ワンオフのバイク部品を創る!!①リバースエンジニアリング
空前のバイクブーム。
新しく自動二輪の免許取得者や、バイクに乗らなくなった人が時を経て、
またバイク乗りに戻るリターンライダーの増加が凄い。
お客様であるバイクのカスタマイズメーカー社長様や、旧車取扱メーカー様、
二輪免許のため、教習所に通っていらっしゃるお客様などからバイクブームの事や、
その理由を教えていただきました。
遠い昔、高校生の頃、3ナイ運動で自動二輪の免許が取得できなかった事を
思い出しました。
そこで小型原付普通二輪の免許でも取得して、ハンターカブにでも乗ろうと
思い立ち、教習所に行きました。
それが成り行きで、大型二輪の免許を取得してしまいました。
どうせなら大型バイクに乗ろう。
そう思って、Kawasakiのお店を訪問。
ネオレトロと呼ばれるZ900RSを購入しようとしました。
ですが、空前のバイクブーム。
それに、大型バイクでもっとも売れているバイクです。
売り切れで来期モデルが販売されるまで待たなければいけない。
またいつ納車できるかもわからない。そういう現状でした。
ちょうど来社いただいたバイクのカスタマイズメーカー社長様に、
速くて、乗りやすくて、楽しいバイクがあったら購入したいので、
そんなバイクとバイク屋さんを紹介して欲しいとお願いしました。
ちょうどデモカーを販売しようと考えていたところだったとのお返事。
会社まで乗って来てくれたので購入しました。
その大型バイクが上の画像です。
デモカーとしてレースに使っていた車両だとの事。
サスペンションの設定やタイヤがレース仕様になっていました。
タッチアップするためのマジックを購入しましたが、
気になって仕方がありません。
そこで新品に交換しました。
(株)アリスはリバースエンジニアリングを行っていますから、
現物からの3Dデジタル化を得意としています。
それにアルミの切削加工も得意中の得意です。
そこで、現物からのリバースエンジニアリング。
デジタルデータ化して、オリジナルのワンオフ部品を製作する事にしました。
まずは3Dスキャナーで現物をスキャンしました。
3Dスキャンだけではハイレベルな勘合部の精度がでません。
純正部品はダイカストで製作されていますが、CNCマシニングセンタで
切削加工する機械加工部品は更に高精度な製作ができます。
エンジンケースは勘合部の穴精度や平面度が重要です。
現物と0.025~0.030の誤差しかない高い再現性を保つために計測治具を
ABSという樹脂で製作、計測しました。
最初は大体で計測治具を製作。それを目安にどんどん寸法を詰めていきます。
外観の輪郭形状も計測治具を繰り返し製作して精度を高めていきます。
今回は7回目で精度がクリアできました。
次は表面のデザインを行っていきます。