真空注型 vs 切削加工
― 開発試作で最適な製造方法を選ぶための考え方 ―
研究開発や製品開発の試作では、「どの製造方法で試作するべきか」という判断が重要になります。
特に比較されることが多いのが、切削加工と真空注型です。
どちらも試作部品を製作するための代表的な方法ですが、それぞれ得意とする条件が異なります。
試作の目的や数量によって適切に使い分けることが、開発効率を高めるポイントになります。
まず切削加工は、樹脂や金属の材料を削り出して部品を製作する方法です。
CADデータから直接加工できるため、単品試作や形状検証に非常に適した加工方法です。
例えば、
・設計初期の形状確認
・機構検証用部品
・寸法精度が求められる部品
・耐熱性や強度が必要な材料
といったケースでは、切削加工が選ばれることが多くあります。
一方で、切削加工は部品1個ごとに加工時間が必要になるため、数量が増えても大きなコストメリットが出にくいという特徴があります。
そのため、複数個の試作が必要になる場合には、別の方法が有利になることがあります。
そこで選択肢となるのが真空注型です。
真空注型は、切削加工などで製作したマスターモデル(原型)からシリコーン型を作り、そこに樹脂を流し込んで部品を複製する試作方法です。
この方法の大きなメリットは、同じ形状の部品を複数個製作できることです。
そのため、試作数量が増えるほど1個あたりのコストメリットが出やすくなります。
一般的には、
・1~3個程度 → 切削加工
・5個以上 → 真空注型
といった使い分けが検討されることも多くあります。
さらに真空注型では、材料の着色が可能であり、量産品に近い外観を再現することもできます。
メタリックやパールなどの表現についても、塗装仕上げによって対応することが可能です。
また、原型となるマスターモデルの表面品質を高めることで、鏡面に近い外観品質の試作品を製作することも可能になります。
このように、切削加工と真空注型はどちらが優れているというものではなく、試作の目的や条件によって最適な方法が変わる技術です。
(株)アリスでは、切削加工、射出成形、真空注型など、複数の試作技術の実績をもとに、研究開発の目的に応じた製造方法をご提案しています。
先行開発、原理試作、機能検証モデルなど、難易度の高い試作にも数多く取り組んできました。
研究開発現場から生産現場まで。
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開発段階のものづくりを、試作技術でサポートします。