ハーレーの鼓動に負けないフェアリングのカスタム。

ハーレーダビッドソンのフェアリング改造を承りました。

前側と後側でまったく異なる部品をバイクにセットしたいとの事。
個人のお客様は仕上がり具合が分からないため、とてもリスクが
高く、念入りに打ち合わせをしました。

最初は形状がまったく違うため、どうすれば想像が出来ませんでした。
とにかく前後のフェアリングが大雑把にセットができるよう、専用
ステーを設計・製作して合わせてみました。
それから現物を分析しながら、どこが当たるのでカットしなければ
いけないのかを検討していき、完成イメージをお客様にも分かるよう
にフェアリング単体をアバウトですが、改造をしました。

今度はハーレーダビッドソンとの勘合を調整していくために、お客様
にバイクでご来社いただきました。

まだ前後のフェアリングが合わせられず、大きな隙間がある状態で
仮セットしてみました。
左右上下にある取付用フックにまったく届きませんでした。
さてどうしよう。
仮付けした状態を念入りに分析。
方向性を決めてから、まずは干渉する部分を超音波カッターで削除
しました。

前側のフェアリングはそのまま使用。
後側を改造する事でなんとか対応するように考えました。
後側のフェアリングを大がかりなカット加工を施す事で前後の
セットは、ギリギリの隙間まで詰める事が出来ました。

まずはフェアリングがしっかりと固定できるような構造に仕上げました。

次はバイクとのセット調整です。
フェアリングをお客様が簡単に取り外せるように、純正の機能を
活かしたままで使えるように工夫して、取り外しはクリア。

バイクのコードや部品が微妙に干渉して、セットしたい位置に出来ません。
当たっている部分をリアのフェアリングをカットしていきます。
何度もセットしては勘合確認、不要部分をカットが繰りかえされる
地道の作業です。

理想的な位置にセット出来るようになりました。
ハーレーダビッドソンは振動が大きいのでお客様に試運転していただき、
大きな問題がないかを確認してもらいました。

ハーレーでの走行テストでは、ステーやフェアリングはビクともせず、
お客様から「問題ありません。」と喜びの声をいただきました。
写真を使ったPRも快くご了承いただきました。

しっかりマスキングしたので前側のフェアリングは綺麗なままです。

その間に隙間を埋めるための材料などを準備します。
カット面も汚いので、綺麗に磨き処理します。
次にお越しいただいた時には完成します。

写真では伝わりにくいですが、現物を確認しながら、使い勝手も良い
機構を残すという難易度の高い加工でした。

最終仕上げ(カット面の美観や隙間処理)は次回に持ち越しですが、
まずは実用テストに十分耐えるレベルに仕上がっています。
完全仕上げ後、改めて投稿予定です。
ハーレーの個性に合わせた一点モノのカスタムは、なかなか楽しく、
挑戦しがいのある仕事でした。