ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第77回】ChatGPTで仕事の問題点を深掘りする方法|なぜを繰り返し、原因・背景・本質的な課題を見つけよう
こんにちは!ソラ先生です。
皆さんは、仕事で同じ問題が何度も発生して困った経験はありませんか?
確認したはずなのに、また間違いが起こる。
納期が遅れるたびに、担当者が急いで対応している。
作業ミスが発生するたびに、「次から気をつけよう」と注意している。
一度は解決したと思った問題が、しばらくすると再び発生する。
こうした経験は、さまざまな職場で起こり得ます。
なぜ、同じ問題が繰り返されるのでしょうか。
その理由の一つとして、目の前の問題には対応していても、問題が発生する原因までは解決できていない可能性があります。
例えば、見積書に入力間違いがあった場合、その間違いを訂正すれば、目の前の問題は解消できます。
しかし、入力間違いが起こる原因が残っていれば、同じような問題が再び発生するかもしれません。
今回は、ChatGPTを使って仕事の問題点を深掘りし、原因や背景を整理しながら、本質的な課題を見つける方法を学んでいきましょう。
1.問題と原因は同じではない
最初に、問題と原因の違いを考えてみましょう。
例えば、製造業の営業事務で「見積書の金額に間違いがあった」という問題が発生したとします。
このとき、すぐに思いつく原因は「担当者が入力を間違えた」というものかもしれません。
しかし、本当にそれだけでしょうか。
元の資料に記載された金額が間違っていた可能性もあります。
複数の見積書を同時に作成していて、別の案件の金額を入力した可能性もあります。
古いデータを使用した可能性もあります。
確認する手順が十分に整備されていなかった可能性もあります。
つまり、「入力を間違えた」という事実だけでは、問題が発生した背景までは分からないのです。
ここで大切なのが、目の前で起きた現象と、その現象を引き起こした原因を分けて考えることです。
ChatGPTは、この整理を手助けしてくれます。
2.まずは問題を具体的に説明しよう
問題を深掘りするとき、最初から原因を決めつける必要はありません。
まずは、実際に何が起きたのかをChatGPTに伝えます。
実践① 問題を整理する
ChatGPTへの入力例
「製造業の営業事務で、見積書の金額に間違いが発生しました。
お客様へ提出する前の確認で発見したため、誤った見積書は送信していません。
現時点では、なぜ間違いが起きたのか分かっていません。
この問題について、確認できている事実、まだ分からないこと、原因を調べるために必要な情報を整理してください。
原因を推測だけで断定しないでください。」
ChatGPTの回答例
確認できている事実
- 見積書の金額に間違いがあった
- お客様への送信前に発見した
- 誤った見積書は送信されていない
- 間違いが発生した原因は分かっていない
まだ分からないこと
- どの段階で金額が間違ったのか
- 元の資料に誤りがあったのか
- 入力時に誤りが発生したのか
- 確認作業はどのように行われたのか
原因調査のために確認したいこと
- 正しい金額はどの資料に記載されていたのか
- 見積書はどのような手順で作成されたのか
- 金額の入力方法は手入力か、データの転記か
- 間違いはどのような確認で発見されたのか
このように整理すると、何を調べる必要があるのかが分かりやすくなります。
特に重要なのは、まだ分かっていないことを、分かったこととして扱わないことです。
3.「なぜ?」を繰り返して原因を考える
問題の原因を調べる方法の一つに、「なぜなぜ分析」があります。
問題に対して「なぜ?」という質問を繰り返し、原因を掘り下げていく考え方です。
例えば、こんな場面を想像してください。
問題:必要な資料を探すのに時間がかかる。
なぜ時間がかかるのか?
「資料の保存場所が分かりにくいから」
なぜ保存場所が分かりにくいのか?
「担当者によって保存するフォルダが違うから」
なぜ担当者によって違うのか?
