ポリアミドイミド(PAI)の切削機械加工

ポリアミドイミド(PAI)は、エンジニアリングプラスチックの中でも
最高峰の耐熱性・耐摩耗性・機械強度 を兼ね備えた超高機能樹脂です。
(株)アリスでも、生産現場で求められる高機能部品の製作のために
ポリアミドイミド(PAI)の切削加工を行って来ました。
このPAI樹脂を押出/圧縮成形した素材が、三菱ケミカルアドバンスド
マテリアルズの「ジュラトロン(Torlon®)」シリーズ です。
■ ジュラトロン(PAI)の代表グレード
画像の左側が T4203、右側が U1000 の素材です。
T4203:無充填グレード(ナチュラル色)
高い機械強度と寸法安定性を持ち、耐クリープ性にも優れています。
精密機構部品や耐熱治具など、高精度を必要とする試作品に最適です。
U1000:無充填ベーシックグレード(アンバー色)
ベアリング、摺動部品に使用される汎用グレード。
高温下でも寸法変化が非常に小さく、耐久性が求められる部品に
利用されます。
■ なぜPAI(ジュラトロン)は特別なのか
ジュラトロンの最大の特徴は、連続使用温度 250℃ でも強度・剛性が
安定して保たれる点です。
さらに、
超高い耐摩耗性
吸水率が低く寸法安定性が抜群
高荷重下でも変形しにくい
金属の代替になるレベルの機械強度
薬品に対しても高い耐性を持つ
といった特性から、「過酷な使用環境で壊れない樹脂」 として生産現場
界で高く評価されています。
■ 使用される代表的な用途
ジュラトロンは、一般樹脂では耐えられない過酷環境で活躍します。
高温下で動く機構部品
高荷重&高速摺動部(ベアリング、スラストワッシャー等)
半導体装置部品
自動車・航空機のエンジン周辺部品
高耐久を求められる冶具・治工具
金属では重すぎる、樹脂では弱すぎる
開発現場での信頼性試験用パーツとしても多く選ばれています。
■ ジュラトロンは「切削加工の難易度が高い」材料
PAIは非常に高硬度で、しかも素材が高価なため、切削加工には
高度なノウハウと精密条件の最適化 が必須です。
刃物摩耗が大きい
逃げ面の熱が溜まりやすい
切削抵抗が大きくビビリが起きやすい
寸法差が発生しやすい
これらの課題をクリアするため、(株)アリスでは工具選定・回転数
・送り・クランプ方法など、培って来た加工データや経験をもとに最適な
加工条件を構築しています。
■ ジュラトロン(PAI)の切削部品製作は(株)アリスへ
(株)アリスは、試作から小ロットまで、ジュラトロン(PAI)を使った
高精度切削部品の製作に対応しています。
「高温環境で使える樹脂パーツが欲しい」
「摩耗しない試作部品が欲しい」
「金属では重い・樹脂では弱い、その中間が欲しい」
こうした開発現場のお悩みに、(株)アリスの加工技術でお応えします。
ジュラトロン(PAI)切削加工のご相談はぜひ(株)アリスへ。
最適な材料選定から加工方法までサポートいたします。