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【中編】ABS(透明)透明化処理の現実 ― 限界を理解したうえでの最適解 ―

2023.10.07

ABS(透明)素材に対して透明化処理を施すにあたり、私たちが最初に設定したのは
「過度な期待を持たない」という前提条件でした。

素材そのものの透明度を超えることはできません。

これは加工技術以前に、材料物性として明確な限界があるからです。

今回の検証では、厚み30mm以下という条件のもとで加工・仕上げを行いました。

切削後、丁寧に磨きを入れ、その後あえてスリガラス調の仕上げへと方向性を
切り替えています。

これは、無理にクリアを目指すよりも、ABS素材の特性を活かしたほうが
「実用的な見え方」になると判断したためです。

結果として、シャープでエッジの立ったアクリルのような透明感にはなりません。

光の抜け方も柔らかく、全体的に曖昧さを含んだ見え方になります。

しかし、用途を限定すれば「それなりに使えるレベル」には十分到達しました。

重要なのは、何と比較するかです。

アクリルやポリカーボネートと同じ基準で評価すれば、ABS(透明)は明らかに劣ります。

ですが、衝撃に弱く割れやすいアクリルと比較した場合、ABSの柔らかさは大きな利点に
なります。

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