「共通の保存ルールが決まっていないから」
このように質問を重ねると、最初に見えていた「資料を探すのに時間がかかる」という問題から、「保存ルールが統一されていない」という課題が浮かび上がります。
ただし、これは説明のための例です。
実際の原因が必ず一つに絞られるとは限りません。
また、「なぜ?」を5回繰り返せば、必ず正しい原因に到達するわけでもありません。
回答の内容を実際の事実と照らし合わせることが大切です。
4.ChatGPTと一緒になぜなぜ分析をしてみよう
それでは、ChatGPTを使って原因を掘り下げてみましょう。
実践② 質問を一つずつ進める
ChatGPTへの入力例
「仕事で必要な資料を探すのに時間がかかっています。
なぜなぜ分析を使って、原因を一緒に考えてください。
最初から原因を決めつけず、一つずつ質問してください。
私が回答した内容をもとに、次の質問を考えてください。
確認できた事実と仮説は区別してください。」
ChatGPTとの会話例
ソラ先生:
「資料を探すのに時間がかかるのは、どのようなときですか?」
あなた:
「過去の見積書を探すときです」
ソラ先生:
「過去の見積書を探すとき、どこで時間がかかっていますか?」
あなた:
「保存されているフォルダが分からないことがあります」
ソラ先生:
「見積書の保存場所は、社内で統一されていますか?」
あなた:
「担当者によって違います」
ソラ先生:
「保存場所について、共通のルールはありますか?」
あなた:
「明確なルールはありません」
ここまでの会話から、保存場所のルールが統一されていないことが、資料を探す時間に影響している可能性が見えてきました。
しかし、それだけで原因が確定したわけではありません。
ファイル名の付け方や検索方法など、別の要因も考えられます。
ChatGPTとの対話で原因の候補を整理し、実際の仕事を確認しながら検証することが重要です。
5.一つの問題に複数の原因がある場合
仕事の問題は、一つの原因だけで起こるとは限りません。
例えば、製品の納期が遅れた場合を考えてみましょう。
材料の入荷が遅れた。
加工に想定以上の時間がかかった。
他の案件との作業調整が必要になった。
図面に不明点があり、確認に時間を要した。
こうした複数の要因が関係している場合があります。
そこで、ChatGPTに原因の候補を分類してもらう方法があります。
実践③ 原因を分類する
ChatGPTへの入力例
「製造業で製品の納期が遅れた原因を分析したいです。
原因として、材料の入荷遅れ、加工時間の増加、作業日程の調整、図面確認の遅れが考えられます。
これらを分類し、それぞれについて確認するべき事実を整理してください。
どの原因が重要かは、まだ決めないでください。」
ChatGPTの回答例
| 原因の候補 | 確認すべき情報 |
|---|---|
| 材料の入荷遅れ | 発注日・予定入荷日・実際の入荷日 |
| 加工時間の増加 | 予定加工時間・実際の加工時間 |
| 作業日程の調整 | 当初の作業計画・変更履歴 |
| 図面確認の遅れ | 問い合わせ日時・回答日時 |
こうして整理すると、原因を調べるために必要な情報が具体的になります。
単に「納期が遅れた原因を考えて」と質問するよりも、実際の仕事に即した分析へ進めやすくなります。
6.人のミスだけを原因にしない
仕事で問題が起きたとき、「担当者の確認不足」という結論になってしまうことがあります。
もちろん、確認が不足していたという事実がある場合もあります。
しかし、そこで分析を終えてしまうと、改善の機会を逃してしまうかもしれません。
例えば、見積書の入力間違いが発生した場合です。
なぜ間違えたのでしょうか。
元の資料が分かりにくかったのでしょうか。
複数の資料を見比べる必要があったのでしょうか。
入力する項目が多かったのでしょうか。
確認方法に改善の余地があったのでしょうか。
ChatGPTには、次のように相談できます。
ChatGPTへの入力例
「見積書の入力間違いについて、担当者の注意不足だけで結論を出さず、作業手順、資料の分かりやすさ、確認方法などの観点から原因を検討してください。
ただし、現時点では具体的な原因は分かっていません。
調査すべき項目として整理してください。」
重要なのは、人の責任を無条件に否定することではありません。
人の作業と仕組みの両方を確認し、再発防止につながる原因を探すことです。
7.原因と対策を混同しない
原因の分析をしていると、途中で改善案が思いつくことがあります。
例えば、「見積書に入力間違いがある」という問題に対し、「チェックリストを作ろう」と考えるかもしれません。
しかし、チェックリストは対策の一つです。
原因そのものではありません。
原因を十分に確認せずに対策を決めると、問題が解決しない場合があります。
例えば、入力間違いの原因が古い価格表の使用だったとします。
その場合、確認項目を追加するだけでなく、価格表の管理方法を見直す必要があるかもしれません。
ChatGPTには、次のように指示してみましょう。
ChatGPTへの入力例
「これまでの分析内容を、発生した問題、確認できた原因、まだ確認できていない原因の候補、考えられる対策に分けて整理してください。
原因が確認できていないものについては、対策を確定しないでください。」
このように整理することで、原因と対策を混同しにくくなります。
8.問題を深掘りして見つかった原因を確かめよう
ChatGPTと分析を進めると、もっともらしい原因が見つかることがあります。
しかし、その原因が正しいかどうかは、実際の情報を調べなければ分かりません。
例えば、「資料の保存場所が統一されていないため、検索時間が長くなっている」という仮説ができたとします。
