試作金型を製作し、インジェクション(射出成形)で試作サンプルを製作する
試作品として切削加工で製作するには必要数量が多過ぎる。
量産は海外で生産するので、その前に国内で量産試作サンプルを
試作金型で製作しておきたい。
量産の立ち上げが遅れてしまったので、試作金型を使っての量産
部品の製作をスピーディーに行いたい。
こうしたケースで試作金型を製作し、インジェクション(射出成形)
で試作サンプルや部品を製作する方法が、スピード&コストの両面で
最も合理的な選択となります。
試作金型による射出成形であれば、
量産時に使用予定の材料をそのまま用いて成形することが可能です。
そのため、外観・寸法精度だけでなく、強度、耐熱性、耐薬品性と
いった材料特性を含めた量産を見据えた実使用評価を行うことができます。
これが、試作金型(簡易金型)を用いる大きな優位性です。
試作金型をアルミ材で製作する理由は、加工性に優れている点にあります。
アルミは切削性が高く、金型製作にかかる工数を抑えられるため、金型を
短納期かつ低コストで完成させることが可能です。
また、設計変更や形状修正が発生した場合でも、改造を迅速かつ安価に行える
点は、開発段階において大きなメリットとなります。
さらに、モールドベースを共有し、インサート部を入れ替えるカセットタイプ
構造とすることで、形状違いや仕様違いの試作にも柔軟に対応できます。
試作金型(簡易金型)といっても、金型構造そのものは量産金型と大きく
変わるものではありません。
違いは主に、金型材質が鋼材ではなくアルミである点にあります。
そのため、ゲート位置や本数、押し出しピンの配置、成形条件の最適化など、
量産を想定した成形検証を事前に行うことが可能です。
数量の多い試作モデルや、量産移行を見据えた評価サンプルの製作、
また急ぎでの量産部品の初期ロットも含めて、試作金型(簡易金型)を
用いたインジェクション射出成形をおすすめしています。