フラット面・立ち壁・レンズカットの加工戦略
2024.11.10
フラット部や端面を歪みなく仕上げるには、工具剛性の確保を前提に、切削速度・送り速度・刃先Rの選定を論理的に組み立てる必要があります。透明ポリカは微細な加工痕をそのまま可視化します。わずかなビビリ跡、工具マーク、熱による面荒れが、光の屈折として顕在化します。したがって重要なのは、面粗度の数値だけではありません。切削時の発熱量、せん断角、刃先の当たり方まで含めた総合設計が求められます。仕上げ工程で整えるのではなく、切削段階で透明化に近づける思想が基本になります。
内側のレンズカット部は、工具パス設計が品質を左右します。単純な等高線加工ではなく、切削負荷が局所集中しないよう負荷分散を行い、工具接触角を一定範囲に保つ設計が有効です。特にZ方向ピッチは光学的仕上がりに直結します。段差そのものをゼロにするのではなく、「光学的に認識されない段差」まで抑え込むという考え方です。加工理論と視覚特性の両立が必要になります。
最も難易度が高いのは立ち壁内側です。工具突出し量が増加し、剛性が低下することで共振域に入りやすくなります。この領域では回転数の単純調整では不十分です。主軸バランス、ホルダ精度、クランプ状態、加工順序まで含めて再設計します。荒取りと仕上げの熱履歴管理も重要な要素です。
加工は単なる操作ではありません。条件を組み立てる設計行為です。結果は偶然ではなく、物理現象を制御した必然として生まれます。
(株)アリスはエンジニア思考での研究開発現場から生産現場までのものづくりで貢献していきます。
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