この場合、実際に何件かの資料を探して、検索にかかった時間や、どの段階で迷ったのかを記録する方法があります。
保存場所が分かれば、すぐに見つかるのでしょうか。
ファイル名にも問題があるのでしょうか。
同じ資料が複数の場所に保存されているのでしょうか。
こうした事実を確認することで、改善すべき部分がより明確になります。
ChatGPTによる分析は、事実を調べる代わりではなく、何を調べればよいのか考えるためにも役立ちます。
9.原因が分かったら、再発防止を考えよう
問題の原因を確認できたら、次は再発防止です。
例えば、資料の保存ルールが統一されていないことが原因の一つだと分かった場合を考えましょう。
改善案としては、
- 保存場所を統一する
- フォルダの分類方法を整理する
- ファイル名の付け方を決める
- 必要な資料の検索方法を共有する
といった方法が考えられます。
ただし、実際の業務に導入する前に、現在の資料管理方法や関係者への影響を確認する必要があります。
ChatGPTには、次のように相談できます。
ChatGPTへの入力例
「過去の見積書を探すのに時間がかかる原因の一つとして、保存場所が統一されていないことを確認しました。
この問題を改善する方法を複数考えてください。
それぞれについて、必要な準備、期待できる効果、導入時の注意点を整理してください。
現在の業務を大きく変更せず、小さく試せる方法も提案してください。」
こうすることで、問題の原因に対応した改善案を検討できます。
そして、改善後には、本当に問題が減ったのか確認することも忘れないようにしましょう。
10.実践演習!ChatGPTと問題の原因を探してみよう
それでは、今回の授業の仕上げです。
皆さんが普段の仕事で経験している問題を一つ選んでみてください。
例えば、
「入力間違いが繰り返し発生する」
「資料を探すのに時間がかかる」
「作業の予定が遅れることがある」
「同じ内容の確認が何度も発生する」
といった問題です。
そして、次の指示文をChatGPTに入力してみましょう。
そのまま使える実践プロンプト
「あなたは仕事の問題分析を一緒に考えるアシスタントです。
これから私が仕事で困っている問題を説明します。
すぐに解決方法を提案するのではなく、まず原因を深掘りしたいと考えています。
次の条件で進めてください。
1.最初に、どのような問題が起きているのか質問してください。
2.問題が発生した状況や頻度について、一つずつ質問してください。
3.私が回答するまで次の質問に進まないでください。
4.確認できた事実と、考えられる原因の仮説を区別してください。
5.『なぜ?』という質問を使いながら、原因を深掘りしてください。
6.一つの原因に決めつけず、複数の可能性を検討してください。
7.担当者の注意不足だけで結論を出さず、作業方法や仕組みも確認してください。
8.原因の候補が整理できたら、実際に確認するべき情報を教えてください。
9.確認できた原因に対して、複数の改善案を考えてください。
10.最後に、再発防止の効果をどのように確認すればよいか提案してください。
それでは、最初の質問から始めてください。」
この方法を使えば、ChatGPTと一緒に問題を一つずつ整理しながら、原因について考えることができます。
最初から正しい答えが出るとは限りません。
質問を重ね、事実を確認し、必要に応じて考え直すことが大切です。
ソラ先生からのアドバイス
仕事で問題が発生すると、どうしても早く解決したくなります。
お客様への対応が必要な場合や、製造現場で作業が止まっている場合など、まず目の前の問題に対応しなければならないこともあります。
その判断は大切です。
しかし、問題が落ち着いた後には、もう一つ考えてほしいことがあります。
なぜ、その問題が発生したのか。
そして、
どうすれば、同じ問題が起こりにくくなるのか。
この二つを考えることです。
仕事の中で発生した問題は、単なる失敗として終わらせることもできます。
一方で、問題を詳しく調べることで、これまで気づかなかった仕事の課題を発見できる場合もあります。
ChatGPTは、そのための質問を考えたり、情報を整理したり、別の可能性を提示したりすることができます。
ただし、ChatGPTが出した答えを、そのまま正解にしてはいけません。
実際に調べた結果が仮説と違っていれば、考え直せばよいのです。
問題解決に大切なのは、最初から正しい答えを知っていることではありません。
分からないことを調べ、考え、試し、確かめることです。
その積み重ねが、仕事の改善につながっていきます。
今回のまとめ
第77回では、ChatGPTを使って仕事の問題点を深掘りする方法を学びました。
今回のポイントは5つです。
1.発生した問題と、その原因を分けて考える。
2.確認できた事実と、原因の仮説を区別する。
3.「なぜ?」という質問を使い、背景を掘り下げる。
4.一つの原因に決めつけず、複数の可能性を検討する。
5.原因を確認したうえで、改善と再発防止につなげる。
仕事の問題は、表面に見えていることだけがすべてではありません。
小さな確認漏れの背景に、仕事の進め方の問題が隠れていることもあります。
何度も繰り返されるトラブルの中に、改善のヒントが見つかることもあります。
ChatGPTを活用しながら、目の前の問題だけでなく、その背景にある原因にも目を向けてみましょう。
次回予告|第78回
次回は「ChatGPTで仕事の優先順位を整理する方法」を学びます。
複数の仕事が重なったとき、何から取り組めばよいのか。
緊急度、重要度、納期などを整理し、ChatGPTと一緒に仕事の進め方を考える方法をご紹介します。
それでは、次回も一緒に学んでいきましょう!