポリカ切削は感覚の世界ではなく、工学的理解に基づいた現象制御の積み重ねです。切削でここまで仕上げる。その事実こそが技術力の証明だと考えています。

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